第十四話 ショッピング!
先週の木曜日の学食の時にいく約束をして、学校の最寄りの駅の改札前に十時に集合することにしていた。
普段制服の姿だけしか見ていない二人がどんな姿をしているのか、少し楽しみだが、それよりも待ち合わせで見つけられるかが少し不安だった。
とりあえず十分前に改札前に着いたので、LINEを送っておく。
『いま、着きました。駅の改札の前のコンビニの前にいます(写真)』
『ええっ、もう着いたの?まだ電車の中にいるからあと五分かかる!ごめんね!!』
『気にしないで、まだ予定の集合時間まで十分もあるから』
真衣に返信していると、横から声がかけられた。
「見つけたわ」
「あっ、里奈。おはよう」
どうやら近くにいた里奈は、全体的に落ち着いたモノトーンのコーデで、普段はまとめている髪を今日はおろしていた。
「里奈、髪おろしてるのめっちゃ可愛いね。一瞬誰か分からなかったよ」
「……ありがとう。普段と違うから、少し落ち着かないのだけれど」
里奈は少し照れくさそうに、おろした髪の毛先を指で弄った。
「あなたがLINEを送ったタイミングで私もちょうど駅に着いたからちょうどよかったわ。それにしても、今日は少し暑いわね」
「そうだね。もうなんか夏っていう感じもしちゃうよね、このぐらい暑いと」
「まだ初夏にも差し掛かっていないのに、最高気温が25℃を超えるとかなり暑苦しく感じるわね。二季化が進んでいるのかしら」
「二季化?」
「二季化は春と秋が短くなって、夏と冬が長く続いて、四季だったものが二季に減ってしまうことよ」
「へぇ〜。じゃあ、ちょうど過ごしやすい時期がなくなっちゃうね」
「そう。急に暑い時期や寒い時期が来るから、体があまり慣れていなくて、体調を崩しやすくなっているから注意が必要ね」
そんなやりとりをしていると、遠くから小走りで向かってくる人影が見えた。
「ごめ〜ん。待たせた?」
真衣が少し息を上げながらやってきた。真衣は全体的に明るいコーデでキラキラJKのようにすごい陽のオーラを発していた。髪は後ろでひとまとまりにしていて、普段つけていないしっかりとした香水をつけているようだ。
「真衣おしゃれだね。それに、なんか今日、いつもと違う香水つけてる?」
「あ、気づいた?なんか今日友達とお出かけに行くってお姉ちゃんに言ったらこれくらいつけときなさいって言われたからつけてきたんだ。なんか変だったりする?」
「いや全然。むしろいい匂いだよ」
「そう?ありがとね。そしたら早速行こう!」
そうして、真衣がいつもと同じく明るく私たちの先頭を切ってショッピングセンターへと向かった。
◇◇◇◇
ショッピングセンターは外に比べ少し涼しかった。
少し調べてきたところによると、三月にオープンしたばっかだそうで、新築の建物独特の塗装やモルタルの匂いがほんのりと感じられる。
そういうわけもあってか、少し混雑しているみたいだ。
「最初にさ、どこから行く?」
「私はどこでも…」
「少し外が暑かったから最初に少し冷たいものを食べるのはどうかしら」
「いいね、腹が減っては戦はできぬともいうし、巡る前に少し腹拵えといこう!じゃあ、ついてきて」
エスカレーターで降りて地下一階へとやってきた。
「ここが主に食事処が集まっているフロアのようね」
「いい匂いがするよね!」
「じゃあ、何食べる?」
私はそう聞くと、みんなでぐるぐると周りの店を見始めた。
「あのアイス屋さんは人気のやつで、ここら辺に初めてできたやつだよね」
「確かにここら辺ではあまり見かけないけど、このクレープ屋さんは美味しそうだと思わないかしら」
「う〜ん言われてみたら美味しそうに思えちゃうなぁ。でもどちらも食べるのはちょっとね…」
「じゃあ、とりあえず今食べたいやつを選んじゃったら?」
そう私が言うと真衣は「ぐぬぬぬ」と非常に迷った末に「じゃあ、クレープにする」と言ったので三人でクレープを食べることになった。
真衣はいちごホイップ、里奈はバナナチョコ、私はキャラメルナッツをそれぞれ注文し、フードコートの席に座った。
「ねえ、せっかく三人違う味だから少しだけ食べさせ合いっこしない」
「それもいいけどちょっと待って。少し写真撮ってからでいいかしら」
そう言って、里奈がスマホ片手に写真を撮る。
「あっ、そうだ、せっかくだし三人で写真を撮ろうよ!」
「「いい(わ)ね!」」
私の提案に二人は二つ返事で、私のそばに寄ってきた。
「じゃあ、シャッターお願いね」「ささ、言い出しっぺが中心に!」
そう言って二人は私を中心に写真を撮るように促した。
「ええっと、私、自撮りしたことないんだけど…」
そう言って片手で頑張って、カメラを起動させ……
カシャ。
「じゃあ、食べ終わったら送るから、とりあえず食べようよ」
「そうだね、じゃあどうやってみんなで少しずつ味を分け合う?」
「最初の一口を分け合えばいいじゃない」
そう里奈が言ったので、お互いのクレープを交換し合った。
「キャラメルナッツ、おいしいね!」
「そうだね、キャラメルの甘さと生地のしょっぱさのバランスがちょうどいいわね」
「真衣のいちごホイップもおいしかったよ」
「そう?ありがとう!」
そんな感じでお互いのクレープのことを話しているうちにあっという間にクレープを食べ終えてしまった。
◇◇◇◇
「腹ごしらえも済んだことだし、どこから行く?」
「う~ん、こういうときってとくに優先順位がなかったら上にあるものから順に回っていくといいんじゃないかな?」
上から下に移動するのは割とと楽にできるが、下から上に登るのは心理的に大変なのだ。
「あははは、なにそれ?でも確かに特に順番もないし、上から順番に回ってみようか」
そうして私たちは上にあるものから順に見てまわって楽しんだ。
ちなみに本屋では、もちろんライトノベルのところは一通り品ぞろえを確認し、ちょうどまだ買っていなかった数冊を買ったのだが、洋書コーナーには、先輩が貸してくれた洋書もそこにはあった。
ショッピングモールは少し描写がむずかしい。




