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n.04 戦い?

*Side ミラ*


 はぐれ精霊のミラなの。

 よろしくなの。

 私の主は熾天使様なの。すごく強いの。

 戦ってる時も、踊ってるみたいなの。

 綺麗なの。

「休憩しようか」

 主の声で休憩なの。

 主がみんなに飲み物を渡してくれるの。

 主は優しいの。

 だからみんな、主が好きなの。

 はぐれ精霊は、あんまり快く思われることが無いの。

 だから優しくしてくれる人はいないの。

「よいしょっと」

 主が何かしてるの?

 お薬を作ってるみたいなの。

「ミラ、ちょっと手伝ってくれる?」

 主に呼ばれて近づいてみるの。

 指定されたとおりに火をつけるの。

「うん、いい感じ。ありがとね」

 褒めてもらったの。嬉しいの。

 それを何度も続けるの。

 でもちょっと疲れるの。

「休んでいいよ。ありがと」

 主はそれが分かると休ませてくれるの。

 代わりに他の子が手伝うの。みんな平等なの。

「みんなりがとね」

 主の笑顔を見れただけで、私たちは嬉しいの。

 だから大好きなの。


*Side ミレニア*


 山頂に辿りついた。とはいえ多数の山があるからその一つでしかないが。

 おそらくここが最大標高だろうと思われる。

 まあ、そこまで高くはないけどねぇ。

「さてと、大体こんぐらいだね。帰ろうか」

「了解した」

 ここに来るまでに、おそらく全ての(ボス系は覗くが)エネミーを倒しただろう。

 ここにいるエネミーの数は少ない。

 鷲型のエネミーであるシェノイーグル。主に急降下の勢いで爪や嘴を使った攻撃を行う。速度が速いが直線的な動きのため迎撃は難しくない。

 石人形ことストーンゴーレム。岩が10個集まっているため大小さまざまな大きさがある。特性が分かれるけど臨機応変に対応すれば問題なし。

 蚯蚓さんことヒルワーム。最大で長さ2.8mほどのワームだ。吸血はしないよ。地中から奇襲を仕掛けてくるけど、地揺れで判断可能だね。

 植物系エネミーのローパー。ちなみにあることをすると女性を食べたりします。四本の触手と粉塵による攻撃があって結構面倒な相手。

 特に注意しないといけないのはローパーだ。こいつらは殆どの場合ソロ行動なのだが、たまに二体で行動して連携をすることがある。

 片方が粉塵で麻痺や幻覚を発生させ、網片方が触手で攻撃したりするといういやらしい戦法を取る。

 尚、ローパーの名前の由来は『(ロープ)』であり、縄=触手となったのが由来だ。ローパーとは『縄(触手)を操る者』という意味があるため、決してモンスターである必要はない。

 ま、触手と聞いたらモンスターや魔族というイメージが出来てしまうのも無理はないが。あるいはタコぐらいなものだろう。

 ドロップアイテムは、鷲は恒例の羽と肉、手羽先と尾羽がレアだ。手羽先って鶏だよね?というツッコミは禁止だ。

 ゴーレムは丸石と霊核(弱)、後は金属片がレアで出る。ちなみに金属片は鑑定すると鉄か銀か金か鉛のどれかになり、10個でインゴット1個になる。

 ワームは体液と表皮、レアでワーム肉も出る。この肉が結構おいしいらしいが、正直食べたくはないな。

 ローパーは、まあ案の定であるが触手と麻痺/幻覚の粉が低確率で、あとは草の欠片がレアだ。あと、どうやら薬草とか落とすらしい。

 採取できるアイテムは鷲の羽と、極稀にあるんだけど子龍の鱗というものが。

 ということは、だ。この付近に龍が出現する(という設定がある)ということだ。

 とはいえ、子龍でも龍だ。迂闊な行動をして怒らせたら元も子もないので今日は引き上げる。

 うーん、今度この素材で鋼鉄さんたちに何か作ってもらおうかな?

 ウィスプ全員分の武器でも…さすがにそれは驚かれるかな?

 まあ、戻ってから考えよう。でも、早めにこの子たちの武器も用意しないといけないかな。


【人間都市:商業都市ファラン】

*Side ナムタル*


「よっと」

 寝ていた身体を起こす。

 最近は暇すぎて、もっぱら寝てばかりだ。

 まあ、服役中の身だからこれが普通なんだが。

 よくネット小説とかでは見られるが、PKをした奴は大抵悲惨な末路をたどる。

 まあ、あれはあくまで別の話だ。こことは関係ない。

 デスゲームのVRMMOを舞台にしたものも、最近は増えてるな。

 まあ、好みがあるとは思うが…似たりよったりの作品が多いからなんともな。

 俺も一応はPK、主にソロの奴を森で狩っていたのだが、まあ運悪く熾天使様に捕まったわけだ。

 今更俺の事は紹介する必要もないだろう。

「ああ、首いて」

 せめて何か暇つぶしでもできればいいんだが、残念ながらここは何もない。

 魔法の一つでも使えりゃいいんだが、生憎制限がかかってて無理だ。

 おそらく最上級あたりならこの程度は問題ないレベルだろうが。

 必然的にやることが無いのだ。武器も防具も全部没収されてるしな。

 まあ、あるとすれば身体を使った肉弾戦の練習ぐらいだ。けど一人でやってもあまり意味はない。

「相変わらずかしら、ナムタル」

 と、入口からミレニアが入ってきた。

「お前も相変わらずそうだな、ミレニア」

 突然現れたミレニアだが、もう慣れてるので気にしない。

 まあ、正確には反応するのが面倒なだけなんだが。

「今回は、あんたについて聞きたいことがあって来たのよ」

「聞きたいこと?何だ?」

「スキル構成についてよ。何なら武器でも防具でも調達してやるわ」

 …まあ、要約すると『脱獄した後の計画を作るための情報が欲しい』わけだ。

 それはこちらとしてもありがたい話だ。

「俺のスキルか…」

 簡素に説明する。

 メインスキルは〔長鎌術〕〔短剣術〕〔急所狙い〕〔気配遮断〕〔魔力遮断〕の五つ。

 サブスキルは〔熱量遮断〕〔振動遮断〕〔闇属性魔法〕の三つ。

 スタイルとマジックはない。

 あとはクラス暗殺者のクラススキル〔クリティカル〕〔毒知識〕の二つだ。

「ふむふむ。となると長鎌と短剣を用意すればいいわけね」

「そうだな。防具の方は、最低限の範囲を守れればいいさ」

「了解。じゃあなるべく軽くて薄い方がいいかな」

「そうしてくれると助かる。しかし、いいのか?」

「別にいいよ。これからは悪友なわけだし、私も生きるため必死なのさ」

 初めて会った時からそうだが、こいつは変わってる。

 いや、誰でも見れば分かるぐらい変わってるだろう。

 俺を味方に引き入れようとしたりするのも既に普通じゃない。

 最近はどうやら、ラミアとウィスプを仲間にしたらしいが。ウィスプはともかくとしてもラミアはこいつの先天的な何かが理由だろう。

 何か、人を引き付けるものでも持ってるんだろうな。

 事実、俺もこいつの事は嫌いじゃないどころか好感を持てる。

「よし。じゃあ早速武器と防具、あとアクセサリーも発注してくるわ」

「発注って…誰にだ?」

「プレイヤーだよ。ちょっと前に作ってもらった武器がいい出来だったから、またその人に依頼する予定」

「お前も普通のプレイヤーみたいだな、まるで」

「さあ?外の私は今とかなり違うよ。んじゃ、元気でねぇ」

 …去って行った。

「…ん、これは」

 さっきまでミレニアのいた場所に、見慣れた鎌と短剣が置いてある。

 …あのバカ、何を考えてるんだかなぁ。

「ったく…重罪だぞ。…ま、それも含めてあいつか」

 さてと、期待にこたえるためにも一つ、頑張りますかね。


*Side ミレニア*


 現在、街を散策中。

 というか、私が天使だというのはいつになったらばれるのだろう?

 まあ、確定要素の少ない現段階では分からないってことかな。

「ハツユキー、疲れたから背負ってー」

「主…それは主としての威厳が問われるかと思うのですが」

「いいじゃないのー。そもそも威厳なんて元からないよー」

「…」

 ハツユキの背中に飛び乗る。

「…まったく」

 なんだかんだ言っても優しいので、ハツユキはちゃんと支えてくれる。

 いやぁ、いいねぇ…これじゃ主従じゃなくて姉妹みたいだけど。

 周りの目は別に気にしないよ。私がいいんだからいいんだよ。

「しかしまあ、こんな近くにいるのに気付かないものなんだね」

「今は隠密してるし、見た目とか雰囲気でも分からない。だから普通の人間と変わらない」

「まあ、確かに格が違うからね」

 天使の最高峰とラミアの真祖だからね。キャンサーも入れれば特殊精霊と。

 既にこれだけで普通のプレイヤー1PTは超える戦力だ。

 いや、下手したら軍を超える戦力だな。こっちのバックには天使数万と精霊数億(?)がいる。

 …まあ、世界相手にしても戦えるとは思うけどね。精霊だけでも。

「主、何事も過剰にやり過ぎればバランスが崩れる」

「なんで考えてることがわかるのよ…」

「主のことを知るのも従者の務め。当然のこと」

 曲解かもしれないけど私にはプライバシーはないということか…。

 そのうちヤンデレに発展したり…大丈夫だよね?

 いや、ヤンデレとか別に嫌いではないんだけど…自分が当事者になるのは想像ができないな。というか当事者になんかなりたくないだろう、普通。

 ちなみに私はクーデレ派だ。

「…あれ、どうしたの?」

 考え事(九割型無駄だけど)していたら、ハツユキの足が止まっていた。

 視線の先を見てみると、七人のプレイヤー。

 何か言い争いをしているみたいだ。

 それは別にいいんだけど…その中の一人が以前一緒に戦った人であることだ。

「ハツユキ、何のため介入できる位置まで移動。臨戦態勢でね」

「了解」

 人ごみの中にそれとなく隠れて様子をうかがう。

 女性と男性の二人に、男性五人が因縁をつけているように見えるな。

 …ってか、あの子が男を連れてるなんてなぁ…なにがあったんだか。

 大人の階段でも上ったのかな?ははは。

 …まあ、冗談は置いておいて。

 まったくどういう状況だか分りかねるな。まあ、どのMMOにもこの手のバカはいるけどさ。

 変な因縁とかつけてくるから嫌なんだよねぇ。特にVRMMOだと、五感も全て現実と共有だしPCとかとはわけが違う。

 まあ、身体アバターという概念はどちらも変わらないけど。こちらはよりダイレクトなわけです。色々と。

「まあ、そう言う奴は…ちゃんとした罰を与えるだけ」

「主のご用命とあらば」

「うん。よろしくね」

 開戦の合図のように、金属音が甲高く鳴った。

皆さんお気づきの、あの子が久しぶりの登場ですね

そんなにまだ時間は経ってませんが…

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