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『灯台荘』   作者: 浮世雲のジュン


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29話「ルールの影」

29話「ルールの影」


夕方。


共有スペース。


新しく書かれた“利用のお願い”が貼られている。


・静かに過ごしましょう

・他者への配慮を大切に


紗季がそれを見る。


「……必要だとは思うんですけど」



「……ちょっと固いね」


そのとき、別の利用者が立ち止まる。


「……守らなきゃいけないんですよね」


少し緊張した声。


空気が少しだけ硬くなる。


宙が言う。


「風がね、“ちょっとピリッとしてる〜”って」


ジュンは貼り紙を見る。


少し考える。


そして、ペンを取る。


書き足す。


——無理のない範囲で大丈夫です


その一文。


空気が少しやわらぐ。


透が頷く。


「強制から選択へ、ですね」


真昼(手話)


「やさしく」


絵凛


「ルールも、灯りみたいにね」


縛るためじゃなく、

“迷ったときの目印”として置かれる。

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