第15話 森での生活を形にする
水場を探す日々の中で、俺は少しずつ森での暮らし方を考えるようになっていた。
ただ歩き回っているだけでは、体力がいくらあっても足りない。
探索する時間。
休む時間。
道具を作る時間。
それぞれを意識して行動しなければ、無駄に疲れてしまう。
俺は、目印になる場所をいくつか覚え、探索の範囲を少しずつ広げることにした。
戻る場所を決めておけば、迷う危険を減らせる。
寝床も改善したい。
地面に葉を敷くだけでは、体が痛くなるし、湿気も気になる。
大きな葉や枝を使って、少しでも地面から離れられるようにできないだろうか。
考えながら、材料になりそうなものを探す。
収納魔法のおかげで、見つけた枝や葉を持ち歩く必要はなくなった。
ただし、しまった物の時間が止まるかどうかは、まだ分からない。
生き物を収納できるかどうかも不明だ。
分からないことを、分かったつもりで扱わない。
それが、この世界で生き残るために必要なことだと思った。
食料についても同じだった。
見知らぬ実や根を見つけても、すぐには食べない。
食べられるかどうかを確かめる方法も、まだ十分にはない。
俺は焦らず、まずは生活の基盤を整えることにした。
夜を越せる場所を作る。
水場を見つける。
使える道具を増やす。
そして、この世界で自分が何をできるのかを確かめる。
その積み重ねが、いつか自由な生活につながるはずだ。
俺は森の奥を見つめた。
ここは、ゲームの世界ではない。
失敗すれば、取り返しがつかないこともある。
だからこそ、自分の頭で考え、慎重に進んでいく。
天魔としての生活は、まだ始まったばかりだった。




