いつかまた、生まれ変わったら。
この回含めて、完結まであと2話となりました。
前回、前々回よりかは気持ちは楽ですね。書く身としてはw
加藤の母の取材から1ヶ月が経った。
私は無事、加藤唐助の記事を書き終えて、後は「アナーキー」で公開されることを待つのみ。
私は加藤と獄中で結ばれることを決め、先日加藤の方から私に書類が届いたばかりだ。
区役所に婚姻届を提出をし、今日は加藤の面会に行く日だ。
私は取材時のスーツではなく、今日は休みの日に秋葉原で買い物をする時と同じ私服で拘置所を訪れた。
加藤が私の姓を選んでくれたので、今は「瀬川唐助」になっているのではあるが。
面会室で待っている間、緊張が走る。
今回は取材の時の緊張ではなく、「夫婦」として初めての面会。
高揚という意味での緊張だった。
と、ここで加藤が……いや、ここはもう、「唐助」と呼ぶべきだろうか。
なにしろ肉体関係はなくとも、夫婦なのには変わりないのだから。
「あ、ああ。晴香さん。……わざわざどうも。」
「いえいえ、こちらこそですよ。」
「………いや……。まあ、ありがとうと言えばこっちの方だ。…正直ダメ元だったけど、受け入れてくれたんだよな? 俺の、あの気持ちを。」
「勿論ですよ。そうでなければ……わざわざ区役所から婚姻届なんて取りに行きませんよ。」
そうか、ならいいんだ、と一言言った唐助はというと、こんなことを聞いてきた。
「……お袋のところに……行ったんだろ?? 伽耶からの手紙で全部知った。」
「そうですか……。で、今の心境は?」
「……わざわざ殴るこたあなかったろ。アンタが俺のあの時と同じになってどうすんだよって思ったら笑っちまってよ……久しぶりに。……まあ、スッとしたからいいけどよ……。」
「アハハ……。確かにあの時はもう怒りの感情で頭がいっぱいでしたから……。」
加藤の心境を聞いた私は苦笑いを浮かべるしかなかった。
私としても思い出したくもない、恥ずかしい取材だったのだから。
見張りの刑務官も笑いを堪えているのが見えた。
「その……晴香さん。一個だけ……約束してくれるか?」
「はい。なんでも。」
「………どういう未来になるかは分からねえよ……。もうじき俺は地獄へ行くことになるからな。……でもさ……。その……なんて言うんだろ。いつかまた、生まれ変わったらよ……。その時は……俺を見つけてくれるか?」
「アハハハハ、なんですかそれ! ……こっちのセリフですよ。今度はちゃんと……結ばれたいって思いますよ。私も。」
「ああ、……ありがとうな。最近予感がするんだよな。……もうじき法務省から書類が来て、、俺が死刑になるって予感が、な。……だからもう会えねえかもな。そう思って言ったんだよ。」
「そう…ですね。いつになるか分かりませんけど……。最後、なんて言わないでくださいよ。唐助さん。また、会えますって。」
「そうだといいな……。ああ、アンタから貰った指輪……。大事にするわ。……俺のために買ってくれたんだろ?? 冥土の土産で、一緒に逝ってやるからさ。」
「それじゃ、、今日はこれにて失礼させていただきます。」
「………ああ。」
私は面会場を後にした。
その時に見えた唐助の顔は少し、寂しそうな目をしていた。
私はこの時は夢にも思わなかった。
これが今生の別れになると。
唐助が四週間後に死刑執行されることなど、思いもしなかった。
約四週間後。
法務省にて事態は動いた。
「……明日の昼、『加藤唐助』……いや、『瀬川唐助』というべきか。今は。……彼の死刑を執行する。」
「承知いたしました。すぐに手配します。」
法務大臣と閣僚のこの会話。
唐助の死刑執行が間近に迫っていたのだった。
その頃私は、唐助のことを記した記事が大反響を呼び、私の地元の八潮市で教育についての講演を行っていたのだった。
法務省の動きを何も知らずに。
最後はもう、超感動エンドにします。
明日、最終回を投稿します。
書きたかったことは全部もう、話の流れで書いたのですが、納得エンドに出来ればいいなと思います。
最後まで、この作品をよろしくお願いします。




