85.学院祭(2日目)
今日は学院祭2日目。今日もアンネリース侯爵令嬢たちがやってきた。それも朝から、そして、フェアフュアングに話かけている。
「昨日買った風鈴なんですが、両親に聞いてみたのですが、このような物は初めてで、まして風流と言う言葉もわからないようでした。フェアフュアング様はどこで、このような物を知ったのですか」
「これは、たまたまだ、こんな物があったらいいなと思って作った」
フェアフュアングもまさか前世のそのまた前世の記憶とも言えないようで回答に困っている。
「それでは風流と言う言葉どこで習ったのですか」
「それは、それ、昔読んだ本に書いてあった」
回答に困って、私を見るのはやめてと皇女殿下は思った。ここは恩を売っておくことにした。
「学院の入学試験の勉強を行っているときに宮殿の書庫ででも見たのではないですか。あの時はとにかく手当たり次第に勉強をしていましたから」
「そうですね、フェアフュアング様は元平民、貴族でも下級貴族では難しいような学院の入学試験に合格されたのですね、それもAクラス。さぞかし勉強されたのでしょうね」
「俺も勉強した」
うそである。タマと遊んでいた。
早くどこかへ行けばいいのにと思っていると、昨日ブローチを買ったクラスの男子がやってきた。そして、
「昨日買った、ブローチなのだが、家に帰って両親に見せたら、ガラスじゃなくてダイヤじゃないかと言うのだが、いいのか」
「いいのかと言われても、それを購入した商人からはガラスということで購入しておりますので、ダイヤじゃないかと言われても私としてはガラスとしか言えません」
「そうか、それでいいのなら」
「それでいいです」
「まあ、皇女殿下が作ったというだけでも、普通のブローチよりは高くなるからそれでいいか」
「はい、そうしてください」
「それから、昨日買った人形。妹にあげたらすごく喜んでいた。ありがとうな」
「妹さんが気に入ってくれたようでよかったです。作ったかいがあります」
「それは、もう、寝る時も一緒、そして朝起きたら将来この人形の人と結婚するって言っていた」
その言葉を聞いて皇女殿下たちはフェアフュアングを見た。すると、フェアフュアングは
「俺はあの人形と関係ないぞ。作ったのはヘレーネとフランツィスカだ。俺はただもう少しまともな服を着せろと言っただけだ」
「そうか、あの人形にフェアフュアングは関係ないのか。妹の凝りように魔法でもかけてあるのかと思ったが、俺の思い過ごしか」
「俺は断じてあの人形に魔法などかけていない。作ったのもヘレーネとフランツィスカだ」
「そうだよな、ヘレーネとフランツィスカにそんな才能はないよな」
「私たちは人を魅了するような魔法は使えません。ただ、顔は近くいる男性を参考にしましたが」
「そうか、あの人形のモデルはフェアフュアングか。そうだよな、フェアフュアングはいい男だものな、モデルにするならまっさきにフェアフュアングをモデルにするよな」
すると昨日ライム人形を買った令嬢が
「そうですか、あの人形のモデルはフェアフュアング様ですか。キャー」
と言って、顔を手で覆った。
みんなが不思議に思ってみんながその令嬢を見たが、顔を真っ赤にしてうつむくだけで何も言おうとしない。どうも、ライム人形によからぬ妄想を抱いたようである。
ライム人形のモデルがフェアフュアングと聞いて、アンネリース侯爵令嬢たちが
「私も、その人形1つください」
そう言って、ライム人形を買い始めた。
結局、ライム人形がまた幾つか売れた。
午後になると、情報を仕入れた他のクラスの令嬢たちが訪れて、風鈴とライム人形は完売した。それ以外の物は売れなかった。というか、令嬢たちが大挙して居座ったので、ほかのお客さんが近づけなかったのである。
こうして学院祭は終わった。




