第13話 手ぶらで歩けるということ
収納魔法の使い方が少し分かったことで、森の探索は以前よりも楽になった。
枝や葉を手に持ち続ける必要がなくなったからだ。
俺は、使えそうなものを見つけたら、まず安全を確かめ、それから必要に応じて収納することにした。
ただし、何でもかんでも集めるつもりはない。
使い道が分からない物を大量に集めても、管理できなくなるだけだ。
今は、丈夫な枝や大きな葉など、用途を考えやすいものを中心にする。
収納した物を取り出すのも、少しずつ慣れてきた。
手の中に戻すつもりで意識すると、物が現れる。
最初は驚いたが、何度も試すうちに、落ち着いて扱えるようになってきた。
とはいえ、まだ失敗する可能性がある。
重要な道具をしまうときは、ちゃんと収納できたことを確かめるようにした。
「これが使えるなら、荷物の問題はかなり解決するな」
身軽に動けるのは大きい。
もし今後、食料や道具を集められるようになれば、持ち運びの負担を減らせる。
それだけでも、生き残れる可能性は上がるだろう。
ただ、俺はひとつ気になっていた。
収納した物の時間は、どうなっているのだろう。
もし時間が止まるなら、食料を保存できるかもしれない。
しかし、今のところ、それを確かめる方法はない。
少なくとも、時間が止まると決めつけて食料を入れておくのは危険だ。
「これは、あとで調べる必要があるな」
俺はそう考え、ひとまず探索を続けることにした。
収納魔法は便利だ。
だが、便利だからこそ、できることとできないことを確かめなければならない。




