安心できる場所
「ほーら、アルトくんパパですよ〜」
「あうあうあ!!(やめてくれ!!)」
「あらあら、おしゃべりしてご機嫌でちゅね〜」
「ばーぶぅ!!(ちがーう!!)」
むにむにとほっぺを遠慮なく突いてくるのは金髪に翠の瞳をした男性と、これまた金髪に碧い瞳をもつ女性。
この両親からだと相当な美形に生まれるであろうそんな容姿をしている2人が目の前にいる。
これが前世の記憶を思い出し、自身が転生したのだと気づいた瞬間だった。
そして同時に女神との会話を思い出した。
【確認ですが、___さんはあの時こうしていればと思ったことはありませんか?】
「そんなのたくさんありますよ。小さい頃もですけど、大人になってからも」
【なるほど、わかりました!】
「...なにか変なことしようとしていないですよね?」
【へ?そんなことないですよ!】
あの時の女神様、いい表情してたなぁ
前世とは違う両親の溺愛っぷりにはじめは驚いたけれど、多分女神がなにかしてくれたんだろう。
初めて感じる両親の温もりに心が癒されていくのを感じる。
ちょっと愛が重たすぎる気もする、なんて思う日がくるなんて想像すらしていなかった。
ただただ女神に感謝である。
「あらあら、アルトくんご飯の時間ですよ〜」
「あうあー...(ごはん...)」
「うーん、いつもご飯の時になると少ししょんぼりしている気がするのよね〜、どうしてかしら」
母が胸元をゆるめて母乳を飲ませようとする。
邪な気持ちは全くと言っていいほどないけれど、大人だった身としては少し恥ずかしいのだ。
そして本能には抗えない。
「...げぷっ」
「上手にできてえらいでちゅね〜、今日もいい飲みっぷりだわ〜」
「あいー!(美味しかった!)」
「ふふっ、ご機嫌さんね〜飲む前もそうだといいんだけれど〜」
許してくれ母よ。
溢れんばかりの愛情を注がれながら、今日もすくすくと育つのであった。




