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どこまでもモブだけど主人公になりたい佐藤くんがかっこいいことを私だけが知っている【青春】  作者: 大山小水


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第十七話 立候補

生徒会の立候補開始日から一週間。生徒会選挙の大体の立候補者が出揃った。


隣の彼の呟きが心に残っていた私は、お昼休み、真衣と里奈と一緒に少し混雑していた立候補者一覧が張り出されているところへ見に行った。


少し遠くからも、少しざわざわしているのが聞こえる。


『この佐藤って一年誰だよ』


『えっ、お前知らないのか?あの、いますごい面白いって話題の一年だよ。シンデレラって聞いたことないのか』


『あー、あれね。知ってる知ってる。入学初日に確か例のやばい二人に捕まってたやつか』


『え、それは知らなかったわ』


『おやおや、御二方、その『やばい二人組』とはもしかして僕たちのことでしょうか?すごい心外な誤解を招いているようなので、しっかりと説明しないといけないようですね、氷室さん』


『そうね、芥川君、ちょうどいい薬品をちょうど仕入れたところだわ。少し服用するだけで短期記憶を消せるものだけど、ちょうどいいかしらね。経過観察もしたいから、放課後に実験室でやるのはどうかしら』


『おお、そんな摩訶不思議な薬品が。では、僕の方は舞台を用意しましょう』


そんな喧騒が聞こえてきたが、きっとなんかの冗談なのだろう。第一、そんなマッドサイエンティストみたいな人が実際にいる訳ないはずだし。


そんなことを思いながら張り紙の前にやってきた。


その張り紙の上の方にはこのように書かれていた


ーーーーーーーーーー

20〇〇年度 △〇高校 生徒会役員候補一覧

以下の者は、それぞれ役職の役職に立候補期間に立候補を届け出た者である。


会長

二年 斉藤 奏

二年 福井 純也

一年 佐藤 裕樹


副会長

二年 〜〜〜〜


ーーーーーーーーーー


「ほうほう、例の佐藤くんがここでも出ているのか。目立ちたがりもここまでするとむしろ感心しちゃうね。アハハハハ!」


「でも、会長にいきなり立候補するのは少し無謀じゃないかしら。経験不足と思われてしまうかもしれないし、先輩方も、あまりいい感情を抱かないんじゃないかしら」


確かに里奈の言う通り、いきなり入学したての一年生が会長に立候補をするのは無謀だと思う。


別に、生徒会の役員になりたいのであれば、もっと副会長とかで良かっただろうし、調べてみたところ、別に選挙に出なくても学生証にある生徒会会則には『庶務は生徒会会長が四名まで自由に指名できる者とする』とあるので、当選した会長に頼み込んで生徒会に入るのでもいいだろう。


なんで彼がそのような無謀なことをおこなったのか、疑問がぐるぐると頭を巡りながら、教室へと戻った。


◇◇◇◇


水曜日の放課後、漫研に行った。


いつものように小柳先輩の奇行を止めながら、先輩に少し気になっていたことを尋ねてみた。


「先輩って、どうして生徒会選挙に出ないんですか?なんかいつも私がくる時にやっていることみたいな感じで『学園ものの描写の一部で体験したいから〜』とかないんですか?」


「あれ?言ってなかったけ?私すでに、生徒会やってたよ」


えっ。


「えっ。いま、なんて言いました?」


「だからすでにもう生徒会はやったって。まあ、もうやらなくていいかな。それがどうかしたの?」


「いや、なんでもいいんですけど、先輩が前に勧誘しようとしていた佐藤くんが生徒会選挙に出ていて、どのようなものなのか少し気になって」


「それでなんとなく聞いてみたら、経験者がいて、驚いた訳だね。なんでそんなにその子のことを考えていたのかすごくききたいけどとりあえず、知りたいことに答えてあげようか」


「えっと、まず先輩っていつごろにどの役職にいたんですか?」


「えーと、一年の五月から十一月までの六ヶ月間、副会長をしていたかな。私の時、私が友達を誘って一年生が立候補してたからか、結構当選しやすかったけどね。でも例年は、この時期は基本的に一年生は様子見なんだって、だから今年彼以外はほとんど二年生だったでしょ?毎年そんな感じで、一年生は庶務って言う形で七月ぐらいまでに会長がちょっとずつ勧誘していく感じなんだって」


「じゃあ、佐藤くんは結構無謀なことをしているってことですか?」


「いや、それはわからないよ。私だって当選してたし…。でも、確かに二年生二人相手に戦う、しかも会長戦でとなると、ちょっとねぇ。まあ、二年生の立候補している子の片方は去年私が一緒にやろうって言った友達なんだけど、そんなに選挙に弱い子じゃないんだよねぇ」


「じゃあ、佐藤くんは負けちゃいそうなんですか」


「いや、さっきも言ったけど、可能性はゼロじゃないよ。ただ、ちょっと難しいかもね」


「そうですか」


「そうだけど、私たちができることってあんまりないからね。でも、彼みたいな子がここで選挙に負けて、生徒会の楽しさを味わえないのはちょっとかわいそうかもだねぇ。…ちょっと、少しだけ……」


「先輩どうしたんですか?」


「あ、ごめんごめん、少し考え込んでいただけ。じゃあ、活動を始めようか」


「はい!」

小柳先輩何者?


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