31.転生者得点の検証
次の日、皇女殿下はヘレーネが言っていた。「転生者得点で魔法の能力が上がる」という言葉が気になって、いつもの転生者会議を開催した。出席者は特使一行と一緒に友好国へ行っているヘレーネを除く全員である。アロイジア男爵令嬢は皇女殿下が転移で迎えに行った。場所はいつも伯爵邸である。
正妻、レムの生まれ変わり、エルネスティーネ帝国皇女
(今回は欠席 第2夫人、ミリーの生まれ変わり、ヘレーネ子爵令嬢)
第3夫人、セリーナの生まれ変わり、フランツィスカ伯爵令嬢
第4夫人、オリーヌの生まれ変わり、アロイジア男爵令嬢(ズウォレタット王国)
第8夫人、カロリーネの生まれ変わり、マリア伯爵令嬢(元は男爵令嬢)
第10夫人、リンダの生まれ変わり、マヤ、(孤児)
まだ見つかっていないのは
夫、ライム、10月1日生まれ
第5夫人、イルメラ、8月7日生まれ
第6夫人、アデナ、7月7日生まれ
第7夫人、カーチャ、1月20日生まれ
第9夫人、アニカ、2月3日生まれ
である。
ここで、皇女殿下は
「今回の議題は2つ、
1つはヘレーネが『能力値の表示と唱えると自分のスキルが分かる』と言うので、自分に新たなスキルが増えていないか、これを調べてほしい。
もう1つはヘレーネが『スキルは生活魔法なのだけど能力が上がっているみたいで、普通の火魔法や水魔法と同等の力が出る』と言っていたことについて、みんなはどうか」
と聞いてみた。
出席者全員が、「能力値の表示」と唱えて、自分のスキルを調べた。
各自のスキルは次の通りであった。( )の中は前世より追加で増えた分である。
皇女殿下、土魔法、(生活魔法、言語理解、魔力異常)
フランツィスカ伯爵令嬢、生活魔法、(隠密)
アロイジア男爵令嬢、火魔法、(生活魔法、剣術)
マリア伯爵令嬢、水魔法、(生活魔法、言語理解、計算)
マヤ、土魔法、(生活魔法、鑑定)
「みんなどう」
「増えている」
「ヘレーネに言わせると、これが転生者得点らしいわ。そして、生活魔法でも他のスキルと同じかそれ以上の威力の魔法を放てるそうよ」
「一度、どこか誰もいないところへ行って魔法の力を試してみない」
「いいわね。行ってみよう」
「その前に、私のスキルに魔力異常というのがあるのだけとこれ何だと思う」
「聞いたことがないスキルね。誰か分かる人いない」
「私のスキルに鑑定があるので、調べてみますね」
マヤが、皇女殿下を鑑定すると
「魔力異常というのは、異常に魔力量が大きくて、たいがいどんな魔法でも使えるとこ。また、魔力の回復量が異常に速いため連続して魔法を使ってもほとんど、魔力切れにならないことだって」
「すごいじゃない。私無敵かも。それじゃ、結界魔法も収納魔法も使えるのかな」
「やってみたら」
「やってみる。結界」
すると、皇女殿下の前に結界が出現した。続けて
「収納」
と唱えると、目の前の物が消えた。
「出来たみたい」
「それじゃ、スキルの検証に、遠い森に転移するね。みんな準備はいい」
「いいわよ」
「転移」
すると部屋にいた少女たちが一瞬で消えた。
森に転移した、皇女殿下たちはスキルの検証をすることにした。
「まず私から」
「ちょっと待って、皇女殿下がすごいのは分かっているのだから、いいのじゃない」
「それじゃ、フランツィスカから順番に、あの木に向かって魔法を放って」
フランツィスカが「氷の矢」と唱えると、木が氷の矢で串刺しになって、折れた。
「すごい。私、こんなすごい魔法が使えるのだ。勉強できなくても、もう廃嫡にならない」
「でも勉強はしないと。7歳児に負けるようでは」
「ぶう、小言は言わない」
「次、アロイジア行きます。火の矢」
すると、折れた木が一瞬で燃え上がった。
「どうするのよ、森が火事になっちゃうじゃない」
「大丈夫、水よ火を包め」
マリア伯爵令嬢が詠唱すると、燃えた木が水の膜に包まれた。そして火が消えた。
「最後、マヤ行きます。土壁よ、出でよ」
マヤが詠唱すると、先ほどの水に包まれた木がさらに土の塊で覆われた。
「みんなすごいわ。私たちって無敵じゃない。前世とはけた違いね。ヘレーネじゃないけど、もしこれが他人に知られると戦争の道具にされるわ。とりあえず皇帝陛下には報告して、何かあったら、保護してもらうようにするわ」
「そうね。それがいいかも」
その後、森で魔獣狩りを楽しんだ。
「魔獣狩りって楽しいわね。今まで魔獣と聞くと恐怖の対象だったけど、なんかゲーム感覚になっちゃった」
その夜、皇女殿下は皇帝と皇后に、転生者得点のことを報告した。
「転生者は、魔法のレベルが桁違いになっています。私は空間魔法もできるようです」
「見つかった転生者全員か」
「はい、今のところ見付かったのは私を入れて6人ですが、全員魔法のレベルが桁違いです、生活魔法といっても火魔法が使えたり、水魔法が使えたりします。それも普通の火魔法よりもけた違い強い魔法が使えます。今日森で試したのですが、もうゴブリンやオークぐらいじゃ敵じゃないです。オーガやワイバーンも狩ることが出来ました」
「そんなレベルか」
「はい。それで、戦争の道具にされると嫌なので、何かあったら私たちを帝国で保護してください」
「わかった。それは約束しよう。それで、あと見付かっていないのは5人か」
「はい、5人です。大丈夫、各国に罠を張ってありますから」
「各国て、お前外国には行けないだろう」
「問題ありません、私魔法のレベルが上がったので外国にも転移出来ます」
「聞いてないぞ、危険なことには首を突っ込むなよ」
「大丈夫、危険なことはしません。暗殺者ギルドも手懐けていますから」
「暗殺者ギルト、聞いてないぞ」
「言っていませんでしたか」
「聞いていない」
「そう、襲って来たから返り討ちにしたの。そうしたら『殺さないで』と言ったので、配下にしたの」
暴走気味の皇女殿下に頭の痛い皇帝であった。その後は根掘り葉掘りと皇帝からの詰問に最小限の回答で済ませる皇女殿下であった。この日は、中々開放してもらえなかった。寝るのが遅くなった皇女殿下であった。




