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天魔異世界転移の冒険譚  作者: シュウ
第一章 異世界生活編
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第21話 青紫色の実

灰色の生き物と過ごす時間が増えるにつれ、俺はその行動を少しずつ観察できるようになっていた。


ある日、生き物が茂みの近くで立ち止まった。


地面には、青紫色の実がいくつか落ちている。


生き物はその実を口にした。


ひとつ食べ、周囲を確認し、またひとつ食べる。


どうやら、この実を食べることには慣れているようだった。


「それが、お前の食べ物なのか?」


俺は離れた場所から様子を見た。


青紫色の実は、見た目だけなら果実に見える。


しかし、見た目だけで食べられると判断することはできない。


俺は実の形や色、茂みの特徴を覚えておくことにした。


灰色の生き物は、しばらく食べたあと、こちらを向いた。


そして、口元にくわえていた実を地面に置くような仕草をした。


俺は少し驚いた。


「……俺にも食べろってことか?」


そう見えなくもない。


ただ、偶然そうなっただけかもしれない。


生き物の意図を断定することはできなかった。


俺は実を拾い、手の中で観察した。


匂いを確かめ、表面に傷や変色がないかを見る。


それでも、安全性は分からない。


状態異常無効という能力が本当に働くとしても、あらゆる毒や危険を防げるとは限らない。


まして、能力そのものをまだ検証していない。


俺は実をすぐには食べず、ひとまず収納魔法にしまった。


灰色の生き物は、また別の実を食べ始めた。


この実が食料になる可能性はある。


しかし、それを確かめるには、慎重な検証が必要だった。

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