表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
特定非営利活動法人 アマツキツネ 「ルナティックハウンド」  作者: 涼城 鈴那
肥前化け猫騒動

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
19/45

美緒の居場所


町唯一の温泉宿に宿泊した政光と義経は、翌朝早めに起きて朝食を取りながら今日の予定を確認していた。


「義経君、今日は美緒ちゃんの友人宅を何件か回るのかい?」

「友人宅は一件のみです、おそらくそこに美緒さんは匿われているはずです。」

義経は一人の友人が美緒を匿っていると見当をつけているらしい、政光がその理由を尋ねる。


「通帳に入金したり偽装工作し始めた頃から、それまで頻繁にメッセージをやり取りしていた一人の友人との連絡が無くなってるんですよね。おそらくその頃から別のスマホを用意して、そっちで連絡を取るようにしているんだと思います。」

他の友人たちからは、失踪翌日まで普通にいつもの何気ないメッセージが届いており、おそらく無関係なのだと見当をつけたと言う。


「その友人宅は警察が張り込んでない家だったのかい?」

「いえ、しっかり張り込んでいましたよ。ただ外から観察してるだけで家の中まで調べてないですからね。それ以上は令状がないと無理でしょう。」

「そこで僕の出番と言う訳だ。」

朝食を食べ終えた政光がお茶を啜りながらそう言うと義経が笑いつつ


「家の外からでも政光さんの嗅覚なら一発でしょう?その為にどうでもいい梯子を乗り降りして美緒さんの部屋の匂いを嗅いで貰ったんですから。」

「なんかその言い方、僕が匂いフェチの助平親父みたいで嫌だなぁ。」

政光は顔をしかめながら嫌そうに言う。


「まぁ、でもこれでやっと美緒さんを発見してやっと第一段階終了ってとこですね。あとは依頼主様のご期待に沿えるよう、出来る限りご要望にお応えしなければいけませんが、それもなんとかなりそうですよ。」

「ってことは早ければ明日には任務終了って事になるのか。折角の温泉宿なのにもう少しゆっくりしたかったなぁ。」

通りすがりに温泉を見つけたら時間が許すのであれば、入浴して行くほど温泉が大好きな政光は心の底から残念そうに言う。


「まぁまぁ、依頼主様のお気に召さなかった場合は数日余計に滞在する事になりますからね、失敗した場合のお楽しみとしましょう。」

義経は食後のコーヒーを飲みながら予定を政光と確認する。


「まず、お友達の家に美緒さんが居るかの確認、その後に山鼡氏が古物を買い叩いた旧家の見学、その後は最初に寄った公園のすぐ近くに市民図書館と、大学付属図書館が在りますから鍋島家の資料を探します。」

「図書館で鍋島家の資料を調べるのかい?美緒ちゃんと夫人が見たという『猫』が、やっぱり『鍋島化け猫騒動』に関係してくるんだ?」

「ええ、今回の騒動と化け猫の関連を上手く説明できるようにしておきたいんです。山鼡氏は疑り深そうですからね、彼の愚かさを解らせる為にも必要です。」


予定を確認し終えた二人が時間を確認すると朝の9時になる頃だった。

部屋に戻り荷物を纏めるとチェックアウトし、駐車場に停めたレンタカーへと乗り込んだ。そして車を走らせると10分と掛からずに防犯カメラに美緒の姿を捉えたホームセンターへと辿り着いた。


朝8時から営業しているホームセンターの駐車場の隅に車を停め、店内に入る前にカメラの位置を確認した。こういう店は駐車場内で事故を起こした車や、万引き犯の車のナンバーの確認の為に出入り口にピントを合わせたカメラが在る。

そのカメラに歩道を歩く美緒の姿が映っていたのだ、車のナンバープレートが確認できる解像度なら、まず人違いと言う事はあるまい。


店内で数点商品を購入して外に出るが、車には戻らず歩道へ出て北へと進む。

そのまま少し歩くと民家が点在する一角にある美緒の友人の家へと辿り着く。

少し離れた場所に怪しい車が停車していた、社内には男が二人乗っているのが解る。義経と政光はさりげなく家の前を素通りした。


「あれ、警察関係の車でしょうね、ちゃんと張り込みしてるんですね。」

「そりゃ、父親が気に喰わなかろうと捜査は捜査で別だろうからね。」

「・・・で、どうですか?」

「んー、備後。彼女居るよ間違いない。」


匂いからすると特にストレスを感じている訳でもないようだ、監禁されているのではなく、やはり自由意思でここに潜んでいるのだろう。


「とりあえず無事は確認できました、次は旧家を確認しに行きましょう。」

二人は来た道を戻らずにそのまま歩き、角を幾つか曲がってホームセンターの裏手に向けて駐車場へと戻り、レンタカーに再び乗り込んだ。


────────────────────


目的の旧家は街から少し離れた山間の小川沿いにあった。

広めの敷地に古民家と言った風情の建屋がある、武家屋敷と言う雰囲気ではなく、商家やこの辺りの地主と言った所か。道路から見ても古い大きな蔵が在るのが解る。


「あの蔵の片づけとなると、結構な量の古物がでたんだろうね。」

「相場よりかなり安く買い取ったんじゃないですかね?あの人強欲そうだし。」


そういう人に恨まれるような事してるから、災いが向こうから手薬煉引いてやってくるんですよ、と義経は呆れたように言った。


「さて、あとは化け猫の由来です、最初の公園まで行きましょう。」


二人はこの日最後の目的地、大学付属図書館へと向かった。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ