その2 天馬基地へ戻る
「もう、なんなんですか?。いきなり不貞腐れられても困りますよ」
天馬は歩きながらほっぺを膨らませ、怒っている口調でそう言った。
「あ、はい。すいません」
山神は下を向きながら落ち込んだ様子でその天馬の後ろについていく。
「あ。ちょっと待って下さい、今シートを引くので」
天馬は自身が運転し乗ってきたセダンの前で止まりそう言った。
「シート?」
天馬はセダンの後部座席を開けると、後ろのトランクの方に周り、大きなブールシートを取り出した。
天馬の体は小柄なので両手に持ったブルーシートで顔が隠れてしまっている。
何をしているのだろう?。と山神は首をかしげながら天馬がブルーシートを後部座席に添わせるようにキレイに引いた。
「さっ、乗って下さい」
天馬は小さな手を後部座席にかざした。
「あ、そういう・・」
山神はブルーシートをひいた意味を理解した。
「あ、車が汚れるのは嫌でしょうから、全然、自分は歩いて帰りますよ」
山神は普通にそう言い、天馬に軽く会釈をし背を向けた。
ま、セダンにも乗ってるぐらいだし、凄い車好きなんだろうなぁ~
バンッ!
「」ビクッ!
山神は後ろから聞こえた大きな音を聞くと、思わず体をビクッと震えさせ後ろを見た。
「て、天馬さん・・・???」
山神が振り返ると、黒くて立派な高級車のセダンの屋根が小さく凹んでいた。
なんでそうなったかと言うと、天馬が思いっきり拳を握り鉄槌の様にし振り下ろしたからだ。
「・・・・山神さん?。さっ、早く乗って下さいよ~~」
天馬は顔を上げると、引きつった笑みをし唇を噛みながら、傍から見ても怒ってるのを我慢してる顔をしていた。
「」
山神は無言で早足になり、後部座席に腰を置いた。
バンッ!
後部座席のドアが勢いよくしまった。
「」
山神は冷や汗をダラダラと垂らしていた。
山神が心臓をバクバクとさせている間に、天馬もすぐに運転席に座り、シートベルトをした。
「あ、山神さんはシートベルトをしなくていいですからね」
「え・・あ、はい」
汚れるのが嫌なんだろうな、俺今、パンツ一丁だし。
?、うん?・・・パンチ一丁?
!?、俺、装備全部忘れてるじゃん!!!
「装備は部下に運ばせるので心配しなくていいですよ」
天馬は後部座席にいる山神の顔をバックミラーでみながら、そう言うとエンジンを吹かした。
いかにも高級車って感じのエンジン音だな。と山神は心の中で馬鹿にした。
天馬が運転するセダンはバックで少し動くと、すぐに前に切り返し、基地の方へとゆっくりと進み始めた。
女の割には運転が上手いな、と山神は思いながら窓の外を眺めていた。セダンを汚さない様に窓に腕をもたれさせる事はせずに、山神は両手を内ももの方にしまうように置いていた。
てか、俺、今すげー汗かいた後だけど大丈夫かな?、あとでお金とかせびられないよな?。
「そうそう、山神さん?」
「はい?」
「最初の方に一緒に戦ってた、ランク1の二人はどうでした?。ベテランからの意見も聞いてみたいですね~」
天馬はバックミラーで山神の顔を見るようにそう質問したが、山神は顔を窓の外に向いたままなので、少しイラッとした。
「あ~あの二人ですか。ダメですね」
天馬はテンポが遅い発言が来ると思っていたので、思わず驚いた。だが、それを顔には出さず鼻でスカす様にした。
「ふ~~ん。それはなんでですか?」
「単純な話ですよ。頭が弱すぎる、メンタル面も知能の方も」
「まぁそうですね~。知能の方はギフト持ちですから、しょうがないですけど。メンタルの方はそうですね。私の方から言っておきますよ」
山神は少し目を細め、少しイライラしている様に早口になった。
「そういう「知能がない」ではないですよ。本当に単純な話です。基礎を疎かにしすぎている」
山神は続けた
「あの二人は装備が軽量すぎる。軽く見すぎなんですよ、戦闘を。なんで、小さな通信機すら持っていないかも正直意味が分からない。それのせいで、魔獣に青髪の方は殺させそうになった。それだけじゃない。」
天馬は言葉を発さずに耳を山神に傾けていた、目線も運転をしながらチラチラとバックミラーで山神の表情を伺うように見ていた。
「なによりも、俺がイラついたのは。人命の確認を疎かにしていたことだ。あれはない」
山神は先ほどから上官に話していることを忘れているように、口調が荒くなり敬語が無くなってしまっていた。
「アレはおかしい。コンビニの大きな窓が割れているのに関わらず、それを確認もせずに歩いてきやがった。人命の確認をしとけば、あの少女はトラウマを背負う事はなかったかもしれない。」
天馬はその言葉を聞くと、少し、目線を山神から外し、下に落とした。
「・・・ありがとうございます。貴重な意見でした。あの二人には私から言っておきます」
天馬は今理解した。山神さんが私に怒っている理由が分かった、私も人命の確認もせずに現場に来たときは山神さんを待つ間は車に背を預けぼーっとしていただけだった・・・私も上官失格だ・・・。
天馬は、ほどよい笑顔を作り、山神に質問をした。
「そうですね。山神さんの意見は凄く正しいと思います。ですから、あの二人には私の上官権限でランクを下げようと思います」
「え、そんなことできるんですか?」
天馬は「はい」と平然と言った。
山神は、顎を指さわり考えた。
「そうですね。あの二人はランク3に降格させておいて下さい。」
「山神さんより、一つ上ですけどいいんですか?」
「いいですよ。ギフトの方は強力だと思いますし、ランク1の中でも強い方だと思いますよ」
「・・・・そうですか。・・・・やはりいいですね」
山神は、天馬が最後の方になんて言ったか分からなかったが「はい」と返事をした。
山神と天馬はそのあとは特に会話をする事もなく、基地の方まで黙っていた。
山神は車の揺られながら思わず、眠ってしまっていた。
「・・・・・がみさん!・・・・山神さん!!」
山神は体を揺すられながら、目を開けた
「ん?」
目を開けると、山神の肩を触りながら下から山神の顔を覗いている天馬がいた
「!!わっ!!」
山神は思わず体をビクッとさせた。
「あ、起きましたか。つきましたよ。基地に」
「・・・あ、そうか」
山神はそう呟くと、足を車の床から、地面へと運び、地面に立った
山神は「う~~~~ん」と小さな声を出し、背伸びをした
「よいょ、よいしょ」
後ろでは、天馬が一生懸命にブルーシートを取り、おりたんでいた。
そして、その折りたたんだブルーシートを近くにあるごみ置き場に捨てていた
「えーーーー」
山神は口をぽかーんと開け、汗を額から流した
「あ、山神さんは、お風呂に入ってきてください。そのあとは、私の執務室に来てください」
「・・・・あ、はい」
山神は後部座席に上半身を突っ込んだままプリっとした尻を山神の方に向ける、天馬の姿を嫌そうに見ていた。
そんなに、車の中にファブリーズまくぐらいなら、最初から乗せるなよ・・・・・、傷つくじゃないか
山神は少し目に涙を浮かべながら基地内にある銭湯にむかってトボトボと歩いた
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この物語はフィクションです、実際のモノとは関係ありません( ^ω^)・・・




