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30話「持ち込みすぎないこと」
30話「持ち込みすぎないこと」
ある日。
新しい来訪者が、大きな荷物を持ってくる。
クッション、イヤーマフ、香りグッズ。
「……ここを、自分に合うように整えたくて」
その気持ちは、自然だった。
でも——
空間が少しだけ変わる。
他の人の動きが、わずかに制限される。
雫が静かに言う。
「……少しだけ、重くなったね」
透
「個別最適と全体のバランスですね」
ジュンはやさしく伝える。
「……持ち込むのは大丈夫です」
少し間。
「でも、“置きっぱなしにしない”っていうのはどうでしょう」
来訪者は考える。
「……共有、だからですか?」
ジュン
「うん。“自分の場所”でもあるけど、“みんなの場所”でもあるから」
真昼(手話)
「分ける」
宙
「風も“軽いほうがいい〜!”って!」
わらわら。
来訪者は少し笑って言う。
「……じゃあ、必要なときだけ出します」
その選択で、
空間がまた軽くなる。




