Girl's Side 14 ~括目~
火曜日の部活を踏まえ、木曜日はまずは札をどれだけ覚えているかのテストから始まった。その結果に八十島さんの眉がピクリと動いたのをボクは見逃さなかった。
「へぇ、ちゃんと予習してきたのね、竜田川君。えらいわ。流石に一昨日の惨敗は男の沽券に関わるところだったみたいね?」
感心してる風だったのは3秒と持たず、結局詰られていたのだけれど、当人はそれに甘んじて、素直に頭を下げた。
「んん。まぁ、流石に一昨日のアレは大人気なかったと反省してる。特に八十島さんには不愉快な思いをさせて悪かったと思ってる。許してほしい」
「私よりも先に和泉部長に謝るべきではなくって?部員が不真面目で迷惑を被るのは部長さんですもの」
「いや、それはもう、い――」
「それはもう、ぎっちり絞られたさ。親父の前で説教垂れるとかえげつないったりゃありゃしない」
「叱られるのが嫌だったらそうならないように努めなさい。そして、言ってもらえるうちが花だと知りなさい」
またまた辛辣な八十島さん。その論で行けば八十島さんが彼のことを気に掛けている、ということもできそうだけれど、実際の所はどうなのだろうか?小学校高学年くらいの男子が好きな女の子の気を引こうとしてわざと意地悪をするのに通じるものがありそうなんだけれど。
その後は実戦。男女川VS竜田川戦は、最終結果だけ言えば、割と余裕でボクの勝ちだった。残った札は9枚。正直言って、侮っていた。なかなか引き離せないものだから中盤はかなり動揺していた。
「くっ……やっぱりまだまだ敵わないか……」
「でもまさかここまで取られるとは思っていなかったよ」
「そうね、随分と進歩したわね。いえ、これはもはや進化と言ってもいいレベル。男子、三日会わずば括目して見よ、とはよく言ったものだわ」
八十島さんにコテンパンにされていたのは僅か二日前の話だし、それに毎日クラスで会っているのだけれど、野暮なツッコミは控えておこう。
隣で八十島さんは先日の分と合わせて対戦記録をつけていた。「記録が残るとなれば、無様は晒せないでしょう?」とのことで、ピンク色のキャンパスノートも彼女が用意していた。考えているし、用意もいい。彼女が部長をやればいいんじゃないか?って、一瞬、思ってしまった




