34:反動
投稿が遅くなってしまい大変申し訳ございません
今後も投稿頻度が落ちすぎないように頑張りたいと思います
今後も天野星屑と「魔族が悪というのは偏見です。」をよろしくお願いします
朝目を覚ますと、体が重い。粘性の高い液体の中に使っているようだ。風邪でも引いたかな?
『なあカケル。体調悪くなったりしてないか?』
「なってるが、何で?」
声も気合を入れないとまともな声が出ない。これは困ったな。今日のうちに、携帯食料とか、旅に必要そうなものを用意したかったんだが。
『それな、お前の誓約の代償だぞ』
「代償?」
そもそも誓約って何?そんなことしたっけ、俺。
『お前、あの怪物と戦う時に、血を吸わせてやる、みたいなこと言ってたろ?けど、その力が現れてすぐに吸わせなかったから、契約違反になったみたいだ』
「そうゆうことか」
調子に乗って前借りなんかするもんじゃないな。もっと慎重に行こう。それに、メリアリオの力を頼らなくても戦えるにようにしたい。
「なあ、メリアリオ」
『なんだ?』
「ケイランって確か、ギルドのでっかい支部とかあったよな?」
『あったはずだが、なぜだ?』
「そこに行ったら、強い人いるかなあと思ってな」
『確か、『魔戒』が一人か二人いるみたいなことを言ってなかった?』
「魔戒か。その人たちに師事出来れば一番儲けものなんだが」
『少なくともエルダラムよりは教えんの上手いだろ』
『魔戒』それは、魔族の英雄達のことだ。あの適当なエルダラムさん含め。そんな人たちに学べれば、確実に強くなれるだろうな。
「それじゃ、取り敢えずケイラン目指して体調を整えるか」
『そうしとけ』
「ということで………おやすみ」
どうせろくに動けないんだし、大人しく寝ておくことにしよう。耳元でメリアリオが叫んでいるようだが、完全に睡眠モードに入った俺の心には響かない。そもそも代償のせいで、本当に眠いしな。
※※※※※※
こことは違う何処か。
こことは違う時間の中で、
魔神は笑い続ける。
新しいおもちゃを見つけ出した子供のように。
銃を持った殺人鬼のように。
「いや~、彼はほんとに面白いな!ハハハッ!」
いつまでも笑い続ける。
「あ~、早く僕の前に来ないかな。来て欲しいな?」
子供のように、膝を抱えて転がり回る。
「早く、僕を殺しに来ないかな?。いっそ連れてきちゃおっかな」
ウーン、と子供のように考え込む魔神。その姿は確かに幼い娘だ。
しかし、その本質が違う。
魔神の本質。それは、誰も分からない。魔神にすらも。
太古の昔、世界が今とは違う発展を見せていた時に、知識を求め、不死の存在となった時から、魔神は生きている。
否、それは、もはや生きているとは言えないかも知れない。なにせ、気の遠くなるほどの時を、育つことなく、食を身体的に求めることもなく、ただ在り続けたのだ。常人なら、生きることに飽きるかもしれない。
しかし、魔神は飽きない。カケルの中に新しい何かを見つけたから。
これまで見たことのなかった何かと、自分に死を教えてくれる何かを。
「やっぱりダメだね。彼の道すらも知ってからでも遅くない」
魔神のつぶやきは、世界の“ある者”ではなく“ある者達”に届いていた。




