第9話 続・結婚相手は顔か中身か
林 : 結局、なんで顔の良さを結婚相手に求めるんだっけな
松野 : 最終章か
宮島 : まとめ?
松野 : 見栄とかじゃないの。知らんけど
林 : 街中でもさ、いいなあ……って思ったりするじゃん。美人連れて
松野 : それはまだ目線が外に向いてるからだな
林 : 外?
宮島 : (静聴)
松野 : 子どもができたら子どもにしか目行かないよ
宮島 : カップル目線→周囲 家族目線→子
松野 : そう
林 : 大人っぽいこと言いやがって
宮島 : 松野氏も子どもができる前は思ったりしたの?
松野 : どうだろうなあ。うちはできちゃったからなあ。
林 : そうだよ。カップル時期が短いから男のリアルな感情が欠落してるんだよ、君は。
松野 : でも、それ出かけてるときだけなんでしょ? 家にいたら見栄もなにもないだろ。
林 : それはまあ
宮島 : また究極の二択になりそう
林 : なるほど
松野 : なに、二択って。
林 : 見栄え最高で家庭内ではメンドイ嫁。見栄え普通で家庭的な嫁。
松野 : それなら後者だよ。あんたの「美人は結婚遅れる説」と同じじゃねえの
宮島 : 決まった
林 : ぐぬぬ
松野 : 身体も弱ってきてここが痛えとか言ってるときに容姿とか関係なくなるよ
宮島 : お医者さんに容姿求めないもんね
林 : 介護やん
松野 : 子どもできたら実際そんな感じだよ。協力し合わないとしんどいから
宮島 : 介護っていうか、互助って感じなのかな
松野 : そう。お互いガタ出てくるし。病気なんて誰でもするんだから
林 : じゃあさ、子どもはどうよ。美人の方が子どもの容姿も良くなりそうじゃん
宮島 : 女性が強いオスを求めるのも、本能的なことなのかも
松野 : それで言ったら外国人には勝てないよ
林 : 外国人かあ
松野 : 娘の同級生で超可愛い子いるもん。ハーフで。
林 : 通報だな
宮島 : ですな
松野 : そっちじゃねえわ。でも本当、お人形さんみたいでさ。聞いたらお母さんがスウェーデン人なんだって
宮島 : IKEA
林 : 北欧か
松野 : 顔の作りがどうとかっていうより、なにもかも違う感じするもん。身体のパーツというか
林 : 通報
宮島 : 待ったなし
松野 : でも思ったことあるだろ? それこそ街中とかで
林 : ある。スタイルとか髪質とか全部違う。
宮島 : 絶対勝てない
松野 : だから、なにを求めるかじゃないの。女でも容姿が絶対って人もいるだろうし。ブサイクな男は嫌だって。
宮島 : 顔ファンだと、喧嘩しても許せちゃうらしいね
林 : それは男女関係なくあるだろうな
松野 : 結局ほら、林が前に言ってた山登りのやつ。
宮島 : 「山登りに一緒に行け」
松野 : そう。だから、風邪引いたときに来て欲しい相手がいいよ、結婚するなら。
林 : ふけえ
松野 : 前に結石できたとき本当しんどくてさ
宮島 : 懐かしい
松野 : 随分嫁に助けられたよ
林 : こいつと結婚して良かったなあ、ってなった?
松野 : っていうか、一人じゃきつかったな
林 : 松野の奥さんって、松野が好きなの? こんなのが?
松野 : 誰がこんなのだよ。もはや好きとかじゃなくて、こいつにしっかりしてもらわなきゃ困るって感じでしょ。子どものためにも
宮島 : 境地が違いますね
林 : なんか俺らがすげえ子どもみてえじゃん
松野 : まあ、独身のときはそうだと思うよ
林 : 頭では分かるんだよ、松野が言ってることは。
宮島 : 確かに。
林 : 年取ると新しいこと始めにくくなるっていうじゃん。無駄に賢くなって。
宮島 : ストップかけちゃう
林 : そう。こんなことやってなにになるんだ病。
松野 : いや分かるよ、それも。俺は出来ちゃって強制的にこうなっただけから
林 : 年取るたび理屈で考え始めちゃうんだろうな。
宮島 : 結婚するなら早いほうがいいって、そういうことなんだろうね。あれこれ考えるより先に飛び込める感覚があるうちに。
松野 : でもさ、それはそれでとも思うよ。二十代はまだまだやりたいことある人もいるでしょ。夢追ってるとか。結婚がすべてじゃないんだし。
宮島 : 松野氏に聞いてみたかったんだけど、結局のところ、結婚生活って楽しい?
松野 : どうだろうなあ。結婚してなきゃもっと……って思うこともあるし、でも子どもは可愛いし……
林 : 数字にはできないか
松野 : 楽しい何割、しんどい何割とか? 難しいな。逆に、「今人生楽しい?」って聞かれたらどうなの?
宮島 : 確かに……
林 : 自由で楽しいって思いもあるけど、この先ずっと一人って考えるとゾッとするときもあるな
宮島 : 確かに…………
松野 : だからまあ数値化はできないけど、シンプルにはなるね、やることが明確になるから。
林 : それを不自由だとは思わないわけ?
松野 : 大変だなあとは思うけど、不自由とは思わないかな。前提になるから。
宮島 : 親から産まれてきちゃったし、っていうのもない?
松野 : どゆこと
林 : どうしたミヤジ
宮島 : いや、両親がいたから自分が産まれてきたわけでしょ。それを見てるというか、知るでしょ、長い時間かけて。そうすると、「自分も」という義務感、というか、使命感というか。
林 : 意外と深かった
松野 : 女はそれが強いよ。出産があるからだろうけど。だから林の言う、男と女の精神年齢の差もそこだろ。
宮島 : 毎月身体のこと気にしなきゃいけないわけだもんね
林 : 確かに俺二十代のときとか、ほとんど考えてなかったかも
松野 : 田崎も不妊治療大変って言ってたけど、結局男はなんもできないからな、出産に関して。サポートするくらいしか。
宮島 : 互助
林 : ってことか
松野 : んじゃそろそろ寝るわ
宮島 : おやすみ~




