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その6 「『ギフト』」

 「来るぞ!!」

 

青髪の青年ダイキの声が人が一人もいない町によく響いた。


 「分かった!!」


短髪の青年、ショウはソレにすかさず返事をし腰に差していた剣を抜刀する


「『ギフト・強化(パワーアップ)』!!」


ショウの両足が地面のアスファルトにめり込む


「俺がヤツの足を斬る!その隙に、ダイキのギフトを打ち込め!!」


ショウがそういうと、向かってきている巨大な魔獣が大きく口を開け、翼を縮め二人がいる所に照準を定めた


「うぉおおお!!!!」


ショウが叫び、足に力を入れ地面を強く蹴り飛び立った、アスファルトが割れ、ソニックブームがショウの周りに出来ている


「その足!!貰った!!」


ショウが剣を魔獣の前足に定め、振り切った


クルンッ!


「なっ!?」


魔獣は自身の体が巨大にも関わらず、ジェット機が横に回転しながら移動するようにしショウの斬撃を避けた。巨大な魔獣の歯がダイキに向いた。


魔獣は気づいていたのだ。「こういう戦い方をするちっこい生物がいる」という事を経験していたのだ。前方の敵を無視したら後方のヤツは後れをとる、という事をこの巨大な魔獣は経験していた。この魔獣は青年二人よりも戦いの場数を踏んでいた。


「そりゃ、当たらんって事もあるわな」


ダイキはニヤリと笑いそう言うと、人差し指と中指を立てた


「ここだ」


ダイキは指を下に向けた


「グゥゥウウ!!」


魔獣の動きが止まる、いや、動きの軌道が下に変わっている


「『ギフト・重さ(グラビティ)』」


ガンッ!!!


アスファルトが割れ、地面を揺らし、巨大な魔獣は跪くように地面に張り付いた


「意外とクラス4も大したことねぇ~な」


ダイキが自身の長い青髪を触りながら魔獣に近づいて行った


「おい!危ないからやめろ!!」


ショウが遠くから怒ったような声で怒鳴った


「おいおい、こんなのただのデカい犬だろ、いや、ライオンぽいっ顔してるからネコか?」


ダイキはにやけた口調でそう魔獣を見下しながら言うと、にやけた表情から眉をひそめ苛立っている顔になった


「僕の町を襲いやがって!!苦しめてやる!!」


ダイキは指を立てもう一度下におろした


バキッ!!!


より魔獣はアスファルトにめり込んだ


「はははっは!!!」


ダイキは取りつかれた様に笑った


「馬鹿!!街を壊してどうするんだ!?」


「あっ、おっといけねぇ、早くここまできてくれ、お前の剣でこいつを殺してくれ」


ダイキがショウの方に目線を移した時だった


魔獣が重力によって翼やタテガミが地面に伸び落ちているにも関わらず、魔獣は立った


「なっ!?」


ダイキが重力を強めようとするよりも先に魔獣は先手を打った


「熱っ!!」


魔獣の体から熱湯の様なモノが全身から噴出された


「ダイキ!!重さを乗せ続けろ!!」


「分かってる!!」


熱湯の湯気で視界が遮れていてもダイキはギフトを緩めることはなかった


その筈だった


「!?」


ダイキは自身の目を疑った


熱湯の湯気が晴れた時、目の前の魔獣が姿を消していたのだ


「バカな!!」


「ダイキ!ギフトを解除するな!!」


ショウは遠くから負担になるのにも関わらずギフトを行使し、ダイキの元へと走っていった。ギフトを使えば、3~5秒でつく!!間に合う!!、ダイキは見ていなかった!!だからまずい!!。ショウは心の中でそう思い全力で走った


 だが、ダイキは『ギフト・重さ(グラビティ)』を解除した


「バカ言うな、ギフトを解除しなきゃ魔獣を殺せねぇだろうが」


ダイキはそう血走った目で呟くと魔獣がさっきまでいた凹んだアスファルトから目を離し後ろを振り返った


「ダイキ!!目を離すな!!魔獣は移動していないんだ!!」


「は?」


ダイキは後ろを振り返った


爪。巨大な爪だった。ダイキの目に最初に張り込んだのは巨大な魔獣の爪だった。ダイキは悟った、これが死かという事に。目に映る全てのものがスローモーションになる。ギフトで体から血を滴り落としている巨大な魔獣。あっ、もう少しで倒せたんだと分かったダイキ、その時、後悔が押し寄せてきた。


 そして、諦めた


「ダイキ!!!」


「ショウ!?」


ダイキの胴を飛びタックルの様に掴み、魔獣の爪攻撃から危機一髪で助けた


「ぐぁぁああ」


だが、その際、爪が、ショウの背中に当たり切っていた


「ショウ!!!」


ダイキは後悔していた。危機一髪のところを普段見下していた友に助けられたことに、そして、大事な友も危険な目に合わせていしまった事に。ダイキはアスファルトに尻もちをつけた状態で今にも泣きだしそうであった


「グハァ!!」


そのダイキとは正反対に、魔獣は血がしたたり落ちるライオンの顔で不気味な不敵な笑みを浮かべた。この顔は動物のライオンには出来ないのは一目で分かるほどの異様さ、だから、魔獣なのだ。


「来い、殺してやる」


「や…やめろ、逃げるんだ」


ダイキはショウを片手で抱きしめ、魔獣に指を向けた


「グハハハ!!!」


まるで笑い声だ。笑い声の様な魔獣の鳴き声が周囲に響き、その声で窓を揺らした


次の瞬間だった


魔獣はダイキを食い殺しに直線に突っ込む


「『ギフト・重さ(グラビティ)!!!』」


ダイキが指を落とす、だが、魔獣には当たらない


魔獣は直ぐに後ろに後退したのだ。ダイキは瞬時に理解した、この魔獣は自分の能力を理解したのだと。


魔獣は前後左右にステップを踏んだ


「クソッ!狙いが定まらねぇ!!」


ダイキの視点で指を魔獣の動きに合わせ動かしているがギフトを発動する前に素早く移動されている。


魔獣は理解した、「この生物は目で私を追っているのだ」と


魔獣は翼を広げ、羽を空中へと飛ばした


「なっ!!」


ダイキは宙に浮いた羽を見上げると瞬時に理解した。この羽が地面へと重力で落ちる際に必ずどこかで自身の視界を遮ることになることを直感したのだ



クラス(フォー)の魔獣。ランク(ワン)のダイキ。各々が各々に集中力を極限まで上げていた。

周りの音が聞こえない、見えない、見えるのは目の前の獲物(ダイキ)だけ。


周りの音が聞こえない、見えない、見えるのは宙に浮かんだクソ魔獣の羽とクソ魔獣の憎たらっしいニヤケ顔、感じるのは胸の中で熱い血を背中から流している友の温もり、思うのは、怒り!!。


時は来た。ダイキの読み通り、魔獣の羽が地面にひらひらと落ちる際、魔獣と重なり魔獣の姿が見えなくなった


 来い!!目の前に来た瞬間に潰してやる!!


魔獣は最短の一手を打った。能力で消えて後ろから攻撃でも構わなかったが、このチビ生物の顔を見ながら殺してやる、と魔獣は決めていた


「「殺してやる」」


言語が違う生物たちの考えは一つにまとまっていた


ダダダダダダダダッッッ!!!!!!


その時、やかましい音を周囲に響いた。


魔獣の背中、つまり、上から痛みを感じた


魔獣は驚き、上を見あげた


そこには黒い男がいた


「おい、こんな重装備じゃなかったら死んでたぞ」


山神はM4ライフルのマガジンをリロードしながらそう呟いた



。。。面白ければ、ブックマーク、評価をお願いします。

感想!!!アドバイスお願いします!!

この物語はフィクションです、実際のモノとは関係ありません( ^ω^)・・・




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