事情
【あ!自己紹介がまだでしたね】
はたと気づいたと言わんばかりに瞳が大きく開かれた。
【改めまして、私は___さんが暮らしていた世界とは違う世界を担当しています、女神アルシアと申します】
よろしくね、とにっこり笑う女神様。
うーん...やっぱり残念感は拭えない。
拭えないけれど、ここで問いかけても仕方がないか。
「___です、よろしくお願いします」
無難にそう返した。
やっと本題に入れるわけだ。
そしてそのまま女神にこう尋ねた。
「女神様、あなたが私をここに呼んでいたんですよね?それはどうしてなのか、ここはどこなのか、説明していただけますか?」
すると、先ほどの表情が一変。
その瞳からは滝のような涙が溢れてきた。
えぇ....女神様.....
ゴンッッ!!!
【す、、、すみません!!!!私の手違いであなたを死なせてしまいました...!!!】
頭を下げた勢いでテーブルからはものすごい音がした。
顔を上げた女神の額は赤く色づいていたが痛がる様子はなく、やはり涙は溢れたままだ。
そしていつの間にか茶器とお菓子は消えていて、先ほどの衝撃で大惨事にならなかったことにホッとした。
「手違いというと...?」
【は、はい!元々は___さんのそばに居た男性の方がお亡くなりになる予定でしたが書類が入れ違いになっているのに気づかず...】
初めは勢いのあった女神の言葉がだんだんと尻すぼみになっていく。
なるほど...そうして私はここに呼ばれたのか。
一人で納得していると、女神の瞳がおろおろしているのがみえた。
おっと...もしかしてこれだけじゃない...?
また表情にでていたのか、女神とバチっと目が合うとバッと目線を逸らした。
当たりかぁ...
でも、これは流石に見逃せないな。
「もしかして...それだけじゃなかったりしませんか?」
目に見えてわかるぐらいに女神の方がビクッとなり、そしてまた...
ゴンッッ!!!!!!
【も、申し訳ありません!!!___さんには何故か生まれた時から悪意を呼び寄せる体質になってしまっていたのです】




