26-6.闇の中で抵抗
お待たせ致しましたー
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何処だ。
何処だろう。
甲本は、あの黒い渦に取り込まれてから、自分が何処にいるのかわからなかった。
己の守護精の姿もなく、『れん』や『あさと』もいない。
ただ自分だけが、闇の中に閉じ込められている状態。
いったい全体、何が起きたのだろうか?
『……れん? あさと……?』
呼んでも、返事はない。
本当に、ここにいるのは甲本だけだろう。
どうして、と思ってもわからない。
わずかに戻った記憶を頼りにしても、何もわからない。
コロコロと、ケサランパサランの身体を転がしても、闇の終着点に行くわけでもなく。
少し、泣きたい気持ちになったが、泣いていては何も始まらない。甲本のために、歌を歌ってくれた『れん』が癒してくれたように。
今の甲本でも、何か出来るかもしれない。
だから、何か出来ないか闇の中をコロコロ転がっていたら。
あれだけ見つからなかった終着点が、見つかったのだ。
柔らかくて、少し曲線があるが、たしかに壁だった。
それともう一つ。
外から声が、少し聞こえてきたのだ。
「……魂を引っ張り出すにもちょうどいい。……甲本くん? 君には贄になってもらうよ?」
「……具体的にどうするつもりだ?」
「ふふん? 素敵に楽しく……この甲本くんを活躍させてあげるのさ?」
自分が何かに利用される。
その事実がわかった途端、逃げ出そうとしたが。
自分が今夢の中に意識があると、この空間がケサランパサランの身体の内側だと理解出来たが。
目が覚めることなく、ジタバタしてるしか出来ない甲本は。
どうすればいいんだ、と絶望した。
そして、直後。
その意識が、だんだんと濃くなってきた闇に取り込まれて。
甲本が、甲本であった存在が認識出来なくなってきた。
「れ……ん! あさ、と!」
嫌だ。
これ以上、誰の迷惑にもなりたくはない。
一度は殺された身であっても、あの時あの女性の幸せを願ったのは本当だから。
意識が散り散りになる前に。
甲本は柘植奈央美との最後の会話を思い出したのだった。
次回は日曜日〜




