33:依頼
「所で、話とは何でしょう」
「そうじゃのう。率直に言うとな、お主、魔導都市ケイランまでいってくれんかの?」
そう来ると思ってた。だがいざ聞くとかなり面倒くさい話だ。
そもそも、なぜこんな話になってんのか。それは、およそ三日ほど前に遡る。
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「ええっ、カケルって異世界人だったの!?」
「だからそう言ってんじゃん。はあ」
言わないほうが良かったかな。これを言うと確実に騒がしくなりそうだったから、出来れば言いたくなかったんだ。
「誰にも言うなよ。秘密なんだから」
「分かった、だが村長だけには伝えさせてほしい」
「なぜだ?」
「少し問題が発生したようでな。人でが欲しいらしい」
「それを俺に任すと?」
「ああ。村に駐留している冒険者ならそこそこいるが、他の街を目指すなら、ちょうど旅をしているお前が適任だろうと思ってな」
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そんなこんなで、町長の話を聞くことになった。
「理由を伺えますか?」
「うむ、先日お主が討伐に手をかしてくれた“乱魔鬼”じゃがの、ギルドのものに調査を依頼したのじゃが……」
「が?」
「あれが発生した原因は不明だそうだ」
「何だと?」
本来、怪物が現れたなら、それらしき痕跡が残る。魔力の残滓などだ。それが無いというのは、ちょっと何かありそうだ。
「この事を重く見たギルドが、本部にも正式に調査を依頼しようとした。だが、あの怪物が生命暴走してくれたおかげで、転送や念話が使えないそうじゃ。そこで旅人であるお主に白羽の矢が立ったと、そう言う訳じゃ」
魔導都市、か。あそこならちょうど目的地点だ。この話を受けない理由はない。むしろ、ギルド上層部に俺だけの伝手ができる可能性があるならば、メリットが十分にある。
「………分かった。代わりに、報酬は出してくれ」
「はいよ」
「それでは、魔導都市までおもむき、ギルドマスターにこの話をつけてくれ。こちらを調べる人員を回せとな」
「了解だ」
一礼して部屋を立ち去る。もう厄介事の方から近づいてくんなよ。少なくとも、ケイランにたどり着くまでは。
「アイツラにも別れを告げねえとな」
取り敢えず、もう二三日は残って、装備を整えるか。




