逆粉飾決算(リバース・クリアリング)の芸術
管事の動作はひどく硬直しており、まるでその薄い羊皮紙と金貨の詰まった革袋が千斤もの重さがあるかのようだった。
「お確かめを、エヴァン坊ちゃま」
管事は『坊ちゃま』という二文字を極めて重く噛み締め、その視線はチャン・ヨウシーの身体から肉を二圃ほど抉り取らんばかりだった。
チャン・ヨウシーは彼の嘲弄を相手にせず、手慣れた手つきで袋の紐を解き、数枚の金貨を転がし出た。
修長な二指でそのうちの一枚を挟み、耳元で軽く弾く。
清脆な金属音と純正な色沢は、これが豊穣の街の公式鋳造による足赤金貨であり、劣悪な鉛など一切混入されていないことを示していた。
「成色は上々だ。釣りは要らない」
チャン・ヨウシーは金貨をすべて袋に戻した。その優雅な動作は、高級取引所で数千万規模のM&A(企業買収)の契約書にサインしているかのようだった。
続いて、彼は自身の血の手形が押された借用書を取り上げ、借入人の署名と鉄砧会の魔力偽造防止印に間違いがないことを確認すると、カウンターに置かれていた照明用の牛脂蝋燭の火へと直接かざした。
火炎が一瞬にして羊皮紙を呑み込み、跳ね踊る火光がチャン・ヨウシーの冷徹で深邃な瞳に映り込む。
「――債務消滅」
チャン・ヨウシーは灰が床の悪臭を放つ黒水に落ちるのを見届け、両手をパンパンと叩いた。
この不良資産は、正式に俺の『個人資産負债表』から切り離された。
バールは傍らで冷ややかにそれを見つめており、玄鉄の護腕の下の筋肉が静かに緊張していた。
彼は待っていた。この死に損ないの没落少爺が約束通りに平民を安撫し、商行を出て行くその瞬間を。その時が来れば、自ら手を下し、知りすぎたこの異端者を永遠に黙らせるつもりだった。
チャン・ヨウシーは身を翻し、壁の角でガタガタと震える平民たちに向き直った。
先ほどまでの刃のように冷酷だった眼差しが一瞬で切り替わり、教会の聖壁に刻まれたレリーフのように悲憫に満ちたものになる。
「迷える子羊たちよ、神はあなた方を見捨ててはいない」
チャン・ヨウシーの声は空霊で、不思議な浸透力を帯びていた。
「先ほどの黒水は、下層地区に潜伏する悪霊があなた方の信仰を盗み取ろうとした証拠だ。鉄砧会もまた被害者なのだ。彼らが大金を叩いて仕入れた聖水は、不幸にも悪霊の不浄によって汚染されてしまったのだ」
しかし、平民たちは互いに顔を見合わせるばかりで、その瞳にあるのは恐怖だけでなく、それ以上の麻痺と懐疑だった。
顔色の悪い、痩せこけた男が怯えながら身を縮め、震え声で呟いた。
「悪霊なんて……お、お前みたいな飯も食えない没落戸が、どの面下げて神の代弁者ぶってんだよ? 俺たちはただ、早く家に帰りたいだけだ……」
彼らは下層地区の蟻に過ぎない。こうした事態に直面した時、最初の反応は常に、暗く悪臭の放つ犬小屋へと逃げ込んで隠れることだった。
離れた場所にいるバールの口元に、残酷な弧が浮かんだ。この賤民どもが暗い路地裏へ戻りさえすれば、手下たちを使ってゴミのように綺麗さっぱり片付けられる。
チャン・ヨウシーは彼らの微細な表情をすべて網羅していた。
彼はこれら『底辺の個人投資家』の不安心理をあまりにも熟知していた。実質的な『市場パニック(マーケット・パニック)』を引き起こさなければ、彼らが大口の指揮棒に従うことは絶対にない。
「信じないか?」
チャン・ヨウシーは悲しげに溜息を漏らした。「ならば、その目で直接見るがいい」
彼は先ほど借用書を焼くのに使った、まだ燃え盛る牛脂蝋燭を手に取ると、躊躇なく管事の足元に広がる濃厚で悪臭を放つ黒水へと投げつけた。
「シュー――、ドカン!」
下水道の苔の抽出液と幻覚剤を劣悪に調合した液体に火が触れた瞬間、激しい化学反応が巻き起こった。
本来はオレンジ色だった炎が「ボッ」と膨れ上がり、極めて奇怪な幽緑色の烈焔へと変貌したのだ!
それだけでなく、揮発した気体の激しい燃焼により、炎の中からまるで爪で鉄板を引っ掻いたかのような刺耳な咆哮が響き渡った。鼻を突く悪臭が緑色の光と共に、一瞬にして大広間全体を包み込んだ。
「ひぃっ!! 悪霊の火だ!」
「悲鳴を上げてる! 水の中の悪霊が叫んでるぞ!」
この一撃で、平民たちの心理防壁は完全に爆破された。
科学的知識を持たない底辺の人間にとって、この常理を外れた咆哮と幽緑色の炎は、悪霊降臨の紛れもない鉄証だった!
先ほど疑問を呈した痩せこけた男は恐怖で膝の力が抜け、「へたり」とその場に崩れ落ちると、必死に胸の前で十字を切り、涙と鼻水で顔をぐしゃぐしゃにした。
チャン・ヨウシーはその隙を逃さず音量を引き上げ、その口調は極めて厳厲なものへと変わった。
「よく見るがいい! 悪霊の刻印はすでにこの大広間に刻まれ、お前たちの影にも伝染している! 下層地区のネズミ穴に逃げ込めば命が助かるとでも思ったか? 否! 暗闇は悪霊による魂の貪食を加速させるだけだ!」
平民たちは完全に魂を飛ばされ、ある者は悪霊に食われるのを恐れるあまり、仲間の服を必死に掴んで遅れまいとした。
「ここを出たら、絶対に暗い路地を通ってはならない。太陽の光が最も強い大通りを進め!」
チャン・ヨウシーは大門を指差し、その声は耳を聾さんばかりに響いた。
「全員、中央通りの『聖光大聖堂広場』へ向かうのだ! 聖十字架の輝きを浴び、神への賛美を高く歌い続けよ。太陽が完全に沈むまで、そこを離れてはならない! これこそが、唯一の免罪と浄化の方法である!」
この言葉が出た瞬間、バールの顔の横肉が猛然と引きつり、心臓を巨大な鉄槌で殴られたかのような衝撃が走った。
中央通りの聖光大聖堂! そこは教廷の聖騎士による巡回が最も密集する、絶対的な核心エリアだ!
平民たちは最後の救いの蜘蛛の糸を掴んだかのように、次々と大門を押し開け、陽光の降り注ぐ主幹線道路へと一斉に雪崩れ込んでいった。彼らは徒党を組み、悪霊に追いつかれまいと、走りながら大声で聖歌を吟唱し始めた。
バールの呼吸が荒くなり、指の関節がパキパキと音を立てた。
あの賤民どもが全員、教廷の目の前に駆け込み、しかも日没まで居座るというのだ。白昼堂々の中央通りで口封じの虐殺を行うだと?
鉄砧会に逆立ちしたってそんな度胸はない。夜になる頃には、奴らは広大な人込みの中に霧散し、追跡することなど不可能になる。
このガキの、何気ない一言が、彼の計画を強制的に『熔断』させたのだ!
「エヴァン!」バールは一歩踏み出し、凶暴な殺気をいよいよ抑えきれなくなった。「俺をハメやがったな?!」
「バール先生、危機管理はすでに完了し、顧客の情緒も安撫されましたよ」
チャン・ヨウシーは革袋を懐にねじ込み、バールの殺人じみた視線を受け止めながら、微かに微笑んだ。
「私は約束したことを果たしたまでです。どうしてハメたなどと言われねばならないのです?」
バールは歯を食いしばり、チャン・ヨウシーを死に物狂いで睨みつけたが、最終的に腰の短刀を抜くことはできなかった。
「お見送りには及びません。貴商行のビジネスが、一日も早く底を打って反発することを祈っておりますよ」
チャン・ヨウシーは少し古びた貴族のネクタイを整え、打手たちの肉を喰らわんばかりの視線の中、従容として商行の大門を跨ぎ超えていった。




