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男と女の舞台!


「なによーアンタ、なんなのよー!」

女性の金切り声が半径10メートル以内の人たちの耳をつんざく


1人残らずその声の方を見た


案の定というかなんというか、


例の不倫関係者一同様(夫、妻、愛人」)たちであった


妻的立ち位置の人の堪忍袋の尾が切れたようである

そりゃ、目の前で夫が愛人といちゃついてたら腹も立つであろう


「ついに始まるのね…!」


梨乃さんとこまちちゃんは手を取り合い固唾を飲んで、今から始まるであろう愛憎バトルの様子を見守る


「大人のショータイムだなぁ、ふふ」

半蔵さんは超他人事発言 


三郎さんは買おうとしていたお土産を一旦棚の上に戻した(しぶしぶ)



トライアングルを描いて睨み合う3人

ホテルのロビーの豪華な赤絨毯が舞台感を出している

お芝居を見ている気分になるのもわからんではない


「りょ、良子…」

不倫旅行が見つかっちゃった夫は、分かりやすいぐらいにガクガクして動揺している

それどこの汗腺から?てな汗が頭のてっぺんから、暑くもないのにダラダラ流れ落ちていた


「人間って本当に驚くと膝が震えるんだなー

あと、奥さん良子さんか」

秀治さんは冷静に観察している


一方幸子(愛人)は、意外なほど堂々としいて、正面からまっすぐに正妻を見ていた


幸子的には、いつかこんな日が来ることは分かっていたのだろう

覚悟があった


一方、男の方は何故か浮気は妻にバレないと信じていて、バレた時に激しく動揺してしまうのだ


全てを人生経験から分かってしまう梨乃さんは

「ふっ………男ってホントどうしようもないわ…」

と微笑んだ


「アナタ!やっぱり浮気していたのね…

酷い裏切り…

子供たちもまだまだ…11歳と9歳なのよ⁈

なにやってんの、アナタ…」

妻・良子の瞳から涙が溢れた


不倫旅行を追いかけるにあたり、妻として美しく見せたいがためにバッチリ決めたアイメイクだったが、

華厳滝のような涙は韓国製の強力ウォータープルーフをも溶かして落ちていく


「…泣かないって決めてたのに…」

その言葉で、梨乃さんとこまちちゃんはもらい泣きしそうになった

分かるよ分かる分かるわぁーーと、今すぐ肩を抱いて語り合いたい、そんな気持ちだ


夫め…圧倒的悪…!ばーかばーか!


「こここここれは違うんだ、誤解なんだ!」


『なにが誤解よ?』


おおっと、妻と愛人がシンクロして叫んだ


「私のこと愛しているんでしょ?だから2人で旅行してるのよね?

奥さんとはいつかなんとかして別れるって…」


「ちちち違う!」


「違う?」


「離婚したいの、アナタ?」


「ちち違うんだって!」


「じゃあ離婚したくないの?この女とは遊びなの⁈」


「いやだぁかぁらぁーーー」


もはや夫は支離滅裂思考停止絶体絶命四面楚歌


この大ピンチを無傷で乗り越える術は、宇宙まで探しに行ってもどこにもないだろう


もはや「逃げる」という選択肢しか残っていなかったのか、

夫は外に逃げようとした


『まてっ!』



意外にも、声を上げたのはイケおじだった


赤の他人の静止を聞くはずもなく、夫はエントランスのガラスドアに手を掛けようと…



バーーン!!!!


視界が一瞬暗くなり、ホテルの入り口に


巨大な


ドデカい


焼きホタテみたいな怪物が現れたのだ!!







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