Boy's Side 10 ~肩の力を抜こう~
「高校入ったばかりだし、ちょっと緊張してんのかなー?くらいには思ってたんだけどな。部活立ち上げて、妙に気負っちゃってるし。
高校デビューもいいけど、もうちょっと肩の力抜いた方がいいんじゃねぇの?」
高校デビュー。そんなつもりは……でも実際今の僕がやっていることって……そうなのか?
ろくな反論も出来ずに思考の渦に捕らわれた僕に更なる追い討ちがかけられる。
「そんなんじゃ友達増えねぇぞ?」
うぐっ……!確かに。むしろ中学の時と比べると減っているとも言える。卒業してから連絡の無くなった友達は数える程しかいないけれど、それは元々数える程しかいない僕の友達の殆ど全てだった。
入学以降学校でまともに話をした人を挙げようとしてみて、その少なさに愕然とする。ざっと頭に浮かんだのはかるた部繋がりの4人。その後が、続かない。高校デビューも何もない。
大体エージは昔からの付き合いだし、除外。そうすると残るのは3人。部活仲間というのはある意味友達と呼んでもいいのだろうけれど、呼ばれる方はどう思うだろうか?
「まぁ、俺とばっかつるんでたせい、ってのもあるんかな?だったら同じクラスになったのは和泉にとっちゃ不幸だったのかもな」
「そんなこと!」
反射的に叫んだ声に、あちこちから注目が集まる。その視線も僕の昂った感情も、数瞬の後にはお昼時の食堂にはそぐわない静寂と共にすぐに霧散してしまう。
「そんなこと……ないよ」
小さく呟くと、それに反比例した大きな溜め息が対面から漏らされる。
「あのな、和泉。うちの親父の言うことなんて真面目に聞く必要ないんだぜ。お目付け役のつもりだか何だか知らないけど、親父の我が儘でお前が不自由を被る筋はないだろ?その辺ももっと上手くやれよ。ってか、もっと適当にやっとけ」
「……で?僕やご両親の目を盗んでまた好き勝手するんだ?」
「ぬぐっ……何かと突っ掛かるなぁ~……今一瞬、八十島さんと被って見えたぞ?」
それは八十島さんに失礼じゃないかと思ったけれど、口には出せなかった。それよりも先にエージが「あっ!」と手を打つのに気を取られた隙に、エージが思い付きを思い付くままに語り出す。
「和泉、お前さ、八十島さんと付き合ってみれば?」
……どうしてそうなる?




