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帝国皇女の憂鬱(前世の夫の生まれ変わりを捕まえろ)~見つけた夫の生まれ変わりは傾国の美男子、はたしてすんなり結婚できるのか~  作者: @000ーooo


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74.外国旅行(ズウォレタット王国のアロイジア男爵令嬢の生まれ故郷とタマの魔獣退治)

 その後、期末休暇になった。離宮にいると多くの令嬢が来ることが予想されるので、外国旅行に行くことにした。表向きはフェアフュアングの実家への帰省である。実際は皇女殿下の現実逃避である。


 皇女殿下が

「もうー、いや」

と言って、半ばパニックになったので、皇帝も急な旅行を許可せざるを得なかったのである。


 皇女殿下とその取り巻き一行、そしてその婚約者のフェアフュアングは期末休暇の最初の日に離宮を出た。行先はブレンブルグ王国のフェアフュアングの生まれ故郷のタールブッケン町ということで、公式行事はなし。私的な訪問ということで、公式な発表はなかった。とにかく逃げるように王都を出た。


 供は側近の前世の妻たちそして猫のタマ1匹である。護衛は騎士が10人ほど随伴している。馬車1台に皇女殿下とフェアフュアングとその取り巻き、騎士は全員騎乗している。これならスピードが出せる。そう思ったのだが、泊まる宿は安全面を考慮して前回と同じ、結局帝国を出るだけでも2週間かかる。暇である。そこで、馬車の中に何人か残して、順番に皇女殿下とフェアフュアングと何人かで、転移で違う場所に行くことにした。


 転移は以前行った場所でないといけない。そこで、最初に行くことにしたのは、ズウォレタット王国のアロイジア男爵令嬢の生まれ故郷の男爵邸にした。


 皇女殿下とフェアフュアングそれに、アロイジア男爵令嬢とヘレーネ子爵令嬢が皇女殿下の転移魔法で転移した。男爵邸の居間にいきなり転移すると男爵が

「うわー」

と素っ頓狂な声を出して後ろへのけぞり返った。


「お父様、ただいま帰りました」

「なんだおまえか。それにしても帰ってくるときはもっと普通の帰り方が出来ないのか」

「何分急だったので、今度からそうします」


「お久しぶりです男爵様」

「これは皇女殿下。そして、ヘレーネ子爵令嬢。それでそちらにいるのが、皇女殿下たちの前世の夫かい」

「お初にお目にかかります。フェアフュアングと申します。現在帝国で伯爵位を授かって、皇女殿下の婚約者となっています」

「これはご丁寧に。それにしてもすごくいい男だな。これは皇女殿下が忘れられないはずだ」


 すると、連れてこなかったはずなのに

「お初にお目にかかります。猫のタマです」

「え、猫?」

「はい、猫のタマです」

「猫というよりは幼女に見えるのですが」

「はい今は人間の姿に化けております」

「???」

?マークがいっぱいである。男爵はついていけないという顔をしている。


「お父様、タマは前世の公爵邸で飼っていた猫。今世に生まれ変わったみたいなのですが、人間の姿に化けられるようになったようです。そして人語を話せるし、魔法も使えます。地竜ぐらいだったら瞬殺だから、もし、魔獣の被害とかあったら言ってね」


 すると男爵は

「ルーレムという漁村に最近シーサーベントが出たらしくて漁民が漁に出られなくて弱っている」

と言いだした。


 男爵と皇女殿下たちは早速出かけることにした。秘密保持のため護衛はなしである。全員馬に乗った。タマは猫の姿に戻ってフェアフュアングの背中の袋に入っている。ルーレム漁村に着くと昼前になったので、一旦馬車に戻ることにした。昼食時には馬車に戻って昼食をとらないと護衛の騎士に転移でいなくなったことがばれてしまう。昼食後また戻ってくると言って馬車に戻った。


 昼食後に馬車に乗ると再びルーレム漁村に転移した。シーサーベントを狩る方法はフェアフュアングが索敵でシーサーベントの位置を皇女殿下に教え、皇女殿下がその場所にタマを転移させる。タマはすぐに氷魔法で氷の槍を作ってシーサーベントを串刺しにする。その後皇女殿下がタマを回収する、このような手順となった。


 海が見渡せる丘の上に来ると、フェアフュアングが索敵でシーサーベントを探した。シーサーベントは魔力量が大きくて皇女殿下にもすぐに位置が分かった。

「シーサーベントは大きいのが3匹いるようなので、順番にタマを転移させるね」

「にゃー」

気の抜ける返事である。


 タマは現在猫の姿なので人語が話せない。たぶん了解の合図だと判断した皇女殿下はタマを一番大きな魔力のするあたりの上空に転移させた。


 海の上に転移したタマはすぐに氷の槍を作るとそれを海中に投げ入れた。すると、海が大きくうねった。落ちていくタマを皇女殿下は次の目標地点の上空に転移させた。今回もタマは氷の槍を作って海中に投げ入れた。するとまた海が大きくうねった。皇女殿下は再度タマを転移させた。転移したタマはすぐに氷の槍を作って海中に投げ入れた。こうしてシーサーベント3匹の狩りが終わった。


 タマを転移で元の位置に戻すと

「シーサーベント3匹の狩りが終了しました」

なお、狩ったシーサーベント3匹はフェアフュアングが浜に移動させた。


 男爵が

「それにしてもすごいもんだな。猫がシーサーベントを狩るなんて、初めて見た」

「にゃー」

「ありがとうな、タマ、これでルーレム漁村は救われた」

「にゃー」


 その後男爵邸に戻って、近況を話した後、夕方になったので、また馬車に戻った。

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