23話「新しい来訪者」
23話「新しい来訪者」
数日後。
灯台荘。
午後のやわらかい光。
玄関に、ひとりの若い女性が立っていた。
少し疲れた表情。
でも、どこか決意もある。
絵凛が扉を開ける。
「こんにちは」
女性は小さく頭を下げる。
「……あの、ここ……」
少し言葉を探す。
「紹介されて来ました」
ジュンが出てくる。
「どうぞ」
女性は中に入る。
ゆっくり、周りを見る。
みかの光。
文子さんの湯気。
宙の笑い声。
透の静かな気配。
真昼のやわらかな手話。
女性の肩が、少しだけ下がる。
「……静かですね」
雫が小さく笑う。
「……うん」
女性は言う。
「……ずっと、こういう場所を探してました」
少し間。
「でも……なかなか見つからなくて」
湊がそっと言う。
「……わかります」
女性は、少し驚いて笑う。
「……やっと見つけたかも」
その言葉に、
空気がやさしく変わる。
宙が言う。
「風がね、“またひとり来た〜!”って」
文子さん
「お茶、どうぞ〜」
女性はカップを受け取る。
両手で包む。
少し目を閉じる。
「……あったかい」
ジュンは、その様子を静かに見ている。
——灯台は、またひとりを導いた
絵凛が小さく言う。
「jun さん、循環してるね」
ジュンは頷く。
「うん。ちゃんと回ってる」
夕方。
灯台の光が回る。
変わらないようでいて、
確実に広がっている。
来る人。
来ない人。
外で休む人。
別の灯台を作る人。
すべてが、それぞれの場所でつながっている。




