お寝坊さん
ーーかなり眠っていたようだ。
次に目が覚めた時、私は3歳になっていた。
どうやら魔力回路を開通させる時に身体へ負担をかけすぎてしまったらしい。
幸いなのはここまでの成長の記憶はしっかり残っていること。
私としての意識だけが深く眠っていただけのようだ。
寝たきりになっていなくてよかった...
でも、そうか...3年もたってしまったのか。
〔あー!やっっと起きた!〕
記憶よりも少し大きくなった光の玉をみて、私は驚きと共に、安心感を覚えた。
〔あの時、本当はあの身体で魔力を通すのは自殺行為だったんだけど頑張っている子をみたらつい応援したくなっちゃって。だから、ほんのちょっとだけ眠るように調整したはずなんだけど、人間の体ってこんなに時間がかかるのね〕
この光が何かしてくれていたようだ。
助けてくれたのか。
そういうことなら感謝せねば。
「ひかりしゃん、ありあと」
まだこの身体はうまくしゃべれないらしい。
うーん、私の3歳の頃もこんな感じだったか...?
〔へ...ひかりしゃんって私のこと!?...ふふ、頑張っている子は特別なんだから〕
〔あ、ちなみにあなたの魔力だけど、同じ歳の子に比べると相当多くなってるからね〕
...!!よかった、あの頑張りは無駄ではなかったみたいだ。
努力は裏切らない、なんて素敵なことだろう。
でもまぁ、無理は禁物ってことだ。
今度からは土台作りをしっかりしないと。
これからも将来のために頑張るぞ!
現状も大体わかったことだし、疑問を解消していこう。
「ひかりしゃんきいてもい?」
〔ん?どうしたの?〕
「ひかりしゃんはないもにょ?(何者?)」
〔ふふ、よくぞ聞いてくれました!〕
そう言ってポンッと音を立てて光が弾けた。
あまりの眩しさに瞳を瞑る。
そうして目を開けると、そこには少女の姿があった。
ほんのりとした光を全身に纏い、あの女神を彷彿とさせるような衣、背には透き通った四対の羽。
〔この姿でははじめましてだね、アルト〕
そう言って光はふんわりと微笑んだ。




