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Girl's Side 6 ~相談~

先程のやり取りは普通に周りのクラスメイトの耳にも届いていたらしく、「普通は言いにくいこともキッパリ言える八十島さん、格好いい」といった小声がちらほらと上がっていた。良い方に捉えられて、美人って得だなーなんて思ってしまう。ボクなんか傍らで聞いていて、八十島さんってこんなキツいことも言うんだーって、若干引いてしまったのに。


「でも、もう少し仲良くしてもいいんじゃないかな?同じクラスで、同じ部活なんだし……」


食事を終えた八十島さんに恐る恐る提案してみる。あの人数の少ないかるた部で、この亀裂は致命傷になりかねない。八十島さんよりも、そちらの方がボクには怖かった。


「彼が己を改めるというのなら、私も態度を改めるわ」


「うわ……そんなに嫌いなの?」


「好き嫌い以前の問題ね。私も最初は気さくでいい人かと思ったけれど、周りの話を聞いているとそんな暢気なことも言ってられなさそうですもの。ミィーナは聞いてないの?彼の噂。結構な数の女の子を泣かせているらしいわよ」


「う、うん……知ってるけど……」


「それに、入学早々、方々で見境なく女子に声を掛けまくっていたそうよ?それこそ上級生だろうがお構いなしに」


「それは……」


「あの……八十島さん?」


ボクの言葉を遮って割って入ったのは、別のクラスの子だろうか?見慣れない女子生徒だった。八十島さんの方も面識は無いようだった。

メタリックなワインレッドの髪留めでおでこを半分晒したその子は、ボクと同じくらいに恐る恐る八十島さんに声を掛けた。


「その、突然で申し訳ないんだけど、相談したいことがあるんです」


ふぅ、とわざとらしく八十島さんが大きく息を吐く。


「どういうわけかいろんな人が私の所に相談にくるけれど、私なんかじゃ常識的なことしか言えないわよ?」


「聞いてもらえますか?」


八十島さんがコクリと頷く。


「それで?どういったご相談かしら?」


八十島さんの反応に女の子は辺りの様子を窺う。最後にはチラリとボクの方も。どうやら人目を憚る様な話らしい。八十島さんも察したようだった。


「ここでは、話せない様な内容なのね?」


女の子が申し訳なさそうに頷く。


「あ、だったらさ。放課後、部室で聞いてあげたらいいんじゃないかな?今日は部活もないし。大体もう、お昼休みも終わっちゃうよ?」


「流石はミィーナ、いいアイデアね。貴女もそれでいいかしら?」


「あ、はいっ。それじゃぁ、放課後に改めてお伺いします。ありがとうございます」


そう言って頭を下げると、女の子は自分の教室へと戻って行ってしまった。

そう言えば。結局あの子、名乗らなかったな、なんてことを思っているうちに予鈴が鳴った。

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