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帝国皇女の憂鬱(前世の夫の生まれ変わりを捕まえろ)~見つけた夫の生まれ変わりは傾国の美男子、はたしてすんなり結婚できるのか~  作者: @000ーooo


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78.馬車の旅は続く(砂漠の国)

 馬車の旅が始まって、まだ1週間、あと1週間は帝国領内、前世の妻たちの故郷巡りも一通り行った。つぎはどうするか。


 正直言って馬車の中は暇である。宿で、ぐっすり寝て、朝食をとって、馬車に揺られて昼食をとって、また馬車に揺られて、宿について夕食をとる。そのあとすることもなく寝る。スローライフと言えば聞こえがいいが、暇と言えば暇である。


 フェアフュアングはというと、どこへも行かない日は馬車の中で寝ている。たいしたもんだ、学院でもフェアフュアングは寝ていた。寝ることが趣味だろうか。


 フェアフュアングに言わせると

「寝る子は育つ」

だそうだが、この上育って何をするというのか。まさか子作りの予行演習とか、少し違うか。


「暇ー」

思わず叫んでしまった。

すると、

「皇女殿下、暇だったら、誰もいない山の中に転移して魔獣狩りをしませんか」

「魔獣狩りか、それもなあー」

「いまいち気が乗りませんか」

「そうじゃないけど、こう何というか、わくわくするところに行きたい」


「ねえ、旦那様、旦那様は前世でよくふらっといなくなりましたよね。どこへ行っていたのですか」

「どこって、そうだな、まだ見ぬ秘境とかだな、あとは異邦人」

「異邦人?」

「そう異邦人だよ。異邦人とは外国人と言う意味だが、俺の場合これをまだ見ぬ世界の人々と言う意味で使っていた。知らない世界の人々に出会う旅。男のロマンだな」


「てっきり、女を口説きに行っていたのかと思っていたのですが、少し違ったのですね、でも公爵家を顧みずに、好き勝手なことをしていたのですね」

「それは結婚の条件だろう、お前、何でもするって言ったじゃないか。お前に任せておけば公爵家も安泰。だから俺は好き勝手が出来る。俺には最高の人生だった。お前と結婚してよかったと思っている」


「なんかいいようにあしらわれているようで、すっきりしないけど、旦那様が私と結婚してよかったと言ってもらえるのはうれしいかな」

「皇女殿下、気を緩めたらいけませんよ。今世はライムに面倒ごとをしてもらうのでしょう」

「そうなのだけど、旦那様は表に出ると女性がついてくるから、それも微妙」

「そうですね、フェアフュアング様には裏方に徹してもらいますか」

「裏方か。俺にできる仕事があれば言ってくれ、面倒なのは嫌だけど、何もしないわけにもいかないから」


「それじゃこれからの1週間は、旦那様の前世の秘境とか、異邦人に出会う旅をしますか」

「賛成」

「と言うことで、旦那様、今日はどこへ行きますか」

「そうだな、それじゃ、砂漠の国へ行くか」


 ということで、フェアフュアング主導のもと、砂漠の国へ行くことになった。今回行くのは皇女殿下とフェアフュアングとヘレーネとフランツィスカとタマである。タマはすべての場所へ行くそうである。


 馬車の中で、冒険者風の服装に着替えた。もう馬車の旅も慣れてくると、いきなり違う場所へ行っても違和感がないように色々な服を一通り揃えた。準備万端である。


「いざ、砂漠の国へ、レッツゴー」


 一瞬で視界が切り替わる。

「おおー、これが砂漠、砂ばかり」

感動がこみあげてくる。まさにロマンである。

するとタマが

「シャー」

と警戒の叫びをあげる。


 皇女殿下は自分たちの周りを上から下まですべて覆いつくす結界を張った。すると、その結界ごと呑み込もうと巨大なミミズのような魔獣が現れた。幸い皇女殿下の張った結界の方が魔獣の口よりも大きかったようで、魔獣は結界が口につかえて、口を開けたまま動けない。


 すると、タマが氷の槍を作って魔獣の口に突き刺した。マタの槍が魔獣を突き抜けると魔獣は地響きをたてて倒れた。砂塵が舞う。前が見えない。するとフェアフュアングが風魔法で砂塵を吹き飛ばした。


「旦那様、砂漠にはこんな魔獣がいるのですか」

「そうだな、俺もあせった。タマがいてよかった」

「タマ、ありがとうね」


 結局砂漠は危険ということで、土魔法で船のような物を作って、その船に乗って移動することにした。船ごと結界で覆えば、先ほどの魔獣が現れても無事である。皇女殿下は土魔法で船を作った。その船に全員が乗り込んで、結界で船を包み込んだ。


 そこで、問題が生じた。この船をどうやって動かすのか。苦しい時のフェアフュアング頼み

「旦那様、この船動かしてもらえます。動かせなければ旦那様の転移魔法で移動させてください」

「わかった、船の下の砂を俺の魔法で移動させて船を動かす」

さすが、フェアフュアング。魔法の腕は最強である。


 その後は、フェアフュアングが船を北へ南その後は東に西と動かしたが、この砂漠かなり広いようである。行けども行けども砂ばかり。誰にも出会わない。出会うのは先ほどミミズのような魔獣ばかり。昼前になったので、一旦馬車に戻った。船と結界はそのままとした。


 午後になったので、今度は違うメンバーで行くことになった。ヘレーネとフランツィスカの代わりに、アロイジアとマルレーヌが行くことになった。タマは相変わらず参加とのこと。


 次の日も午前と午後に分けてメンバー交代で砂漠の国を堪能した。しかし、誰にも出会わなかった。出会ったのは巨大なミミズの魔獣だけであった。

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