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帝国皇女の憂鬱(前世の夫の生まれ変わりを捕まえろ)~見つけた夫の生まれ変わりは傾国の美男子、はたしてすんなり結婚できるのか~  作者: @000ーooo


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79/97

79.馬車の旅は続く(南の海)

 今日は南の海に行くことになった。帝国はどちらかというと北国なので南の暖かい海に憧れる。○○リを見てから死ねである。○○テだっけ。よく知らん。


「旦那様、そんなに〇〇リとはすばらしいのですか」

「そうだな、俺も前世であの風景を見た時は、感動で胸が震えた」

「今世にも〇〇リはありますかね」

「わからない、行ってみてのお楽しみだな」


 ということで、今回は南国。場所は適当。だって、前世と同じ町があるとは思わないから。参加者は砂漠の国と同じローテーションで行くことになった。まず最初は皇女殿下とフェアフュアングとヘレーネとフランツィスカとタマである。


 フェアフュアングが

「転移」

と唱えると一瞬で風景が切り替わった。

サンサンと降り注ぐ太陽。青い海。しかし、立っている場所は断崖絶壁。辺りに人影はない。

「旦那様、これが〇〇リですか。なぜかすごく寂しい場所に思えるのですが」

「ここは〇〇リではない。〇〇リはにぎやかな街だ。前世と同じ感覚で転移したら、やはり前世と今世では場所が違うようだ。今度はもう少しだけ南に転移する。転移」


 また、一瞬で風景が切り替わる。今度は町を見下ろす丘である。先ほどと違って、眼下には町も人も見える。ただ、町の人口は少し少ないようである。町と言うよりは村のように見える。


「これで我慢しろ。前世と今世ではやはり違うようだ。町のにぎやかさが違うだけで、これが南国だ」

「そうですね、確かに帝国の風景とは違っていますね。まず、太陽がまぶしい。それに緑も濃い。海が青い」


「だろう、南国はいいぞ。先ず人がおおらかだ。それにちょっと声をかけただけで女がついてくる」

「ちょっと、待ってください。旦那様は〇〇リに女を口説きに行っていたのですか」

「それはないぞ、気質がおおらかと言っただけだ。決してやましい気持ではない」

「どうだか。まあ、それはいいです。ここでは口説く女もいないみたいですし」


 しばらく南国の風景を堪能してから、せっかくということで村に行ってみることにした。村に行って、

「ここはどこですか」

「おかしなことを聞く人たちだね、貴方たちは旅人」


 ものすごく不審がられている。それはそうだ、ここはどこだなんて聞く人は滅多にいない。そう道に迷った人以外は。それでもお金を握らせると何とか答えてくれた。

「ここはナ〇〇ポ王国。王都はここから3日ほど行ったところだ」


 それを聞いて、また転移した。すると大きな都市に出会った。

「これが前世の〇〇リ、今世のナ〇〇ポだ」

フェアフュアングが高らかに宣言する。


「ここが前世で旦那様が女を口説きまくった町ですか」

「おかしなことを言うな。俺は口説いていないぞ、ちょっと声をかけただけだ。すると女が誘ってきたのだ」

「名前は」

「アナスタージア。ちょっと待て、誘導尋門はするな」

「失礼しました。今世でもアナスタージアがいるといいですね」


「皇女殿下、ライム様の前世の浮気はもういいじゃないですか。それより、早くこの町を堪能しましょうよ」

「フランツィスカはやさしいな。俺はお前のそういうところが好きだ」

「好きだなんて、うれしい」


 フェアフュアングの一言で、フランツィスカは舞い上がってしまった。一人だけ怒っているわけにもいかないので、皇女殿下も一緒に街に繰り出すことにした。


 町に下りて行くと、遠くから見た時は感じなかったが、町があまり清潔でない。何となく悪臭もする。そう帝国は皇女殿下が口を酸っぱくして皇帝をせっついたことで町がすごくきれいなのである。当然悪臭もない。しかし、ここではそういう人はいなようである。それに気温が高いだけに、悪臭も漂いやすいようである。


「旦那様、なぜかここでは臭いがひどいのですが」

「そうだな、やはり前世の〇〇リはよかった。もう俺の思い出の中だけだな。夢で逢うことにしよう」

「何、感慨にふけっているのですか。それでこれからどうします」

「どうするって、この悪臭の中歩いて行く」

「無理」

「じゃ帰るか。ナ〇〇ポは見るだけ」

「そういうことですね」

念のため、皇女殿下たちは全体にクリーンの魔法をかけて体に着いた悪臭を落としてから馬車に転移した。早々に戻ってきたので、馬車にいた面々が

「どうしたのですか。まだ昼食にはかなり早いですよ」

「うん、それなのだけど、見るのはよかったのだけど、町に下りたら悪臭がひどくて早々に戻ってきた」

「そう、見るにはいいけど、感じるにはひどいところですか」

「少し、違うけど、大体あっている。どうする昼まで時間があるから、次のメンバー行く?」

「行く」


 結局、南の海観光は一日で終わってしまった。

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