表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

35/46

35 モンスターを闇討ち

イヌワシの状態を警戒にして寝たのだが、意外に眠ることが出来た。

土塁に登って堀を確認したが、何も居なかった。

結構、安全?

森が深くて魔境は遠いのかもしれない。

ただ、明確に真っ直ぐ魔境の境界線が引かれている訳では無いので、なんとも言えない。

ここだけ安全だった、と言う可能性は大いにある。

「ロイ様、鍋が無いのですが」

「あぁ、鍋の匂いで何かが寄ってきたら困るから、バックパックに入れたんだよ。今出すね」

簡易竈に鍋を出すと、意外な発見があった。

「湯気、出てませんか?」

マジックバックには許容重量無効の他に、時間停止の効果が存在する。

時間が停止した空間なので、ある程度の生物は入れることが出来ない。

死んだモンスターは入れられるが、モンスターに寄生している寄生虫の類は死んだ状態で出てくる。

「もしかして、時間が停止した空間って、温度もそのまま?」

実際に目の前の鍋は蓋の隙間から湯気が出ている。

これは大きな発見だ。

でもマジックバック自体が希少な魔法具なので、本の知識とは言え、そんなに知られていない、もしくは常識過ぎて記述が無かっただけ?

でもこれで焚き木節約になる。

だが、焚き木になる物は使い切ってしまったので、どの道、早急に木を入手しなくてはいけない。

朝食を済ませ、鍋の残りを鍋ごとバックパックに搬入する。

出発の準備が済めば、一辺の土塁を搬入して、堀の一部を埋める。

固く均したわけでは無いので、堀を抜けるのには苦労したが、無事に昨日舗装した場所に出ることが出来た。

昼食までには木を採取しておきたいところだが、今行くべきか、しばらく森の様子を見てからにすべきか。

野生動物はともかく、モンスターの生活基準が分からないので、早朝なら無用な接敵は避けられる今にすべきだろう。

「バンくん、ちょっと弓で警戒しててくれる?」

ダッシュで森に近付き、木を搬入したら速攻でダッシュで戻る。

木1本もあれば、調理用の焚き木としてしばらくは大丈夫だろう。


イヌワシは状態を夜通し警戒にしていたので、今は夜の為に状態を安静にして荷馬車で寝かせている。

警戒鳥も同様だ。

御者台でもバンにブラックホースの手綱を任せず、周囲を警戒してもらう。

手綱を握りつつ、舗装を行っていく。

森は木々が生い茂っており、奥までは見通せない。

森、と言うのだからその通りなのだが、魔境がどの程度の距離にあるのかは実際よく分からない。

ミラード開拓都市では、森を切り開いているが、明確な魔境の境界線は曖昧だ。

基準としては木のモンスターがいる周辺までは切り開いている。

木のモンスターは動くことは無いが、枝を鞭のようにしならせての攻撃や、地中に伸ばした根で奇襲攻撃してくることがあるはず。

別種なのかは判明していないが、根で歩く種類もいたはず。

どちらも周辺の普通の木に擬態しており、見分けるには、火矢を放つしか方法は無いと言われている。

木の大きさはさほど関係ないとされているが、大きいほど成長して攻撃範囲が広くなる。

細い木ばかりの中に大木があれば、それは殆ど木のモンスターだと分かるらしい。

「ロイ様、煙が見えます」

前方の森では確かに煙らしきものが上がっている。

「人間じゃないよね?」

「こんな場所に冒険者が来るとは思えません。ゴブリンの集落では焚火の痕もありましたし、ゴブリンの可能性の方が高いかと」

そんなに森の深い場所には見えない。

このまま進むと、気付かれるだろう。

「バンくん、ここで警戒しててくれる?ちょっと偵察してくる」

ブラックホースの手綱を置き、御者台から飛び降りる。

「一人でですか?!」

「大丈夫、こんなことも出来るから」

隠密スキルを使う。

「ロ、ロイ様?!」

周辺と同化しているからだろうか、バンには姿が見えていない様だ。

「大丈夫、近くにいるよ」

「え?!どこですか?」

「この距離でも見えない?」

「み、見えませんけど!」

うーん、この隠密スキルはかなり有用なスキルだな。

バンの顔の目の前に顔を寄せても気付かれないのだから。

あれ?さっき木を回収しに行く時も隠密スキルを使っていれば、もっと楽だったのでは?

まぁ、忘れてたんだから仕方ない。

「とりあえず、声掛けるまでここで待機ね」

「わ、分かりました」


10分程歩くと、森の外からでも煙の発生源は見えた。

ただ、そこに居たのはゴブリンでは無かった。

「特徴からして、あれがオークってモンスターかな」

オーク5体が焚火を囲んでいた。

全く気付く気配はない。

そのまま森へと足を進める。

もう少し、距離を詰めれば。

パキッ

「プィ?」

うわっ!木の枝を踏んだ!身に着けている物で起こる物音は消せても足音は消せないのか。

幸い、オークの警戒は直ぐに解けたので、歩く場所を慎重に選ぶ。

げ?!オークの食事ってゴブリンなの?

雑食とは知っていたけど、ゴブリンも食べるのか。

でも焼くってことは、臭いのは認識してるってことなのか?

でも手先が器用な感じの手には見えないけど、どうやって火を起こしたんだろ?

ゴブリンの起こした火を奪ってそのまま食事?

まぁ、そんなことは今はどうでもいい。

ここならラッシュで2体同時に首を刎ねられるかな?

座っててくれててありがとう!ラッシュ!!

「プギィ?!」

やばっ!2体目は半分で止まっちゃった!でも、仕留めることは出来た。

残りの3体は慌てて立ち上がり、周囲を警戒している。

ゆっくりと長剣を引き抜き、2体をそのまま搬入する。

いきなり、血が飛び散ったことと、仲間が消えたことに、オークは更に動揺する。

3体が棍棒モドキと槍モドキを構えるが、相変わらずこちらの位置は認識できないでいる。

1体は地面に伏せ、臭いを嗅いでいるのだろうか、でも分からないでいる様子から、隠密の臭いは完全に機能している様だ。

折角、地面に伏せてくれているのだから、そのまま長剣を振り下ろさせて頂く。

頭部切断、までは出来なかったが、首の骨は確実に斬れている。

そのまま搬入。

また仲間が消えたことに、残りのオークは動揺し、喚きながら武器を振り回し始める。

周囲を所構わず振り回すので、逆に近付けない。

ちょっと待つか。

いや、石でも投げてみるか。

ちょっと離れた場所に石を数個投げてみると、オークの意識はそちらに集中した。

木の陰に隠れているとでも思っているのかな?

とりあえず、振り回すのは止めてくれたので、槍モドキ持ちの膝裏を狙わせて頂く。

首とは違って肉が少ないからか、今回はサッパリと斬れた。

片足が使えなくなり、倒れる仲間のオークと、物音のした場所を交互に気にするオーク。

なんだかオロオロして情けない鳴き声を漏らしている。

仕方が無いので、片足が使えなくなり、藻掻き叫ぶオークの首を狙う。

やはり切断には至らないが、仕留めることは出来た。

ここは敢えて搬入しないでおこう。

ちょっとオークの脂分が気になるので、オークの体表でこそぎ落とさせて貰う。

最後の1体は藻掻き叫んでいたオークを突いている。

死んでますよ。

何だか挙動がおかしくなってきたので、逃亡防止の為、再度膝裏を狙わせて頂く。

その場に転がり、なんとも言えない悲鳴を上げる。

とりあえず、突かれていたオークも搬入する。

残された1体はどうしたものか、と考えていると、周りから騒ぎを聞きつけたのか、ゴブリンが5体集まってきた。

ゴブリンは行動不能になったオークを見てニヤニヤと騒ぎ出す。

オークはゴブリンに捕食対象にされたことに気付いたのか、這ったまま棍棒を振り回し、牽制している。

ゴブリンも頭が回る様で、2体が棍棒の範囲でウロチョロし、残りの3体が背中に回り、ボコスカ殴り始める。

ゴブリンは手持ちの武器が無いので、オークには大してダメージを与えられていない。

肩を踏みつけ、棍棒を落とさせると、ゴブリンはそれを奪うが、体格的に武器としては使えないと判断し、遠くに放り投げる。

オークは手で頭部を守りながら泣き叫び、ゴブリンは楽しそうに騒ぐ。

あれ?これで他のモンスターも寄って来てくれないかな?

オークが囲んでいた焚火に枝木を集めて火力を上げる。

斬った2体分の膝下を焚火に放り込む。

うん、オークの肉は美味しいのは知っていたが、膝下の焼ける匂いも中々に良い匂いだ。

ゴブリンでも良いが、鼻の良いモンスターたちが集まってくれると嬉しいのだが。

しかし、ゴブリンがその匂いに反応して焚火の中から膝下を取り出し、喰らいつき始める。

そして奪い合う。

まだ生焼けだし、奪い合うのに殴り合いを始める。

しばらく眺めていたが、オークの膝下そっちのけで殴り合いが続く。

何となく、イラついたので、槍モドキを拾って、ゴブリン2体の腹部を狙って刺してみる。

しばらく、動いていたが事切れると、残りのゴブリンが笑い始める。

同士討ちでもしたと思っているのか?

とりあえず生焼けの膝下を再度、焚火に放り込む。

今度は火加減を観察し始めるので、串刺しゴブリンを解体して、肉と内臓を焚火に放り込む。

肉を追加したからか、火が弱くなったので、追加の焚き木を集めて火力を維持する。

火が強くなったことに気付いてない?

やはりゴブリンは頭があまり宜しくない様だ。

ゴブリン肉の焼ける匂いはオークの良い匂いを打ち消してしまうので、未だ頭を抱えて震える最後のオークを処理する。

直ぐ近くでの物音にも気付かない様だ。

あれ?これは隠密スキルのお陰?

とりあえずオークはそのまま解体し、内臓を遠火で焼いてみる。

オークの内臓は、豚同様に腸詰め料理が作れるが、そんな道具は持っていないので、気にしない。

1体から大量の肉が獲れたが、上質な肉の部位を切り分け、それ以外も細かく切る。

脂身の多い部位はそのまま焚火に放り込む。

うむ、このヒレなる部位とロースと言う部位は美味しいと聞いたことがあるので、搬入しておこう。

それ以外の部位は遠火で火が通る様に並べてみよう。

膝下が焼きあがったのか、ゴブリン達が懸命に焚火から取り出そうとしている。

火傷を負ってまでやっとの思いで取り出した膝下を貪りつき始める。

よく分からないが美味さの表現的な叫び声を上げてくれたところで、3体を処理させてもらう。

周囲から焚き木をせっせと集め、火力を上げて遠火でなくなった内臓や、木串を作って肉を焼いていく。

直火焼きは加減がよく分からないので、我慢して食べないでおく。

長剣を火にかざして、オークの皮で脂身を拭い取る。


放置したオークの肉が焦げるまでの釣り成果。

ゴブリン26体

狼(野生動物)5体

グレイウルフ15体

オーク9体


やばっ!昼を大分過ぎてる!

バンを置いたままだ!

急いで撤収!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ