それでいいのか
【お見苦しいところを何度もすみません...】
少し時間をおいて落ち着いたのか、目元を赤くしながらそう女神が言った。
明らかにしょぼくれてるよな...別に困らせたいわけじゃないんだけどね。
【どうしてもいらないとおっしゃるんですか...】
...そんな瞳をうるうるさせなくても。
容姿と相まって破壊力がすごい。
なんでも許してしまいそうだ。
まぁ、せっかくここまで言ってくれているわけだし...これならどうだろう。
「だったら、初めからスキルなりなんなりを付けるんじゃなくて、努力すれば必ず報われるようにしてもらうのは難しいですか?例えば、剣術スキルが存在するならたくさん鍛錬することで取得できる、とか」
言ってみたけど普通にチートをもらうよりもすごいこといってしまったんじゃ...
でも、私の不安は要らぬ心配だったようだ。
【へ...そんなことでいいんですか!?もちろんできますよ!】
「え、いいんですか?結構すごいことお願いしたと思うんですが...だって努力さえすればなんでもできるようになるんですよ?」
【そうですね!でも本人の努力次第なので絶対にスキルが取得できるってわけではないですからそこまですごいことではないですよ】
なんと通ってしまった。
焦っている私がおかしいのか?
割と破格なお願いだったと思うが、駄女神だしなぁ
そんな考えがまた表情に出ていたんだろう。
【あー!その顔は信じていませんね?ちょっとまっててください、すぐに済みますから】
そう言って何もないところを注視しながら指をかたかたと動かし始めた。
もしかして、タイピングしている!?
まさか女神様が事務仕事しているところを見られるなんてなんと言っていいのやら。
カタカタターンッ
そんな音が聞こえてきそうな仕草をした後、女神は満足げに頷いた。
【今、上司と連絡をとりましたがすぐに承認が得られましたよ。これで___さんが転生する際には、努力した分だけ実を結ぶ、《実りの加護》をおつけすることになりました】
この部下にしてこの上司あり。
異動したてなのにあまりにも似た物同士。
そんなすぐに承認してよかったのか、上司さんよ。
まぁ、いいって言ってくれているんだし、ありがたくもらっておこう。
「女神様、ありがとうございます」
そういうと女神はここ1番の笑顔で応えてくれた。




