23-3.回転寿司で食事②
お待たせ致しましたー
*・*・*
くるくる、くるくる回る寿司屋。
デートに相応しくないとは思うが、ちょっと小腹を満たす程度にはちょうどいい理由で意外と利用されているのだ。
それに、晁斗は漣が熊谷家のテレビで、璐羽と一緒に特番だったりCMでスシタローを含める安価の寿司チェーン店をキラキラしてした目で見ているのを知っていた。
だから、今日の昼飯にはここに連れて来ようと決めていたわけである。
中に入れば、漣はさらに興奮度が増したようで、横目に見ても楽しそうに見えた。
「いらっしゃいませー! 何名様でしょうか?」
受付に着くと、すぐに店員が声をかけてくれた。
「大人二名と、守護精も二名で」
「かしこまりました! テーブル席にご案内致します!」
パッと見、家族連れにも見えなくはないが。空呀は高校生くらい、璐羽は晁斗とそう変わりないくらい。漣は小柄だが、晁斗と手を繋いだままなので恋人に見えているはず、だ。
背丈の関係で、兄妹に見られなくもないが。
「カウンター、じゃないんですか?」
「ひとり一人だと食いにくいからな? ボックスっつーテーブル席に案内されることが多いな?」
「おぉ……!」
そして、箱型のようなテーブル席に案内されたが。晁斗は漣が自分で皿を取りやすいように向かいに座らせ、それぞれの廊下側に守護精を座らせた。
半分は、璐羽の暴食を防ぐためでもある。先程、漣が注意してたが爆食しないと言い切れないからだ。
「ここんとこの注文は、店員に頼んでもいいが。チェーン店だから、専用の端末で頼めるんだ」
レーンの上、晁斗達の目の前に四角いディスプレイを指で軽く叩く。
するとメニュー画面に切り替わったので、知らない漣と璐羽は揃って声を上げた。
【おお!】
「あ! 番組で見たことがあります! それで注文するんですよね!?」
「いちおー紙のメニューもあんぞ? 晁斗、俺そっち見てぇ」
「ん。ほい」
ウィンタージュとはまた違う紙質のメニューに、空呀の向かいに座っていた璐羽もだが、漣までじっと見つめるのだった。
【おお……!】
「こんなにも……!? 悩むよぉ〜……」
「悩め悩め! 晁斗、とりあえず全員分の味噌汁適当に頼もうぜ?」
「そうだな? 漣、璐羽。茶とか水はあるけど、味噌汁飲んでおくといい。アオサっつー海苔の味噌汁と、魚のアラって骨は多いが魚の身が入ってるのがあんだ。どっちがいい?」
「んー……アラでお願いします!」
【骨は……好かぬ。あおさをひとつ】
「ん」
狗なのに骨が嫌いなのか。
またひとつ、新しい発見が出来た。
「あっれー? その声、晁兄?」
「おんや? 晁斗やんか??」
注文を終えて、漣や璐羽の注文にアドバイスしていた時に。外見は漣と同じくらいの男女に声をかけられた。知り合いなので、晁斗は『あ』と声を上げかけたが。
「……どちら様ですか?」
女がいたので、漣は少し不機嫌になったのである。
「んー? あ、可愛い!? 横の守護精もかっこいい!! なになに晁兄!? やっと彼女出来たの!?」
「なんやて!? それは一大事や!!」
「うるせ!? 俺ら今から飯だ! お前達は!?」
「むー。終わったー。けど、ちょっと晁兄にも話あるから、あとで隣のミスボで合流しようよ」
「……わかった」
まるで嵐、とたとえられるくらい、二人が去った後。漣と璐羽はぽかーんと口を開けていた。
「あ、あの。あの人達は……?」
ようやく、漣が口を開けると説明は面倒だから言うしかないと晁斗は髪をかいた。
「ある意味同業者。っても、情報屋って連中だ。万屋や篤兄んとこの警察にも協力してくれてる」
「じょーほーや?」
「いろんな知識とかを持って仕事にしてるやつ。あいつら、あれでも恋人同士だぜ?」
「え」
「漣、勘違いしただろ?」
「……はい」
やっぱりな、と可愛いところを見れたので。二人のことは一時忘れて食事をすることにした。
次回は金曜日〜




