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帝国皇女の憂鬱(前世の夫の生まれ変わりを捕まえろ)  作者: @000-ooo


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28.パーペンランド王国での調査2日目と交流会それと皇女殿下の出店準備

 次の日、朝また皇女殿下が部屋に転移してきた。そして、宿を出ると、古着屋へ行って、古着を購入して着替えさせた。その後、商業ギルドに行って、住居兼商店になりそうな家を購入した。金貨500枚、即金である。もう4人の奴隷はあっけにとられた。そして、ついでに商業ギルドで、お店の商会の登録もした。商会名は「平民のお店」とした。


 家に行くと、皇女殿下はクリーンと唱えた。すると家が新品のようにきれいになった。その後、中に入ると、魔法を練り始めた。すると商店の陳列棚に商品が次々と現れていく。陶磁器にガラスのコップ、絵画、アクセサリー、中にはキラキラ光る宝石のようなものまである。


 一連の作業が終わると、皇女殿下は

「これで、商店の商品もできた。値段は適当につけろ。私は商品は作ったことはあるが、売ったことはないので、値段は知らない。あと、ここに当座の金として金貨100枚ある。これで、適当に暮らせ。わかっているだろうな、買いに来る客から情報を得るのだぞ。また来る」

そう言って、転移していった。



 皇女殿下が、パーペンランド王国での情報源の確保のために店の出店準備をしている頃、ヘレーネとアリーナは、貴族年鑑の保管されている部屋で、対象者の調査の続きをしていた。しかし、この日も転生者らしき令嬢はいなかった。これで、この国の貴族の調査は終わり。王宮から出るわけにはいかないので、することが無くなった。


 次の日、パーペンランド王国の事務官の人が、交流会と称して、この国の魔法の得意な貴族の令嬢や令息を幾人か集めてくれた。どうも特使一行が王都へ来る途中ヘレーネが不審者を一瞬で吹き飛ばしたことが伝わっていたようで、ヘレーネの魔法の腕を見てみたいということになったようである。他国の貴族の令嬢令息との交流は別にいやではなかったが、自分が魔法の腕を披露するというのは、なんか踏み台にされているようで気乗りしなかった。そうは言っても、せっかくに事務官が場をセットしてくれたので、王宮の魔法の練習場に行った。


 練習場に行くと、多分魔法の腕に自信のあるような感じのする令息令嬢がいた。

「初めまして、帝国のヘレーネ・ギーゼンツアー子爵令嬢です。スキル授けの儀式では生活魔法でした。だから、先日、不審者が私に向かってきたとき、不審者が吹き飛んだのは不思議でなりません。もう一度、同じようにやってみます」

そう言って、的に向かって、「爆ぜよ」と唱えた。


 すると、的が、吹き飛んだ。これにはヘレーネもびっくりである。

「私の魔法は生活魔法のはずなのに、生活魔法にしては威力があり過ぎますね。自分でもびっくりです」

こう言うしかなかった。


 見ていた令息や令嬢からは、

「スキル授けの儀式では爆裂魔法ではなかったのではないか」

と言われたが、

「よくわからない」

と答えた。


 その後、今度は貴族の令息や令嬢が魔法を披露したが、どう見ても、ヘレーネの魔法の方がすごかった。そして

「私のスキルは火魔法だったのだけど、生活魔法のヘレーネさんの方がすごいなんて、なんか落ち込んでしまう」

すると、今度は令息が

「生活魔法だと、水魔法も使えるのですか」

と言われたので、今度はヘレーネが水魔法を披露することになった。

「水よ爆ぜよ」

と唱えると、水の塊が的に向かって飛んでいき、的に当たると、爆発した。そう水蒸気爆発である。的は木っ端みじん。先ほどの爆裂魔法よりすごかった。

「水魔法も使えるようです」

こう言うしかなかった。

その後もいろいろ質問されたが、ヘレーネは「わからない」としか答えようがなかった。



 一方、そのころ皇女殿下はパーペンランド王国で作った商店を前世で商人の娘だったマリア男爵令嬢に見てもらうことにした。皇女殿下がマリアとともに奴隷たちの任せている商店に転移すると、奴隷たちは商店の開店準備のための、商品の値段付けに悩んでいるところだった。


 マリアが

「この商品はどうしたのですか」

「私が土魔法で作った」

「このキラキラ光るのって、ダイヤモンドですか」

「多分そうだと思う。私の部屋にあったのと同じ物を作った」

「と言うことは、これはサファイアで、こっちはルビーかな。こんなものここで売れるわけがないじゃないですか」

「でも、私の部屋にはあったぞ」

「当たり前じゃないですか、皇女殿下なんですから、宝石があってもおかしくはないです。でも、平民の家では、こんなものは普通ありません」

「それじゃ、これらの宝石は」

「持って帰ります。ここでは売れません。こんなところに置いておいたら強盗に狙われます」


「次に陶磁器。これも平民ではめったにお目にかかりません。木の食器か、素焼きの土器にしてください」

「でもそれじゃ、あまり価値はないぞ」

「それでいのです」

「わかった。木の食器を作る」

そう言って、皇女殿下は木の食器をたくさん、ほんとにたくさん作った。

「もうやめてください。部屋中が木の食器で埋め尽くされてしまいます」


「次にガラスのコップですが、こんな薄い、そして透明なコップは非常に高価です。だからこれも却下。もっと、厚手で色も透明でない物がいいです。今度はまりたくさん作らないでください」

「わかった」

そう言って皇女殿下はまた魔力を練りだし、ガラスのコップを今度は少し作った。


「それから、商店の表に看板が必要です」

「わかった」

そう言って皇女殿下は魔力を練りだし、看板を作った。

「どうだ、会心の出来だ。この看板には客寄せの魔法もかけておいたから、店がはやること間違いなしだ」

「いいのですか。そんなことして」

「いいだろう、少し気持ちが明るくなるようにしただけだ。元気が出る。それくらいの効果しかないぞ」

「それなら、いいか」


 これを見ていた、奴隷たちは、

「ご主人様は帝国の姫様なのですか」

「そうだけど、言ってなかった」

「失礼しました」

「そう、別にいいけど。命令さえ守ってくれれば」

「それはもう。しっかりと情報収集に努めます」

「よろしい」


 こうして、皇女殿下のパーペンランド王国の店は何とか開店準備が整ったのであった。

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