26-2.奪われた
お待たせ致しましたー
*・*・*
何が起きたかわからなかった。
ケサランパサランとなった、甲本泰彦があの世に戻ると言い出した途端。
彼の後ろに黒い渦が出現して、取り込まれてしまったのだ。守護精は取り込まれずに、彼だけが。
晁斗や漣が手を伸ばしても間に合わず、渦は甲本を取り込むと何もなかったかのように消えてしまい。
ローテーブルに突っ伏す形になった漣は、ポカンとしていた。
「……甲本さん?」
呼んでも、彼はもういない。
まさか、あれが地獄のやり方かと思っていると。
祖父の克己が渋い顔をしていた。
「克爺?」
「…………あれは、おそらく裏だね」
「裏!?」
だとしたら、ついこの前のバレンタインあたりで。
ケサランパサランを利用して、陸螺市全体を。柘植奈央美をも利用して守護堕ちにさせようとしていた。
そんな奴らが、あの男女二人組が。ケサランパサランになった甲本を連れ去ったのか。
「もし、あの世が甲本君を連れ戻しに来るのなら。きちんとした手順があるはずだ。さっきの渦は一方的な接触……しかも、守護精をそのままにしておくのはおかしい。術が荒いから急ごしらえだったかもしれないね?」
まだ放心している漣を撫でてやりながら、克己は術の痕跡を探してしきりに頷いていた。
これは、また厄介な事件になるかもしれない。
それに。
「主……主!?」
引き離された守護精が顕現したままと言うことは、甲本がすぐに殺されたわけではないだろうが。
急に引き離された守護精はあれだけ冷静でいたのが、嘘のように泣き出したのだった。
「……大丈夫だ。お前が顕現してんならあいつもまだ生きている。落ち着け」
「……! そう……ですね……」
「晁斗……さん。甲本さんは、生きてるんですか?」
「ああ。守護精は人間の魂の片割れとも言われてるからな? 昇天なりあの世に行ったんなら、普通は守護精も一緒に消えてしまう。だろ? 克爺」
「その通り。だから、まだ希望はあるんだ」
だけど、時間は限られている。
裏の、おそらくあの二人がどう言う理由で再び甲本と接触して、こちらから奪った理由はまだ不明だが。
ケサランパサランの親玉も一緒について行くと言うので、守護精である翔羽も連れて行くことになり。
漣は、再び璐羽の背に。晁斗は空呀に。
「絶対見つけましょう!」
「そうだな?」
克己は事務所で待機してくれることになったため、晁斗達は翔羽がなんとかたどれる甲本の気配を頼りにして。
夕闇が迫る空に駆け出したのだった。
次回は火曜日〜




