わからないこと一個ずつ 1
✴︎少し編集しています。
私のいるベッドから数センチほど浮いている。
「...ようしぇいしゃん?」
〔ーーっ!...妖精ではないわ、私は精霊よ。それも特別なね〕
そう、特別だからあなたが魔力感知を覚えたおかげではっきりとした姿で会えるようになったのよ、とそう言って、くるっとその場で回ってみせた。
〔あと、光って名前気に入ったからこれからも呼んでね〕
パチンとウインクする光。
うーん、この精霊から女神と同じ匂いがするのは気のせいだろうか
ーーいやいや、仮にも命の恩人。
可能性だけで決めつけるのはダメだ。
〔アルト?〕
黙り込んでいる私を心配したのか光が顔を覗き込んできた。
あまりの近さにベッドの上で慌てて後ずさる。
「にゃんでもにゃい」
慌ててそう返すと、光は目を見開き胸を抑えて悶え始めた。
〔うぅ...やっぱりなんて可愛さなの!!〕
なにやらボソッと呟いている。
え...?
「だいじょーー」
〔問題ないわ!それよりも!〕
バッと勢いよく顔を上げ空いた距離をずいっと詰めてきた。
おおう...この切り替えの速さあの女神と一緒だなぁ
〔また無理しないか心配だわ。次も助けられるとは限らないし...そうだわ!こうしましょ!〕
〔アルト、この子に魔法のことを教えてもらいなさい。さっき言ったように私は特別だからそう頻繁にアルトの側にこられないしこうするしかないわ〕
ころころと変わる表情。身振り手振りに忙しそうだ。
勢いに圧倒されていると、どうやら結論が出たらしい。
〔おいで、エリー〕
そう言って、光がパチンと指を鳴らすと、ベッドの側にいつものハウスメイド型精霊さんがどこからともなくふわりと現れた。
〔ふわっ...え?〕
いつものメイド服ではなく、寝癖のついた髪にゆるい部屋着姿はみるからに寝ていたところを連れてこられた様子。
しかし、状況を把握すると、パッと一瞬でいつもの姿に早替わり。
ーーこの精霊オンとオフしっかりするタイプだ。
〔こ、こんな夜中に、と思いましたが……そうですか、やはりあなた様でしたか〕
恐縮した様子のエリーが、光に向かって深く膝をついて礼をする。いつも淡々としている彼女が、見たこともないほど緊張して震えているのが伝わってくる。
大人に傅かれる少女。
構図的には異様だけれど、光の存在感が強すぎて違和感が全くない。
(なるほど……)
エリーのいつもの視線は光が原因か。
なんでこの子からあの精霊の気配が?みたいな感じだったんだろう。
実はちょっとエリーの視線が怖かったりした私。
解決してよかった!
〔いいのいいの、堅苦しいことはこの場では一切不問とするわ〕
さぁ、座っていないで立ちなさい、と付け加え、光はエリーへと向けていた視線を私に戻した。
〔さてと。アルト、この子のことは知っているわよね?〕
「うん、えりーしってう」
こくり、と頷いて見せる。
いつも私のお世話に来てくれるのは、他ならぬエリーだからね。




