表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ウィンタージュに憩いの羽音を  作者: 櫛田こころ
亜種ケサランパサラン
131/164

26-6.闇の中で抵抗

お待たせ致しましたー







 *・*・*










 何処だ。


 何処だろう。


 甲本(こうもと)は、あの黒い渦に取り込まれてから、自分が何処にいるのかわからなかった。


 己の守護精の姿もなく、『れん』や『あさと』もいない。


 ただ自分だけが、闇の中に閉じ込められている状態。


 いったい全体、何が起きたのだろうか?



『……れん? あさと……?』



 呼んでも、返事はない。


 本当に、ここにいるのは甲本だけだろう。


 どうして、と思ってもわからない。


 わずかに戻った記憶を頼りにしても、何もわからない。


 コロコロと、ケサランパサランの身体を転がしても、闇の終着点に行くわけでもなく。


 少し、泣きたい気持ちになったが、泣いていては何も始まらない。甲本のために、歌を歌ってくれた『れん』が癒してくれたように。


 今の甲本でも、何か出来るかもしれない。


 だから、何か出来ないか闇の中をコロコロ転がっていたら。


 あれだけ見つからなかった終着点が、見つかったのだ。


 柔らかくて、少し曲線があるが、たしかに壁だった。


 それともう一つ。


 外から声が、少し聞こえてきたのだ。



「……魂を引っ張り出すにもちょうどいい。……甲本くん? 君には(にえ)になってもらうよ?」

「……具体的にどうするつもりだ?」

「ふふん? 素敵に楽しく……この甲本くんを活躍させてあげるのさ?」



 自分が何かに利用される。


 その事実がわかった途端、逃げ出そうとしたが。


 自分が今夢の中に意識があると、この空間がケサランパサランの身体の内側だと理解出来たが。


 目が覚めることなく、ジタバタしてるしか出来ない甲本は。


 どうすればいいんだ、と絶望した。


 そして、直後。


 その意識が、だんだんと濃くなってきた闇に取り込まれて。


 甲本が、甲本であった存在が認識出来なくなってきた。



「れ……ん! あさ、と!」



 嫌だ。


 これ以上、誰の迷惑にもなりたくはない。


 一度は殺された身であっても、あの時あの女性の幸せを願ったのは本当だから。


 意識が散り散りになる前に。


 甲本は柘植(つげ)奈央美(なおみ)との最後の会話を思い出したのだった。

次回は日曜日〜

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ