27-1.喚ぶ唄
お待たせ致しましたー
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さあさ、さあさ。
唄えや、踊れ。
死出への舞を。
悲しみ、哀しむ死の舞を。
綿毛を伝う風のように。
吹雪け、吹き荒れろ。
この街に、この国に。
「さあさ、さあさ。唄えや踊れ!」
導こう、導こう。死出の道へと行かん迷える魂よ。
吹き荒れろ、吹き荒れろ。この街に、この国に。
常世の吹き荒れる冷気と共に。
呼び起こそう、呼び起こそう。
数多の怨恨が連れる冷気を。
「冷たい、冷たい氷の粒。雹に霰に雪よ、雪!! ふーれ、ふれぇ!!」
女の言霊を管に。
女の手にある、ケサランパサランの甲本を贄に。
さすれば、さすれば。
女の願いは叶うだろう。
あの憎ったらしい、双子の妹を困らせるために。こらしめるために。
いっそ、殺してもいいために。
唄えや唄え。
踊れや踊れ。
人魂、人魂。
言霊、言霊。
来いや、来い。
黄泉路より這い上がれ。
這い出て荒れろ。
この世を荒れさせろ。
「……ねえ? ───??」
ぽつりとつぶやく、あの妹の真実の名を。
ちょうどいい。魂のないあの妹を始末しても、魂がなければ祖父も何も言うまい。
魂よ、どこだどこだ。
空の器を置いてけぼりに、どこへと行った。
来いや、来い。
この黄泉路への唄と共に。
姉である我が元へと来い。
女は妹である漣程ではないが、透き通る声で歌を響かせていく。
空間が、地面からボコボコと盛り上がり、死出の鬼や人魂が甦ってくる。
空は荒れ、雨雲ではなく雪雲になり、細かい雪がどんどん吹雪いていく。
行く手を阻むかのように。
このケサランパサランを媒介に、常世の眷属を呼びに呼んで。
この世を乱そうじゃないか。
すると、赤い線がこちらに飛んできたので。女は甲本を握った手で軽く振ってから線をあちこちの方角に飛んで行くように乱した。
なんと、安易に書き換えられるものだ。
「ふふ……ふふふ!!」
さあ、いつ止められるか。
死者が出るか出ないか。
それは女ではなく、漣の手にかかっているのだから。
次回は土曜日〜




