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第5話 男は一人の時間がないと死ぬ

 松野 : 今日めっちゃ大漁だったわ


 宮島 : これ全部松野氏が釣ったの?


 松野 : 俺一人じゃないけどね


 宮島 : 今日はどこ行ってたの?


 松野 : 九十九里


 林 : また釣りか


 松野 : 嫁みたいに言うな


 宮島 : 家族で行ったの?


 松野 : いや、釣り仲間と


 林 : 釣り仲間もいんのかよ


 松野 : 地元の連れだけどね


 林 : 松野ん家良いよな。自分の部屋あるから


 松野 : そこはこだわったから。


 宮島 : 書斎は男の憧れ


 林 : あれ書斎っていうか、ただの趣味部屋だろ


 宮島 : いろんなグッズがずらり


 林 : 釣りとキャンプグッズと。一歩間違えたらゴミ屋敷だろあれ。


 松野 : おい! 俺の憩いの場を。

 

 宮島 : 奥さんに「捨てろ」とかは言われない?


 松野 : 言われないね。それ言ったら戦争になることを知ってるから


 宮島 : さすが年上嫁


 林 : まるで子どもをあやすようだな


 松野 : 確かにそんなとこあるね。達観してるっていうか、諦めてるね


 林 : そのスタンスいいよなあ


 松野 : 楽っちゃ楽だね


 林 : だいたいさ、結婚して家建てるってときに、あんな趣味部屋みたいなの許してくれんのが良いよ


 松野 : めっちゃ強調したし。嫁も「でしょうね」って感じだったからね


 林 : いいなあ、年上の奥さん


 松野 : あんた結局なにが良いんだよ


 林 : それな


 松野 : それなじゃねえよ


 宮島 : いつも自分の部屋にいるの?


 松野 : 子ども寝たらだいたい自分の部屋だね。タバコも吸えるし。


 林 : いいなー。酒もそこで呑んでんの?


 松野 : 晩酌しながらゲームやってる。


 宮島 : 大人こども


 林 : どうせそこでオナニーしてんだろ


 松野 : それはそう


 林 : このやろう……(いいな)


 宮島 : 世のパパたちは普通ビデオボックス使うんでしょ?


 松野 : 金太郎ね。パパ友はだいたい使ってるね


 林 : なんか泣けてくるわ。風俗でもキャバでもなく、自分で抜くためにビデオボックスにまで行って……


 松野 : でもあれ利用する人の気持ち分かるよ。俺も自分の部屋なかったらって考えると、きついわ


 林 : あなた恵まれてますよ。自宅にビデオボックスあるんだから


 松野 : ビデオボックスじゃねえわ


 林 : ほぼそうだろ


 宮島 : 男は一人の時間ないと無理って言うよね


 松野 : 間違いないな


 林 : 俺同棲も無理だもん。ずっと誰かといるとか考えられないわ


 松野 : AV女優なら?


 林 : 最&高


 宮島 : ただの変態説


 林 : でも、ずーっと一緒って考えると憧れの女優さんでもきついかも


 宮島 : これはすごいデータ。あのリン氏がAV女優でさえ無理となると、男から一人の時間奪ったら終わりということを意味する


 松野 : ずっと一緒にいれば誰でも嫌になんじゃね


 林 : 松野もそうなの?


 松野 : 俺は自分の部屋あるから


 林 : もはやちょっとした家庭内別居じゃねえか

 

 松野 : でもある意味家庭内別居してるから、お互いストレス溜まんないわけよ。普通は喧嘩したら「出てく!」とかなるわけで


 宮島 : 説得力


 林 : あるな


 松野 : うちは一緒に住んではいるけど、同じ部屋にずっといるってことがないから、そんな揉めない。


 宮島 : でも女性は基本、ずっと一緒にいたがらない?


 松野 : そうか?


 林 : 彼女がそうなんだろ


 宮島 : (ノーコメント)


 松野 : まだ彼女若いからじゃね? うちは上だからか、あんまそういうのなかったな


 林 : やっぱ年上嫁いいな


 松野 : 確かに、趣味とかそういうのに口出しされないのは、いいのかもね


 林 : あなたはね、奥さんのありがたみが分かってませんね。相当恵まれてるぞ、いろいろ。離婚しろ。


 松野 : なんでやねん


 宮島 : でもなんで男は一人の時間がないとダメなんだろう?


 林 : 確かになんでだろうな?


 松野 : 林そういうの得意じゃないの。「男は一人の時間がないと暴発する論」とかないの


 林 : うーん、なんでだろうな。オナニータイムって言おうと思ったけど、それだけじゃないしな。


 宮島 : 松野氏にヒントがあるのでは


 林 : 男の方が趣味が多いからか? 男のロマンとは言うけど、女のロマンとかあんま言わないもんな


 松野 : そうかも。うちの娘は常に誰かといたがるけど、息子は一人でなんかやったりしてるからね、カード集めたり、なんやら


 宮島 : これも貴重なデータ


 林 : じゃあもう、先天的なものだな。男女の違いとして。それを突破しようとするのは領域侵犯だな。


 宮島 : 国際犯罪


 松野 : 俺も嫁の美容グッズとかに文句言わないからね。風呂とか洗面所にいろいろあって邪魔なんだけど。


 林 : そうだよ。しかも美容グッズは効果あるけど、あんたの部屋のガラクタなんか何の役にも立たないんだから


 松野 : 魚釣ったり山で料理できるだろうが!


 林 : スターウォーズのフィギュアなんか、なんの役にも立たないだろ


 松野 : もう離婚だ!


 宮島 : ってことになるんだろうね。現実の夫婦さんたちは。


 林 : やっぱ一人の時間は大事だな


 松野 : じゃあ、そういうのに理解ある人が一番良いんじゃね? 林もそうだけど、ミヤジも結構そうだよな。歴史関連とか、アベマで麻雀番組見たり。


 林 : ミヤジ結構昭和だからな


 宮島 : また麻雀やりましょう


 林 : ミヤジ彼女連れて来いよ。ちょうど四人になるじゃん。


 宮島 : 絶対無理……


 松野 : 二十八歳で俺ら相手に麻雀打てる女怖いわ


 林 : ああ、でも、それもない? 同じ趣味でも嫌っていう


 松野 : あるな


 宮島 : 同じ趣味じゃない方がいいの? でも恋愛って共通の趣味とかから始まることが多いのでは


 林 : そうだけど、なんでもかんでも趣味が同じだったら、それはそれで喧嘩になんじゃね?


 松野 : っていうか、趣味なんか全然違う方がいいね、多分


 宮島 : なんと。


 林 : でも松野はスノボーで仲良くなったんじゃなかったっけ


 松野 : そうだけど、それくらいよ。


 林 : 趣味も時間も適度な距離感ある方がいいってことだな。一個重なってるものさえあれば。

 

 宮島 : 真理。

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