第8話 結婚相手に一番求めるもの
宮島 : ご相談があります!
松野 : なんだ
林 : 金か
宮島 : 彼女と別れようと思っています! というか、別れました!
林 : え!
松野 : どうした
宮島 : ちょっときつくなっちゃって
林 : なにがよ
宮島 : 理由はいろいろあるんだけど、簡単に言うと、ちょっとメンタルがあれの子で
松野 : そっちか
林 : メンタルがあれって?
宮島 : 情緒不安定というか
林 : あー
松野 : 元々そうだったの?
宮島 : うん。それは知ってたんだけど、ちょっと一緒にいてきつくなってきちゃって……
林 : どれくらいの感じなの?
宮島 : ちょっと前までは薬も飲んでて
松野 : 精神科の?
宮島 : うん。漢方だけどね
林 : 程度が分からないな。ラインじゃ話しにくいだろうけど
松野: いきなり騒ぎ出したりとか?
宮島 : 暴力的になったりはないけど、感情的にはそれに近いかも。一緒にいるときは落ち着いてるんだけど、いきなり変なラインしてきたり
林 : 変なって?
宮島 : もう無理、とか、きついとか
林 : なるほど
宮島 : 寂しいとか、会いたいとかだったらまだ分かるんだけど、もう全部辞めます、とか
林 : ちょっと自殺を仄めかすような?
宮島 : そこまでじゃないんだろうけど……なんか、リセット癖っていうのかな。いきなり連絡途絶えたり、ブロックされたり。
松野 : ブロックされんの?
宮島 : ここで? っていうタイミングでいきなり。
林 : そのあと復活はすんの?
宮島 :するんだけど、そういうのが普通に繰り返されるから、こっちも辛くなってきちゃって。
松野 : そうなるきっかけみたいなのは、なんかあったの?
宮島 : 昔、彼氏にフラれてからそうなり出したっぽい
松野 : 嫌なフラれ方したとか?
宮島 : そこまでは分かんないけど、結構前の彼氏を引きずってる節があるというか
林 : それをミヤジに言ったりはしないよな?
宮島 : 言ってた
松野 : それは
林 : きついな
宮島 : だからもう無理かなって
林 : で、別れようって言ったの?
宮島 : 伝えました。
松野 : そしたら?
宮島 : 「わかりました」って一言。ラインで。
林 : そうかー
松野 : でも確かに心配だな
宮島 : 自惚れとかじゃなくて、引きずられたりしないかなって
林 : あー
松野 : 結局どんくらい? 付き合って
宮島 : 半年ちょっとかな
松野 : そうか。とりあえずまた飲み行こうぜ。
林 : そういうときの酒よ
宮島 : ぜひお願いします
松野 : まあミヤジは頭良いし浮気しないし、女からすりゃ優良物件だからすぐにまた相手見つかるだろ。林なんかより
林 : おい
宮島 : 松野氏の奥さんはメンタル強め?
松野 : どうかな? 強いかどうか分からんけど、年は上だからな
林 : 年上嫁最強説
松野 : メンタルはなんとも言えないからなあ。うちの会社でも休職してる子いるし。
林 : ズボラでメンタル強めと、繊細でメンタル弱めと、どっちがいい? 容姿も年齢も同じだとして
宮島 : 前者で
林 : 今はそう思うだろうな
松野 : 繊細でメンタル弱めって、いいとこなくね?
林 : いや、繊細だから家事とか完璧よ。炊事洗濯も、超絶できる嫁。
松野 : ズボラ嫁は?
林 : そりゃもう、ズボラもズボラよ。ウンコしちゃうからその辺に。
松野 : それズボラの次元超えてんだろ
林 : でもメンタル最強よ? こっちの親とかともすぐ仲良くなれるから。ういーすって。
宮島 : その感じいいなあ
林 : でしょ? こっちが悩んでても、大丈夫よあんた、あっはっはっは! z z z みたいな
宮島 : いいなあ!
松野 : でもウンコしちゃうんでしょ
林 : するわけねえだろ
松野 : まあ極端だけど、弱いよりは強い方がいいだろうなあ。健康的で
宮島 : そう、やっぱり健康的な人は魅力的だよね
林 : 生命力はいつの時代も共通のモテ要素だな。だから山登り行くといいんだよな
宮島 : ああ、一緒にね?
林 : そう、山登りしてるとさ、暑い疲れた足痛い虫キモいとか、いろいろあるわよ。そこで協力し合えるかで相性が分かるっていう。
宮島 : 確かに。あの子とは絶対行けない
松野 : やべえ。ふけえかも
林 : かも、じゃないんだよ松野くん。僕の話はいつも深いんだよ
松野 : いやさ、うちはみんなとスノボー行ってる関係で仲良くなったからさ
宮島 : なるほど!
林 : ほら!
松野 : みんなスノボーは慣れてても雪山だから多少あるんだよ、ちょっとしたトラブルっていうか、イライラは
林 : ほらほら!
宮島 : 普通の環境ではないもんね
松野 : 車がスタックすることもあるし、スキー場でなんか落としちゃったり、吹雪けば中級者でも大変だし
林 : ほらほらほらほら!
松野 : そういうとき普通に協力し合えてたのはでかいかも
林 : ほらほらほらほらほらほら!
松野 : うるせえよ
宮島 : 奥さんは松野氏のそういうところ見て信頼してたのかもね。
林 : この人なら中OKって?
松野 : 本当にうるせえわ
宮島 : マッチングアプリとか合コンじゃ分からないもんね。過酷な状況のときどうなるかとか
林 : そうなんです。なにもないときはみんな冷静で良い人ぶれるんです。それが一転、雪山なんか行けばね、そいつの嫌な一面が見れるんですよ。
松野 : それはあるな。
林 : 美人なんてそういうとき大変ですよ? 車スタックして直してるときとか、「まだー?」って中から言ってきますからね。
松野 : 殴るわ
林 : はい暴力ーDVくそ野郎ー
松野 : いや、まじで雪山は生き死にの問題よ、最悪。
林 : 都会なんてね、なんでも揃ってますからね
宮島 : 田舎育ちの人ってなんか逞しいよね
林 : 都会の女なんか虫除けスプレーだ日焼け止めだってうるせえだけでね。虫一匹現れりゃ大騒ぎですよ
松野 : でもあんた昔旅行いったときGが出て真っ先に飛び出てったじゃん
林 : 私は都会っ子ですから
宮島 : 松野氏イケメンだった
林 : 松野は田舎育ちだから
松野 : そんな変わんねえだろ。でもどうすんの? 結婚して虫出たら
林 : 出ないよう努めます
松野 : 旅行中に出たら?
林 : 嫁置いて逃げます
松野 : 最悪だわ
宮島 : 結構難しい問題かも……
松野 : お前ら田舎育ちの子と結婚しないとダメだな
林 : 田舎育ちでも虫嫌いな子はいるだろ
松野 : 基本みんな嫌いだわ。でも誰かがやんないとダメじゃん。
宮島 : 普通は父親……
林 : ズボラでメンタル最強嫁を探します
松野 : ウンコするぞ
林 : しねえわ!
松野 : あんたが言い出した設定だろ




