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帝国皇女の憂鬱(前世の夫の生まれ変わりを捕まえろ)~見つけた夫の生まれ変わりは傾国の美男子、はたしてすんなり結婚できるのか~  作者: @000ーooo


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63.公聴会に提出する意見書の検討(第1日目午後の案件)その1

 綱紀粛正の通達もあり、アンネリース侯爵令嬢も教室ではあまり極端な動きは見せていない。時折、熱い視線をフェアフュアングに向けているが、皇女殿下とその取り巻きでがっちりガードしているので、行動には移せないようである。


 フェアフュアングはというと、彼は優秀であるが、面倒事は嫌いである。自分から火中の栗を拾おうとはしない。とにかくおとなしくしている。というか、授業ではほとんど寝ている。それでいてたまにあてられると的確な回答をする。これもクラスでは不思議がられている。


 新入生歓迎のパーティーもうまく乗り切った。皇女殿下たちでがっちりガードして他の令嬢に付け入るスキを与えなかった。


 そして、今気にしているのが公聴会に提出する意見書の取りまとめである。マリア伯爵令嬢とヘレーネ子爵令嬢から、意見書に原案が出来たというので、今日はその打ち合わせである。まずは第1日目の議題「綱紀粛正の通達の、細目作成における参考意見」である。


「それでは、ヘレーネあなたの意見を述べて」

「はい、皇女殿下、私はこの通達の具体例として、いくつかの観点からまとめてみました。まず、婚約中の男女はどうあるべきか。次に結婚してからはどうあるべきか」


「えーと、聞いているだけではわかりにくいと思うので、手元には今回のヘレーネの意見をまとめた要約書のような物を配ってありますので、そちらを見てください。それでは、ヘレーネ続けて」

「はい、まず、婚約中の男女ですが、やはり他の令嬢に色目を使うのはよくないと思います。また、他の令嬢に言い寄られたときはきっぱりと断るべきです。そして、もしそのようなことがあれば、それは婚約者にも伝えるべきです。そして、そのような事があれば帝国の法務局にも事実として伝えるべきです。そうしないと今回の通達には罰則規定もあるので、その規定が適用できません」


「帝国の法務局に伝えるときに証拠とかは必要ないのかしら」

「証拠ですか。これは言い寄られたというだけでは難しいですね」

「たしかに、単に会話しただけ、と言われると、立証が難しいですね」

「だったら、体に触れられたとか、押し倒されたとか、そんなことがあればいいのじゃないかしら」

「それは、中々過激ですね」

「では、手が出たとか、実際に実力行使に出るような事案が発生した場合は帝国の法務局への報告案件になるということでいいですか」


「その場合、証拠はどうするのですか」

「証拠は難しいですね、複数の人が目撃すれば十分だと思うけど、2人しかいない場所でされると証拠がありませんね」

すると、皇女殿下が、

「その場合、教会で懺悔してもらうというのはどうでしょう。うそを言えば神をだましたことになりますから、教会の懺悔はいやがるでしょう」

「そうですね、それでは証拠がない場合は、帝国の法務局の人が立会いの下で、教会で懺悔してもらう。そして、神に誓ってその様なことはしていないと言い張った場合は無罪、教会の懺悔を拒んだ場合は有罪とする。これを罰則規定に追加してもらう。このような内容でいいでしょうか」

「そうね、それでいいわ」

「わかりました、意見書を修正します」


「次に結婚している夫婦についてですが。まず、結婚した場合は、やはり、子供を作るべきです。それは家の存続にも非常に大切です。結婚したのに子供を作らいない。白い結婚なんてのは、そもそも、始めから結婚する気がないとの同じで、結婚式では神に誓っているだから、これは神を冒涜したことにもなります」

「そうね、子づくりは大事よね。そういう行為が継続的に行われる必要があるわね」

「でも、子供が何人もできた後はどうなるかしら」

「結婚後10年とか20年とかですか。そうなると、…………。難しいですね」

「誰かこれに意見ある人はいますか」


 早々に難問に遭遇した。結婚倦怠期にどうするか。浮気肯定派の貴族も最初から浮気をするとは言っていないのである、そう10年とか20年して倦怠期になった時に多くが浮気をするのである。その時どうするか難しい問題である。しかし、この問題をクリアーしないと皇女殿下の意見書は、反対尋問に撃沈してしまう。


 結局解決策が見つからないので、再度検討することとなった、前途多難である。

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