24-3.ここにもまた
お待たせ致しましたー
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少し珍しい時間帯に、篤嗣の私用のスマホに連絡が来た。
誰だと思ったら、中学からの先輩である燈から。連絡内容にも、驚きを隠せなかった。
「菜幸と……!?」
晴れて、今日から付き合うことになったと言う報告。証拠にスマホの写メで添付写真付き。
本心は喜びたいが、あと少し喜べない理由がある。今ちょうど席を外している、同期で親友の御子柴清司郎。
菜幸を崇拝してやまない、熱狂的信者の等しい彼がこのことを知ったら。
落胆するだけで済まないだろう。
柘植奈央美の事件があってから、少し様子はおかしい。そこにこれを畳み掛けに知らせるのは良くない。
そう思った時に限って、篤嗣はタイミングを呪った。
「…………燈先輩と菜幸さんがお付き合いなさったんですか?」
篤嗣の後ろにいつの間にか立ってて、しかも写メをばっちり見てしまっていたのだ。
「清司郎!? いや……これは」
「? 良かったじゃないですか。菜幸さんも先輩も無事に結ばれて」
「……お前清司郎?」
「正真正銘、御子柴清司郎ですが? 何か?」
「じゃなくて! お前、菜幸に執着してただろうが!? なんだ、今の垢抜けたような返事!!」
「…………恋愛感情はとうに諦めていましたよ。今でも、彼女は尊敬してますし」
「……本当か?」
あの長年の執心っぷりが、どうしたらこんなにもあっさり落ち着くのか。考えられるとすれば。
ジーっと見つめても、御子柴の方から言うつもりはないようだ。
「……なんですか?」
「…………お前。まさか、菜幸以上に好きな奴でも出来たのか??」
「!? げっほ!!」
ちょうど自販機で買ってきたらしい缶コーヒーでむせた。これはドンピシャなのかもしれない。
「だーれだ、誰だ? あのお前がだぜ? 心変わりするくらいの奴って」
「…………まだ確定ではないんですが」
「菜幸の事で動揺しねーのがいい証拠だろ?」
「……げ、さんです」
「は?」
よく聞こえなかったので、もう一度問い掛ければ御子柴はズレた眼鏡を直した。
「……柘植奈央美さんです」
「………………よし、清司郎。定時に上がって彼女の会社に行け!」
「へ?」
「曖昧でも、それだけ想ってんならほんもんだ。俺に仕事押し付けてでもいいから言いに行け! 今日はバレンタインだろ?」
「……篤嗣君」
篤嗣にはまだいない。
けれど、親友の恋は応援したい。
それを告げれば、御子柴は今までにない速さで書類をほとんど処理して。
篤嗣には、署内の女性職員が押し付けてきたチョコ達を処理するのを頼んだのだった。
次回は金曜日〜




