24.ズウォレタット王国でのお茶会
無事ズウォレタット王国で第4夫人オリーヌの生まれ変わり、アロイジア男爵令嬢を見つけた訳である。これで今回の公式訪問は一応成果があったということになる。ヘレーネはほっと胸をなでおろすのであった。
貴族ではこの国に転生者はいない。後は日程消化だけである。そんな中、この国の高位貴族の令嬢とのお茶会が設定された。どうも、
「アロイジア男爵令嬢に会いたい」
と言ったことで、ズウォレタット王国の事務官が気を使ってくれたようである。
「この国の貴族ともお近づきになれば、そこからも情報が得られるかもしれない」
ということでヘレーネはお茶会に望んだ。
参加者はズウォレタット王国の公爵家と伯爵家の令嬢5人であった。
「始めまして、私はヘレーネ・ギーゼンツアー子爵令嬢です。今日は皆さんとお近づきになれて、とてもうれしく思っています」
「アグネスティーナ公爵令嬢です。今日はヘレーネさんにおい会出来てとてもうれしく思います。」
こうして令嬢たちとのお茶会が始まった。
「ヘレーネさんは、すごいですね、7歳で、帝国の特使一行に選ばれるなんて」
「私はただのメイド、お世話係です」
その後も、会話は進むが、何となく帝国にこびへつらっているような気がしてならない。確かに帝国との国力差を考えると、機嫌を損ねるといけないと思うのは当然であるが、子供らしさがないなと思うヘレーネであった。
その後、帝国で流行っているものを教えてほしいと言われて
「ゲームではリバーシ、食べ物ではポテイトチップ」
と答えた。
それに対する反応がないので、まだこの国には広まっていないのかなと思った。
すると
「陶磁器は手に入りませんか」
と言われた。
「陶磁器はセルフホーフェン商会で扱っています。商会長とは懇意にしていますので、適当に見繕ってカップと皿10個セットを送りしましょうか」
「そうしてもらえると嬉しいですわ。お金は商会に払えばいいのですか」
「そうしてもらえればいいと思います」
「それでしたら、私もお願いします」
ということで、5人の令嬢すべてから頼まれた。
これはチャンスとばかりにヘレーネは
「その代わりって言っては失礼なのですが、私は私と同じ年で誕生日が7/7、8/7、1/20,2/3の令嬢を探しているのですが、見つかったら連絡してもらえませんか。別に貴族でなくても平民でも構いません」
「それはまた、なぜですか」
「誕生日によって、食べ物の好みに違いがあるかを調べるためです」
「その様なことがあるのですか」
「実は私、ポテイトチップの開発者の一人なのです。今後も新しい食品の開発取り組んでいまして、そのための調査です」
と言ったあとで、
「私も皇女殿下の影響で嘘八百を言うのがうまくなった」
と思うヘレーネであった。
「それぐらいであればたやすいことですわ。もし何かわかったらお知らせしますね」
こうして、ヘレーネはズウォレタット王国に情報源を得たのであった。
その後は取り留めもない話が続いた。そして、女子と言うと恋バナ
「ヘレーネさんは、婚約者とかはいないのですか」
ド直球である。まさか「前世ですでに決まっていた」などと言う訳にもいかず、
「ううん。学院に行ってからかな、父も母もそう言っていますから。皇女殿下もそのようですし」
「え、ヘレーネさんは皇女殿下ともお知り合いなのですか」
まさか「前世で1人の男を取り合った」などとは言えず、
「ええ。皇女殿下とも懇意にしてもらっています。皇女殿下は私と同じ7歳です」
「そうなのですか。皇女殿下はどんな人なのですか」
「皇女殿下はとても気さくな人です。ただ、顔に痘痕があるので、人に会うのは嫌がるようです」
ここは無難に世間一般の評価を言っておく。心の中では「あれは猪だ。とにかく突っ込んでいく。ふりまわれる私の身にもなってほしい」と思った。
こうしてズウォレタット王国でのお茶会は実り多きもの?になったのである。若し情報が得られればという条件付きではあるが。




