第二十四話
「にーちゃんのことを思い出したとしても、小夜の問題は変わんねえんだよな、」
もういっそにーちゃんみたいに逃げてしまいたい、と思っている所で、家に着いた。
今日って姉さんいるっけ。そう思いながら、扉を開けて家に入る。
「ただいまー」
いつも通り、返答は返って来ない。
母さんは料理、父さんは仕事。姉さんは深夜のための兵糧集めか、あるいはバイトか。
そんな所だろう。
姉さんの兵糧集めを思い出し、ふと、エナドリでも買ってくれば良かった、と後悔しても遅い。
帰って来てしまったからには、しばらくしてからではないと怪しまれてしまう。
ましてや姉さんならともかく、夜限定でインドアを極めたおれの場合は、しばらく経っても夜に外出をする、というだけで怪しまれる。
結局、夜に帰ったらもう外には出られないのだ。
親が心配するから。
今思えば、それもにーちゃんのときのことがあったからなのだろう。
異常、とまでは行かないものの多少過保護な傾向があったのも、おれが休日に外出から帰ってきた時に安堵の表情をしていたのも。
そんな親がいるはずのリビングに入る。
そこには明るい部屋の中、たったひとりで下を向く母さんがいた。
「ただいま。母さん、どうかしたの?推しの引退とか?」
この間推しが活動休止する、というニュースを見た母さんが酷く落ち込んでいるのを見たことがあったので、今回も推しに関連することで何かあったのかな、と思う。
「てゆーか父さんも姉さんもいないんだ。珍しいね。」
精神不安定になりやすい母さんをあまりひとりにしない、というのは最早うちの暗黙のルールとなりつつある。
それを知ってか知らずか、母さん自身もあまりひとりになりたがらない。
そんな母さんが、父さんや姉さんが帰ってきてもおかしくない時間に、家にひとり。
姉さんも、父さんも、誰かと出かけたり、用事があるときは絶対に朝食のときに言うはずなのに。
「夜那が…帰ってこないの、だから、お父さんが探しに行ってて、」
か細く、そして小さい声で母さんが言った。けれど家自体が静かなせいか、やけにはっきりと聞こえた。
その言葉で、母さんが悪夢の再来を考えていることは一瞬でわかった。
母さんにとっては、にーちゃんも、姉さんも、そしておれも、お腹を痛めて産んだ子だ。
さぞ心配なのだろう。
「姉さんが?待ってたら戻ってくるかもしれねぇし、待ってようぜ。」
明るい口調を意識して言った。
けれど、なんともないように振る舞うのは、やっぱり苦しかった。
もう疲れたぁぁぁ
明日からも頑張ります。
thank you for wating!!
seeyou next time!
スペル間違えてたらごめんなさい。




