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25話「少しだけ動いた制度」
25話「少しだけ動いた制度」
数日後。
再び、小さな会議室。
前回より、少しだけ空気がやわらいでいる。
行政担当者が資料を見ながら言う。
「……前回のご提案ですが」
ジュンたちを見る。
「“制度と並べる”という考え方、内部で検討しました」
透が静かに聞く。
「結果は?」
担当者
「限定的ですが、“試験的な位置づけ”として認める方向で動いています」
一瞬の静けさ。
雫
「……それって」
真昼(手話)
「進んだ」
ジュンがゆっくり確認する。
「正式な制度ではないけれど……」
担当者
「はい。“連携拠点”という扱いです」
絵凛が微笑む。
「それで十分だよ」
担当者も少しだけ表情をゆるめる。
「……正直に言うと、完全に理解できているわけではありません」
少し間。
「でも、“必要とされている”のは伝わりました」
その言葉に、空気が静かにあたたまる。
宙
「風も“ちょっと進んだ〜!”って!」
ジュンは小さく頷く。
「……ありがとうございます」
記録には書かれないけれど、
確かに社会が、少しだけ動いた瞬間だった。




