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帝国皇女の憂鬱(前世の夫の生まれ変わりを捕まえろ)  作者: @000-ooo


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37.第9夫人アニカの生まれ変わり、リッカルダ(奴隷)

 第5夫人イルメラの生まれ変わり、食堂の娘マルレーヌが見つかってから、半年ほどたった。皇女殿下がいつものように奴隷に任せている平民のお店、名前は面倒なので、すべて平民のお店にしている。に行くと。ああ、場所はトリスタント王国の王都店である。そこに奴隷の少女が逃げ込んできたので、かくまっていると店員から説明を受けた。


 面倒ごとは嫌いであるが、年が8歳ということで、話を聞くことにした。

「私はリッカルダ奴隷です。ご主人様はバーゲンブルグ商会を経営しています。私は奴隷の母親から生まれたので、生まれてからずっと奴隷です。父親は知りません。母親も『わからない』と言っていました。


 ご主人様の娘さんがこの店で木彫り人形を買ったというので、もしかしたらと思ったのです。私には前世の記憶があります。前世はライム様の妻、第9夫人アニカでした。


 私は奴隷ということで、毎日ひどい扱いを受けています。母親はもう死んでいません。ここへ来れば、前世の私を知っている人に会えるかもしれないと思ったら、もういてもたってもいられなくて逃げてきました」


「わかった。私は、前世のライムの正妻レムの生まれ変わり、今はルネスティーネ・ブルヘンハイム、帝国の第一皇女です。あなたを保護します」


 ということで、バーゲンブルグ商会に行くことにした。バーゲンブルグ商会はこの平民のお店から歩いて20分ぐらいのところの表通りにあった。ここだと王城や貴族街にも近い、まさに王都の一等地である。


 当然皇女殿下は表から入って行こうとする。すると、店の玄関にいる警備の店員が、

「ここは貴族御用達、汚らしいガキは帰れ」

この言葉に皇女殿下が切れた。

「私はルネスティーネ・ブルヘンハイム。ブルヘンハイム帝国の第一皇女。商会長を呼べ。呼ばぬならこの店を破壊する」

「そんなはずがないであろう。帝国皇女が護衛も連れずに、汚らしいガキ一人を伴ってくるはずがない。帰れ、帰らないのなら衛兵を呼ぶぞ」

「呼ぶなら衛兵でなく、この国の国王を呼んで来い」

「ええい、口の減らないガキだ」


 そう言って店員が皇女殿下に手をかけ、皇女殿下を突き飛ばした。すると

「帝国皇女に危害を加えたな。この商会がどうなっても知らないぞ」

商会の玄関で、騒ぎを起こしていると、店にやって来る貴族が遠巻きに見るようになった。そして

「あんな小さな子供に危害を加えるなんて」

と言う声が聞こえる。


 これはまずいと思ったようで、ついに店主が出てきた。

「汚らしいガキ、早く行け。ここはお前のようなガキが来るところではない。行かねば衛兵に突き出すぞ」

「私はルネスティーネ・ブルヘンハイム。ブルヘンハイム帝国の第一皇女。ここは帝国皇女が入れぬような店か」

「お前が帝国皇女のはずが無かろう」


 これはダメだと思い。皇女殿下は遠巻きに見ている貴族を見まわした。前世の記憶がよみがえってからは皇女殿下の記憶力は抜群である。一度会えば、その顔、経歴すべて覚えてしまう。そして、一人の老人を見つけると

「あなたは、トリスタント王国の元外務副官のモンテビエル伯爵ですよね。お久しぶりです」

と声をかけた。


 声をかけられた老人は訝し気に皇女殿下の顔を見ていていたが、しばらくして、体がガタガタと震え出した。そして、土下座した。

「どうかご容赦を。この度のご無礼いかようにもお詫びします。どうかこの国に害が及ばぬようにお願いします」

「気にする必要はない。私はこの国に害を及ぼす気はない。ただ、ここの商会長に用があって来ただけだ。ここの商会長に合わせてもらえるならそれでいい」


 その後、商会長の部屋に通された。商会長はもちろん土下座している。皇女殿下は

「ここの商会の所有するリッカルダという奴隷が私の経営する店に逃げ込んできた。なんでもひどい扱いを受けているとのこと。かわいそうなので、私が買い取ることした。


 そのための交渉に来たのだが、玄関で突き飛ばされた。私としては、リッカルダを譲ってくれるなら、今回のことは不問してもよい。ただとは言わぬ。これくらいの奴隷なら金貨30枚もあれば足りると思うので、それでよいか」


 すると商会長は

「今回のおわびとしてただでもいいのですが」

「その必要はない。ここに金貨30枚あるこれで契約書を作ってほしい」

「わかりました。すぐに手続きします」


 ということで無事リッカルダの譲渡契約は成立した。


 その後、モンテビエル伯爵が

「今回のお詫びをしたいので、後で王城へおいでください」

と言ったが、皇女殿下は

「今回はお忍び、事を荒立てたくないので、今回はこれで失礼する」

と言って店を後にした。


 そのあと平民のお店に戻り、急いで、リッカルダとともに帝都へ転移した。


 その後、事の次第を聞きつけた国王が平民のお店に来た時は皇女殿下はいなかった。事態を重く見た国王は帝国に使節団を送った。皇帝は、使節団より、事の次第を聞いて初めて皇女殿下のしでかしたことを知った。その結果、皇女殿下は皇帝より大目玉を食らった。


 その後、バーゲンブルグ商会は皇女殿下に危害を加えた店として客足が遠のいて、店をたたんだそうである。なお、平民のお店は皇女殿下の経営する店として客が殺到したが、もともと貴族が買うような物は何も売っていなかった。代わりに売れたのはあのいわくつきのライム像であった。そして、ライム像はトリスタント王国に一気に広まった。


 こうして、7人目を見つけた訳である。皇女殿下を入れると8に人である。あと3人、やっと、先が見えてきたようである。

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