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【連載中止】魔族が悪というのは偏見です。  作者: 天野 星屑
魔界    
34/35

34:反動

投稿が遅くなってしまい大変申し訳ございません


今後も投稿頻度が落ちすぎないように頑張りたいと思います


今後も天野星屑と「魔族が悪というのは偏見です。」をよろしくお願いします



 朝目を覚ますと、体が重い。粘性の高い液体の中に使っているようだ。風邪でも引いたかな?





『なあカケル。体調悪くなったりしてないか?』






「なってるが、何で?」






声も気合を入れないとまともな声が出ない。これは困ったな。今日のうちに、携帯食料とか、旅に必要そうなものを用意したかったんだが。





『それな、お前の誓約の代償だぞ』






「代償?」



そもそも誓約って何?そんなことしたっけ、俺。






『お前、あの怪物と戦う時に、血を吸わせてやる、みたいなこと言ってたろ?けど、その力が現れてすぐに吸わせなかったから、契約違反になったみたいだ』







「そうゆうことか」





調子に乗って前借りなんかするもんじゃないな。もっと慎重に行こう。それに、メリアリオの力を頼らなくても戦えるにようにしたい。






「なあ、メリアリオ」





『なんだ?』






「ケイランって確か、ギルドのでっかい支部とかあったよな?」






『あったはずだが、なぜだ?』






「そこに行ったら、強い人いるかなあと思ってな」






『確か、『魔戒』が一人か二人いるみたいなことを言ってなかった?』






「魔戒か。その人たちに師事出来れば一番儲けものなんだが」






『少なくともエルダラムよりは教えんの上手いだろ』






『魔戒』それは、魔族の英雄達のことだ。あの適当なエルダラムさん含め。そんな人たちに学べれば、確実に強くなれるだろうな。






「それじゃ、取り敢えずケイラン目指して体調を整えるか」






『そうしとけ』






「ということで………おやすみ」






どうせろくに動けないんだし、大人しく寝ておくことにしよう。耳元でメリアリオが叫んでいるようだが、完全に睡眠モードに入った俺の心には響かない。そもそも代償のせいで、本当に眠いしな。







      ※※※※※※





 こことは違う何処か。



 こことは違う時間の中で、




 魔神は笑い続ける。



 新しいおもちゃを見つけ出した子供のように。



 銃を持った殺人鬼のように。




「いや~、彼はほんとに面白いな!ハハハッ!」




いつまでも笑い続ける。





「あ~、早く僕の前に来ないかな。来て欲しいな?」





子供のように、膝を抱えて転がり回る。




「早く、僕を殺しに来ないかな?。いっそ連れてきちゃおっかな」




ウーン、と子供のように考え込む魔神。その姿は確かに幼い娘だ。




しかし、その本質が違う。




魔神の本質。それは、誰も分からない。魔神にすらも。





太古の昔、世界が今とは違う発展を見せていた時に、知識を求め、不死の存在となった時から、魔神は生きている。




否、それは、もはや生きているとは言えないかも知れない。なにせ、気の遠くなるほどの時を、育つことなく、食を身体的に求めることもなく、ただ在り続けたのだ。常人なら、生きることに飽きるかもしれない。




しかし、魔神は飽きない。カケルの中に新しい何かを見つけたから。



これまで見たことのなかった何かと、自分に死を教えてくれる何かを。






「やっぱりダメだね。彼の道すらも知ってからでも遅くない」







魔神のつぶやきは、世界の“ある者”ではなく“ある者達”に届いていた。


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