その7 魔獣防衛隊の天馬アイ
なんでこうなった、山神は深く考えていた。道路に魔獣が堂々とおり、隊員を二人、を追い詰めている様子を、自身が野球の硬式ボールの様に突き破った窓ガラスの破片を黒いブーツで踏みしめながらそう思っていた。
「・・・・?」
山神は手から離れた、愛武器のアサルトライフルがどこにもないことに気がついた。
「やっべ、どこにいったんだ?」
山神はあちらこちらを見渡し、天井に突き刺さっていることに気がついた
「M4がナイフの様に突き刺さるって、どんなスピードでふっとばされたんだ。俺は…」
山神は少し鳥肌が立ち、体をブルっと震えさせた。
山神はジャンプをし天井からM4を引き抜いた
「さぁてと、やりますか~」
山神はM4をリロードさせながらそう呟き、窓ガラスの淵に足を乗せ、見下ろした
なんでこうなった?、そんなのは簡単な理由だ。「ランク1」ってだけでイきるガキ共のせい・・・ではない。単純に俺が吹っ飛ばされて俺の脳内の作戦が失敗したからだ。
・・・・あのガキ共に俺めっちゃイキった事言っていたのに恥ずかしい~~な。
山神は少し顔を赤らめた。
「まぁ、まぁ~コンビニから魔獣が手を引いたのは結果オーライって事にしよう」
山神は、自分でも無理な言い訳だな、と思った。
だが、その「恥じらい」、「後悔」、「罪悪感」の思考は山神は一瞬で考えるのを止めた。
山神はとっくの昔から分かっていたことがある。
「恥じらい」 「後悔」 「罪悪感」 それは、足を引っ張るだけ、だと。
その思考に時間を費やすのであれば、それは「死」と同じだ。
山神はその考えを本能まで食い込ませていた。
山神が、今、考えている事は単純で分かりやすい事だけだ。
―この魔獣をどうやって殺してやろうか―
その考えだけが山神の脳内に駆け巡っていた。
「おっ!?なんだ、あの魔獣。めっちゃ青髪のヤツに集中してるじゃん」
ラッキー、山神はそう思った。
そう思った時、山神はすでにM4のトリガーを引いていた。
M4のやかましい音をまき散らしらしながら放たれた弾丸が道路で能力バトルをしている魔獣の背中に全弾ヒットした
「まっ、この位じゃ死なないか~」
魔獣がダイキから視線を外し、上を見上げた。
「おっ、俺に気づいたな」
山神は少し調子ずいたことを言いたくなった。大きな魔獣を見下ろしているからだろう。
「重装備じゃなかったら死んでたぞ?、なぁ、大きなライオンちゃん?」
その時、ダイキも上を見上げ、山神が生きている事に気がついた
「(生きていやがったが!!ヤマガミの野郎~!!)」
ダイキは少しほッとした。
だが、その時、ダイキは思った。
「(これはチャンスだ!!)」だと
魔獣がビルの七階付近の割れた大窓から姿を出している事で魔獣の動きが上に持っていかている。ダイキは一瞬の迷いはあったものの、すぐに行動を開始した
ダイキが指を魔獣にセットした。そして、唱えた
「『重さ』」
ビュン!!!
「よけられた!!」
魔獣は先ほどとは違う、早さでダイキの攻撃をよけた。
だが、それは意図したものではなかった。
魔獣は避けたのでなく、移動したのだ。
山神がいる階の所まで。
「おっ、怒ってるな」
魔獣は思っていた。
この弱いチビ生物になぜ、私の半身はやられたのか?。なぜ、下にいる青髪の生物よりも弱いと分かるこの男が私の半身を殺せたのか?。
魔獣は不思議がっていた。
そして、魔獣は怒っていた。
こんな奴に痛めつけられたのか!!私の半身は!!!!
その怒りには、「恥じらい」 「後悔」 が含まれていた
魔獣は大きな口をさらに大きくし咆哮を放った
「グガガガガァァァ~~~~!!!!!!」
山神がいるビルの窓が全てにヒビが入り、そして、割れた
その窓の破片は、太陽の光を反射しシャンデリアの様な美しさを放ちながら地面へ落ちていった。
山神はトリガーに手をかけた
ダダダダダダダ!!!!!
M4の弾丸が魔獣の口の中に当たる
魔獣は怯みもせず、口を広げ山神がいる窓枠とそれを覆っている外郭のコンクリートに食らいついた
だが、山神はバックステップを踏み、魔獣の攻撃を軽々とかわし、魔獣の口が閉まっていたので、魔獣の膨らんだ鼻孔に弾をぶっ放した
魔獣の犬の様な黒い鼻がみるみると血を流しながら、ぼこぼこのスポンジの様になっていく
魔獣は口を締めながら叫んでいた。山神はイケるとおもった。
その時、山神の考えとは裏腹に魔獣は前に突き進んできた
「!!」
魔獣は大きな体を山神がいる階の中まで無理やり入れようと、ぐりぐりと体を突っ込ませていた。魔獣の目は見開き血走らせ動向を小さくし獰猛そのものだ。
「これは、やばい」
山神はそう言うと、魔獣に背を向け、走った。
山神は思った。
確かに弾は当たる。ただ、それは魔獣の図体がデカいからだ。ダメージになっていない。加えて、俺が蛇みたいな尻尾を銃でめちゃくちゃに撃って血だらけにしたから切れてる。目で分かるわ。
だが、そこに勝機がある、ヤツは絶対に俺についてくる。これも目で分かる。ヤツの目は「絶対殺す」って感じの目だ。復讐って感じの目だな。
山神がいる階はパソコンが机に置かれていたことから事務作業系の仕事の職場だと思われる。
山神はその部屋を出ると、粉吹雪を巻き散らしながら魔獣も一緒についてきた
魔獣は叫び散らしながら山神のあとを追っていた。さながら、サイズがあっていないトンネルを壊しながら追ってくるホラー映画の様な、感じだ。
山神は振動するカーペットの床から魔獣が意外に追ってくる足が速い事に気が付いた
「デカいヤツは遅いってのがお約束だろ?」
山神はニヤッとし額から冷や汗を滲ませそう呟くとベルトにつけていたものを掴み前を向き走りながらながら追ってくる魔獣の方に投げた
ビカッ!!
辺りに眩い光が放たれた。
「特性の閃光爆弾だ」
山神が言った通り、その閃光弾の光は山神の影を消してしまう程に眩かった
これで、少しは動きが止まればいいんだけど‥・
ガガガッ!!!!!!
ですよね~。
魔獣は閃光弾をマジかに食らっても怯みもせずに、山神の後を追った
「でも!!俺の勝ちだぜ!!」
山神の前には「こんな世界だから働こう」という見出しと共に若い男がガッツポーズをしているポスターが張れられた壁があった。山神達は突き当りの廊下に差し掛かっていた
グッ!!
山神が壁の寸前で止まり、左に後ろ周りの様に転がった
魔獣は咆哮を発しながら壁に勢いよくぶつかり身を乗り出した
「ッ!!」
山神はその一瞬を見逃さずに魔獣の背後に回ろうとした
「!!!、あっぶねぁ~!!!」
山神は咄嗟に止め、尻もちをついた
魔獣が無理やり移動してきたせいで地面が抉れていたのである。
「・・・・じぁあ、横からで」
山神が魔獣の横に周り、M4のトリガーを引いた
魔獣の叫び声と共にM4の発砲音がビル内に響いた
魔獣はたまらくなり、半分乗り出していた身を全部乗り出し、自分からビル内から出ていった
「次はどう来る・・・」
山神はフルフェイス越しに不敵な笑みを浮かべた
山神がM4のトリガーに指をかけた。
その時だった。
「前方に魔獣確認!!!撃てェぇ!!!!!!」
拡声器越しに大きな声が山神まで聞こえた
次の瞬間、山神が魔獣が壊した壁から顔をのぞかせると、軍隊の様な隊形をとった隊員達が翼を広げた魔獣に銃口を向けていた
その他にも、『ギフト』持ちだと思われる隊員も複数人いた
「・・・・・え~~~~~」
山神は目を細め口をへの字にしため息をついた
「あっ、俺が呼んだんだった」
山神は自分で応援を呼んだのを思い出した
魔獣が咆哮を上げ、道路で隊形を取っている隊員に突っ込んでいった
「あ~逃げればいいのに。まっ、所詮は魔獣か」
山神がそう言い、魔獣に背を向け、ビル内の中に消えていった
魔獣は、一瞬でハチの巣にされ死亡した。
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~山神がいたビルの外~
階段を探すのにこんなに苦労するとは思いもしなかった。山神は少し疲れた顔をしながらビル内のフロントまで移動していた。
山神は、ふと、歩きながらフロントにあった大鏡で自分の姿が目に入った
黒のヘルメットに黒のフルフェイスマスクに体が一回り大きくなるほどの重装備、色は黒・・・これが、このビル内にいるって中々シュールだなぁ~。と思う山神であった。
「どうしようか、コンビニに取り残された少女はもう救出されてるよな・・・・やることないな」
山神は数秒考えたのち、答えを出した
「帰るか」
という、単純な答えを出した
山神はそう思うと、歩を進め、ビルの入り口から出てきた
その時だった。
「やっと出てきましたか。待ってましたよ」
声が高い女の声が山神の耳に聞こえた
山神はその声が聞こえた方に体を向けた
そこには、黒いセダンの車に尻を乗せている女性がいた。
女性はサイドの髪は肩まで伸ばしており前髪はぱっつん髪で両サイドを肩まで下した髪型、丸く大きい目にぷっくらとした小さい唇。
そして小柄、身長は160あるかないくらいだ。服装は黒のスーツの長ズボンに白の長シャツに青いスーツを着ている、腕の方には見たこともないバッチが何個もある小柄な女性だった。
山神はその女性を目に入れると咄嗟に地面にM4を置き、敬礼をした
「天馬さん!!お疲れ様です!!」
山神は声をハキハキと出した
「あっ、お疲れ様です~」
天馬は軽く敬礼をしながら軽くそういった
なんで?、なんでこんな所に、トップがいるんだよぉ~!!
―天馬アイ―
―天馬基地の司令官―
―つまるところ、魔獣防衛隊でトップ5に入るほどの偉い人―




