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帝国皇女の憂鬱(前世の夫の生まれ変わりを捕まえろ)~見つけた夫の生まれ変わりは傾国の美男子、はたしてすんなり結婚できるのか~  作者: @000ーooo


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95.3年に進級(静かな入学式と生徒会の1コマそして平穏な学院生活)

 転移魔法で色々なところへ行って学年末休暇を満喫した皇女殿下たちであったが、今日から新学期、3年生に進級したのである。そして今日は入学式、フェアフュアングはもうマスクをつけるのが習慣になっている。


 入学式で

「生徒会長、挨拶」

司会の声に導かれてフェアフュアングが壇上に上がる。マスクをしていなければ倒れる女生徒続出であるが、静かなものである。


 淡々と式次第が進行していく。その後、入学式は終わった。


 教室に行ったがフェアフュアングはマスクを取ろうとしない。フェアフュアングに言わせると、

「これなら授業中寝ていても、わからない。いびきさえかかなけばいい」

何とも不謹慎な回答である。授業中寝るのはもう前提のようだ。


 マスクをつけているとクラスの女子も静かなものである。教室に来た担任のハンスが驚いている。

「フェアフュアング、学校ではそうやってマスクをつけていろ。これだと普通に授業が進められる」

「わかりました、学院ではマスクを常時つけるようにします」

「そうしてくれ」


 このようにして普通の学院生活が始まった。


 普通の日常が過ぎていく。ただ、フェアフュアング達生徒会役員には、授業が終わっても生徒会がある。毎日ではないが、週に1回あるいは2回ぐらいは生徒会室でする仕事がある。しかし、フェアフュアングは怠惰である。前世もそうだったが、今世はそれに輪をかけて怠惰である。仕事が段々と皇女殿下のところに回ってくる。皇女殿下が段々とこめかみに青筋を立ててくる。


「旦那様、少しは仕事をしてください。これは生徒会長の仕事です。私の仕事ではありません」

「いいだろう、少しぐらいはレムがやっといてくれ」

「いやです」

「なら、仕方がないな、おいミリー、カロリーネでもいいや、代わりにやっておいてくれ」

「いやです。私たちは私たちの仕事があります。ライム様の仕事はライム様がやってもらわないと」


 これを聞いていたアンネリースとアポロニアはぽかんとした顔をしている。

「あのう、教えてほしいのですが、離宮ではフェアフュアング様はライム様、エルネスティーネ皇女殿下はレム様、ヘレーネさんはミリー、マリアさんはカロリーネと呼ばれているのですか」


 皇女殿下たちは「まずい」と思ったが、フェアフュアングが

「そうだな、お互いに堅苦しい呼び名はやめて、簡単な呼び方にしようということで、仲間内の時にはこのような呼び方で言うようにしている」

「そうですか、それでは私もアンネリースでなく、そうですねアンとお呼びください」

「それなら、私もアポロニアではなく、ニアとお呼びください」

「わかったそうする」


「さすがフェアフュアング、とっさにうまくごまかしてくれた。頭の切れは大したものである。この才能を少しは発揮してくれたらこの生徒会もうまく回るのに」

と思う皇女殿下であった。


 このようにマスクをつけてからのフェアフュアングは女性に絡まれることなく、静かな日常が過ぎていく。授業中は寝て、生徒会は適当に仕事を他の人間に回して、お茶を濁している。


 そして、また魔獣討伐実習の季節となった。2年連続で魔獣が出たこと、帝国の騎士団と宮廷魔法士は役に立たなかったことから、今年は学院の校庭にテントを張ることになった。それでも、騎士団と宮廷魔法士は護衛に付くことになった。


 ただ、学院の校庭は全校生徒が全員テントを張れるほど広くはないので、1学年ずつ交代でテントを張ることになった。1日目は3年生、2日目は2年生、3日目は1年生である。


 今年は何も起きないと思いつつもやっぱりタマを連れてきた。タマはあたりが暗くなると

「けいらに行く」

と言って、辺りを巡回に行った。


 すると、そこにはいないはずの1年生がいた。それも女生徒が10人ほど。「事件の香りがする」と思ったが、皇女殿下から「今年はあまり目立たないようにしろ」と言われていたので、帰って皇女殿下に

「校舎裏の茂みの近くに1年生の女生徒10人を見つけた」

と報告した。


 皇女殿下はすぐに騎士団を呼ぶと

「校舎の敷地内に、3年生の生徒以外がいると問題なので、敷地を巡回して回るように。特に校舎裏の茂みの裏は隠れるとしたら最適なので、そこは重点的に探すように」

と命令した。


 騎士団は以前皇女殿下たちにコテンパンされたこともあって、すぐに命令は実行に移された。そして、1年生の女生徒10人を捕縛した。


 騎士団が尋門すると

「フェアフュアング様の寝姿を見たかった」

とのこと。まことに気の抜ける話である。その後、こってり油を絞られたようである。


 このような、表に出ないような些細なことは数多くあったが、3年生になってからはおおむね平穏に月日が過ぎていった。

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