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帝国皇女の憂鬱(前世の夫の生まれ変わりを捕まえろ)  作者: @000-ooo


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32.シャルルランス王国での買い物

 シャルルランス王国の訪問は、当初の予定では、王宮の会議の後郊外の施設の見学であったが、途中ワイバーンが近くを飛んでいたということもあって、大事を取って、王都内の見学となった。特使は鍛冶屋を見学に行くそうであるが、鍛冶に興味のないアリーナとヘレーネは王都内の服装店の見学を希望した。特使が特別にヘレーネに何か買ったらいいとお小遣いをくれた。


 アリーナは伯爵家で裕福であったが、子爵家のヘレーネは、好きに自分の服など買ったことがない。それで、うきうきした気分で服装店に行った。


 最初の服装店は、王宮でもご用達とのことであった。値段が書いてない。そこで店員にいくらくらいかと、聞くと

「物によって違います。お客様の要望に会う服をお客様の体形に合わせてお作りしています」

何とも回りくどい、すぐに「いくら」と言ってもらえれば手持ちの金で買えるかどうかわかるのに。このあたりは皇女殿下の影響か、かなりストレートな性格になっている。

「ちなみに、これだといくらくらいですか」

そう聞くと

「そうですね、これをあなた様の体形に合わせておつくりすると、金貨5枚から6枚くらいですかね」

「高い」

思わず叫んでしまった。

鑑定をかけると、材料代銀貨5枚と出ていた。そこで、

「この布は絹ではありませんよね。すると材料代は銀貨数枚ですよね、それが服になると10倍の金額になるのですか」

すると、店員が、

「布は絹ではありませんが、それなりにするのですよ」

そう言ったので、もうこの店で買う気がしなくなった。

急いで、アリーナさんを探して次の店に行くことにした。


 店を出るとアリーナが

「どうしたの、急に、次の店に行こうって、店員とでももめたの」

「はい、銀貨数枚の布が服にすると金貨6枚と言われたので、ぼったくりだと思いました」

「そう、それがデザイン料だと思うけど」

と言って、アリーナは何となく浮かない顔になった。そして自分が買った買い物袋を眺めている。しばらく無言の時間が過ぎていく。すると、ヘレーネが

「そうなのですか、それならそんな服は要りません。私はセルフホーフェン商会で買います」

「そうね、ヘレーネちゃんはあそこの商会と懇意にしているのよね」

「はい、あそこは良心的ですから」

これを聞いて、今度買うときはセルフホーフェン商会にしようと思うアリーナであった。


 そのあと、いくつかの店を見たアリーナとヘレーネであったが、鑑定の使えるヘレーネはどうしても服を買うことが出来ない。「鑑定が使えるのも善し悪しだな」と思うヘレーネであった。


 そういえばライムもあまり物を買わずにむしろ自分で作っていたように思う。今にして思えば「きっとライムも鑑定が使えて、物の値段が分かったのだろう。だらか、あまり物を買わずにむしろ自分で作ることが多かったのかもしれない」と思った。


 その後は昼時になったので、適当なお店に入って食事をすることになった。アリーナがシャルルランス王国の人から聞いてきたお店があるというので、そこに行ってみることにした。


 お店に入って、メニューを見ると、天ぷら、昆布だしの豆腐の煮物があった。思わず、

「これにします。これ、天ぷら、昆布だしの豆腐の煮物です」

「そう、それじゃ私もそれにするわ」


 料理を注文してから

「それにしても、あれだけ服装店で服を買わなかったヘレーネちゃんが、メニューを見て開口一番料理を決めるなんて、何かあったの」

「はい、今注文した料理は、皇女殿下たちとわいわい言いながら作った料理なんです。微妙な味を出せなくて最後はセルフホーフェン商会に丸投げした料理なんです。それで、どんな料理になったが見てみたくて」

「そうなの、皇女殿下は料理もするのですか」

「はい、します。料理はかなり好きみたいです。ただ、美味しくなくても、美味しそうに食べないといけないので、そのあたりが難しいです」

「皇女殿下は自分では食べないのですか」

「自分でも食べますが、皇女殿下は味の許容範囲が広いというか、かなり何でもおいしいと言って食べるので、微妙なところはいい加減になるのです。この料理も作った時はいまいちだと思ったのですが、これでいいと言って、でも売れないといけないので、あとはセルフホーフェン商会にお任せしたのです」

「皇女殿下もいい加減なところがあるのですね」

「はい」


 しばらくして料理が出てきた。とてもおいしかった。するとアリーナが

「その顔だと満足のいく結果だった様ね」

「はい、とてもおいしかったです。ここまでにしてもらったなんてセルフホーフェン商会に感謝です」

「ううん。でも、セルフホーフェン商会だけでなく、この店の努力もあるかもしれないわよ」

「そうですね。みんなの努力ですね。美味しいものを食べられるって幸せなことですね」

「そうね」


 服は買えなかったけど、美味しいものを食べられて、今日はいい日だったと思うヘレーネであった。

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