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帝国皇女の憂鬱(前世の夫の生まれ変わりを捕まえろ)~見つけた夫の生まれ変わりは傾国の美男子、はたしてすんなり結婚できるのか~  作者: @000ーooo


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87.側室検討会の設置

 皇女殿下の意向を聞いた皇帝は宰相とも検討して帝国の法務局内に側室検討会を設置することを決めた。内容についてある程度の意向を伝え、法務局で既存の法律や先の綱紀粛正の通達と、その後発表された細目との整合を図るように調整してもらった。そして、原案が作成された段階で再度皇帝と宰相それに法務局の職員で内容を吟味した。詳細は省くとして内容は次の通りである。


 この検討会は、第1夫人の負担を軽減するために、夫と第1夫人の両方から申請された場合は、この検討会で新たに側室にしようとする女性の審査をするものである。


 この審査はあくまで参考意見で最終的は夫と第1夫人の判断が優先するが、この審査で側室を希望する令嬢が側室として適当でないと判断された場合はそれを理由に側室を断ることが出来るとするものである。


 これなら皇女殿下が側室を断っても、真実の愛を邪魔する悪女にはならなくて済む。


 側室検討会の審査の内容は、

1.側室になりたいとする令嬢の素行調査の結果

2.側室を取ることにより予想される家の利益

3.夫の令嬢への気持ち

4.第1夫人の気持ち

5.側室になりたいとする令嬢の気持ち

6.上記以外の特別な事情

とすることにした。


 ここには側室を取ることによる国家の利益はあえて入れていない。側室が先の通達にもあるようにあくまで家の存続を前提としているため、側室を取ることによって家が壊れたのでは、側室制度を認めた先の通達と矛盾してしまう。


 この通達は先の綱紀粛正の通達の補完的通達として周知された。なお、今回の通達は急遽作られたことから、当面は試行期間として、柔軟に運用することが側せて周知された。


 これにより、もし アンネリース侯爵令嬢たちが「フェアフュアングの側室になりたい」と言ってきても、検討会にかけて、その結果をもとに断ることもできる。そういう意味では皇女殿下が一方的に悪女にならなくて済む。


 それにフェアフュアングも「種馬は嫌」と言っている現状では、無制限な側室はフェアフュアングも乗り気しないであろう。そうなると、側室の数もある一定の範囲に収まるはずである。


 フェアフュアングにこの検討会について聞いてみると

「そうだな、これなら俺が種馬にならなくても済むのでおおむね歓迎だな」

と好意的な反応であった。


 皇女殿下は皇帝にこの検討会はおおむね歓迎すると伝えた。それを聞いた皇帝は安堵の表情を浮かべた。


 しかし、人間優秀論を唱えるアンネリース侯爵令嬢たちにとっては痛手であった。人間優秀論は国家の利益、社会の利益のために優秀な人間は多くの子孫を残すべしという物で、ある意味そこでは個人の気持ちは無視されている。


 そこには被害を被る第1夫人だけでなく、種馬のように扱われたら、ある意味夫の気持ちも無視しているのである。たしかに、国家の利益は大事だが、家の崩壊を許容していいものではない。そこにはある程度の自制が必要であり、許容範囲があるはずである。そういう意味ではこの通達は人間優秀論の矛盾も浮き彫りにしたのであった。


 しかし、この通達は試行期間ということであり、どちらにしても、婚約期間中の男女には側室を取るなどと言うことは論外である。自分がフェアフュアングの側室になれるは、皇女殿下とフェアフュアングが結婚してからであり、まだ時間がある。その間に、今後の方針を決めることにした。


 一番簡単なのは、フェアフュアングに恋する自分以外の令嬢を切り捨てることである。しかし、それをしてしまうと、今度は彼女たちも敵に回すことになり、自分も悪女の仲間入りをしてしまう。


 ことは慎重に、そして、なおかつ最終的には他の令嬢を切り捨てることも視野に入れた活動をしなければならない。非常に難しいかじ取りをなければならないと気持ちを引き締めるアンネリース侯爵令嬢であった。

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