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n.10 森にて兎狩り

シリアスなんてなかったんや!

そして更新遅れてごめんなさい!

*Side ナナ*


「あっつい…」

「これでも冷房は強めなんだけど?」

「私は暑がりなの…」

 ベッドの上で転がりながら愚痴る妹を横目に、データを取っておく。

 普通のプレイヤーと比べればいいデータが取れてる。さすがは私の妹だ。

「ねえ姉貴、森と山岳の特殊ボスに挑戦したいんだけどさ、やってもいい感じ?」

「別に構わないわよ。ただし証拠を残さないようにね」

「分かってるよ。判明するのは別の人が倒してからだよー」

 …この子だと本当にやりそうで怖いんだよねー。

 まあ、そうなったら面白いデータも取れそうだし、構わないかな。

 問題といえば、あまりにも強くなりすぎて手に負えなくなあることだけど…まあプレイヤーのみなさんには頑張ってもらおう。

「んじゃ、特殊ボスをサクッと倒して奥地に進むか」

「特殊ボスの扱いが…さすがにひどくない?」

「ま、草原のを見た感じだと結構強くなりそうだけどね。勝てない相手じゃないと思うし」

 …一応特殊ボスは強いはずなんだけど…。

 まあ天使、ラミア、精霊の三人が揃うなんて、さすがに特殊ボスでも想定されてないだろう。しかも全員最上級クラス。

 キャンサーだけは主精霊ではなく特殊精霊(正確には象徴精霊)なんだけど、それでも十分強いし。

 ちなみに象徴精霊とは、特別な属性を象る精霊にのみ存在する精霊で、特殊精霊のなかでトップクラスの実力を持ち、それぞれが何かを象徴する。キャンサーで言えば十二星座の一つであるかに座だね。

 とまあ、それも含めてミレニアは強いためおそらく特殊ボスでもすぐに倒してしまうだろう。不憫だけどこればかりはしょうがないね。

「ま、私は私なりのやり方でやるつもりだからね。ある程度進んだら、本来の役目もちゃんとやるよ」

「もう色々とやってるけどね。そうそう、悪魔や龍との連絡を取るんだったら、少しだけ助力できるけど、よかったら使わない?」

「へー、どんなの?」




「なるほどねー。ナムタルも暇してるだろうし、そろそろ本格的に動こうかな」

「ま、ほどほどにしときなさいよ。あんまりやりすぎても駄目だよ」

「問題なーしだよ。節度はちゃんと分かってるよ」

 ヘッドギアを装着し、再び戻っていくリリ。

 …心配だなぁ…でもあんまり過保護すぎても怒られるか。

 怒ったらちょっと怖いしなぁ…。


【フィールド:ライナーフォレスト】

*Side アイシャ*


 お久しぶりです。アイシャです。

 水人さんと二人で森の中を散策中です。

「これじゃないですよ。こっちのです」

「そうか。悪いな」

「いえ、お気になさらず」

 このゲームの森には、植物が多く生息しています。

 日当たりのいい場所には薬草のようなものが多く、陽が当たらない場所には有毒性のものが多いという設定になっているとのこと。

 また、有毒性の物の中には薬草類と酷似しているものがあり、知識が無いと見分けられないことも多いみたいです。

 そのため、スキルで〔藻類知識〕や〔毒物知識〕といったものが存在しています。〔鑑定〕なら全てに対応できますが、代わりにMPなどを消費しますね。

 私は、この知識系スキルの一つ〔医学知識〕を持っているので、毒の類はある程度見分けられます。もちろん毒の原材料となるものもです。

「少し休憩したほうがいいんじゃないか?」

「そうですね。疲れてきました」

 水人さんの言葉で、少し休憩を挟むことにします。

 水人さんが本を取り出して呼んでいるので、私は色々と確認しておきます。

 まだ矢には余裕もありますし、アイテムも持てますね。あと集めるものは…。

 かくかくしかじか、とありまして、散策を再開…

『グゥ…』

 …しようと思ったのです…けど、

『グゥゥ…』

 …何か、来ました。

『グゥゥ!』

「…もしかして、特殊ボスですか?」

「…そうだろな…」

 どうやら、特殊ボスがポップしたみたいです。

 …生きて帰れますかね…。

『グルァァ!!』


*Side ミレニア*


 …今の声、特殊ボスか?

「…今の聞こえた?」

「なんの声かな…狼とかじゃないよね?」

「鳥のようにも聞こえた…でも森に鳥が?」

 …まあこのゲーム結構おかしいバランスだし、声だけじゃ判断できないよね。

「…ま、見に行けばわかるでしょ」

 声の聞こえた方向は…こっちかな。

 うーん、さすがに負けることはないと思うけど、少しぐらい怪我するかな…?

 いや、大丈夫だと思うけどさ…ちょっと嫌な感じがする。

『グルゥゥ!!』

 …見つけ、た!

 し、しかもこいつ…兎!?

 アルミラージ…額に一角を持つ兎型のモンスターで、遥か昔から一部では知られてきているものだ。

 見た目は可愛らしいが、食欲旺盛で肉食、縄張り意識が強い。どんな大きな生き物でも角で付き殺してしまうという。

 さすが兎と言うべきか、動きが早い。しかも本来は兎にない凶暴性、好戦性を持っているためにかなり厄介であろう相手だ。

 …お前はさっき湧いたばかりだからお前の縄張りじゃないだろう、と私はひそかに思っている。

 ちなみに、角は刺されば確定クリティカルでまず確実に一撃死。生きてても出血か多出血は免れないだろうね。

 まあ、短所としては他のボスより防御力と体力が低いところだけどね。攻撃が当たれば、結構なダメージになるんじゃないかな。

『グルァ!』

「きゃっ!?」

 …おっと、忘れてた忘れてた。

 今回は知り合いの人もいるし、助けておかないとね。

「危ないなっ!」

 水人さんの作った大盾は、貫かれるも動きを止めることに成功した。

 …連携すれば、案外簡単かもね。

「キャンサーは正面をお願い」

「はいよー」

「ハツユキは、隠密から脚を狙って」

「了解」

 私は牽制で動きを抑制しよう。

 ショットやエッジなら、ある程度牽制にはなるだろう。運が良ければ当たるし。

 問題はMPが持つかだけど…。

「いっけ!」

 あ、それと、なんか頑張ってたら魔法の『モーション発動』が可能になった。

 詠唱が必要なくなって、腕や脚の動きで魔法を発動できるようになった。

 お陰で、腕を振るだけでエッジが飛ぶようになった。まあ慣れないと角度とか方向を間違えちゃいそうだけど。

『グルゥ!?グアァ!』

「み、ミレニアさん!?」

「援軍に来たよ!」

「すまん、助かる!」

 今ので、少しは削れただろう。

 …うん、でもやっぱりボスだけあって硬いね。

 しかし想定外だったなぁ…まさかまた共闘になるなんて…。

「キャンサー!1on1で勝負!あいつのスピードに追いつけるのあんたしかいないから!」

「りょーかいっ!」

 キャンサーに、アルミラージを抑えてもらう。

 うーん、早いとこアナライズとかがほしいなぁ…。そうすればこいつのステータスとかもわかるのに。

『グルゥ!!』

「ふっ!遅いよ!」

 …あの兎に追いつけるほどの速度って…私は目で追うのがやっとで、身体はついていけないよ…。

 SPEさえ高ければいいんだけど…。

「ふふん、行くよ!〔月影連打〕!」

 …そんなのやったら…ばれるよ!?(私も人の事言えないけど)

「そいそいそいそいそい!」

『グルゥ!?』

 ちなみに、月影連打とはCQCと爪と合わせた合成技だ。爪で刺して裂いてを繰り返す。EPを消費し続けて延々と攻撃し続けることが可能だ。もちろん消費量が半端じゃないが。

 …やりすぎないように、気をつけてもらわないとなぁ…。

「そらそらそら!どうよっ!」

「キャンサー、一度離れて!」

「はーい!もう一発、とっておきなっ!」

 最後にひざ蹴りを喰らわせて、キャンサーは後方へと飛ぶ。

『グルゥ!!』

 そして、それを追うように飛んでくる兎…の、脚が切り離されて宙を舞う。

「…もう一本、貰うよ」

『グルァ!?』

 どこにいたのかわからない、ハツユキが…的確に脚を、切り落とす。

 …もう私いなくてもいいじゃない…。

「…次は、後ろ」

 …ああ、ハツユキ…暗殺者だな…ワイヤーも使えるんだ…。

「最後」

 見事に、空中で四本全ての脚を奪うことで着地もできなくさせた。

 脚失ったことで、『欠損:脚(全)』と『多出血』の二つがかかる。

 …動きを封じられたら、もう少し硬いだけの兎でしかないな。

 …可哀想だけど、もうおしまいだ。最後は、一瞬で決めてあげよう。

「…成仏しなよ…。じゃあね」

 頭を打ち抜く。弱っていたために、ライフは0となる。

『グル…ゥ…』

 目を閉じ、倒れた。

 …まったく、ちょっと気分が悪いな。

「…ブレイズ」


「改めて久しぶりだね。二人とも」

「はい。お久しぶりです」

「ああ、今回は助かった。悪いな」

「いいよ、別に。乗りかかった船だし。まあ、見ず知らずの人なら見捨てたかもしれないけどね」

 倒れ樹に向かい合って座り、お互いに休憩する。

 …まあ、別に疲れてないんだけど。功労者はキャンサーとハツユキだし。

 世間話をしながら、お互いに会ったこととかを話し合う。

「冒険者ギルドの依頼ねー。ご苦労なことで」

「ミレニアは、受けたりしないのか?」

「やることもあるけど…ちょーっと、ね。知っての通り、私って有名人だから」

「…自分で言うな、とは言いたいが、本当だからな…」

 …それに、面倒事は嫌だもんねー…これからするけど。

 …はぁー、これからは…人間の街に入れなくなるんだなぁ…。

 …ま、情報が届いてない場所は入れるから用がある時はそっち行けばいいけど。

「ドロップアイテム、配分しとこうか」

 さて、アルミラージのドロップアイテムだけども…。

 一角兎の角(素材)

 一角兎の毛皮×6・爪×4(素材)

 ラビットテイル(アクセサリ)

 うさみみカチューシャ(衣装:頭)

 ラビットブーツ(防具:靴)

 ラビットクロー(武器:爪)

 ☆スピードティアラ(初回限定 アクセサリ)

 ☆ラピッドショット(初回限定 武器:弓)

「…まあ、一つは決定だね」

「そうだな」

 ラビッドショットは、アイシャで決定だね。

 …ってか、しっぽとかうさみみとか、なんだこれ…私こんなのつけたくないな。

 …ティアラとクローはこちらで貰い、あとは毛皮三つと爪と二つ貰った。

 意外とアイシャが兎好きだと判明した。

「私は一度、ファランに戻ろうと思うけど、二人はどうする?」

「私たちは、まだ終わってないクエストがあるので…」

「そうだな。それを終わらせたら戻ることにする」

「そっか。無茶しないでねー」

 二人に別れを告げて、三人で街へと戻る。

 …さてと…一つ、派手に暴れるかな。

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